ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

暴走と好走塁は紙一重~京田陽太の「前」へ進む意志

●0-1DeNA(3回戦:バンテリンドーム) 思いがけないことが起こる世の中だ。まさか東京ドームでの奇跡の逆転劇を経て、本拠地ナゴヤで3連敗を食らうとは考えもしなかった。なんなら小笠原慎之介、高橋宏斗、松葉貴大の強力裏ローテで3連勝できる予感こそして…

どっちが4番だ?〜不調のビシエドと、プロ初本塁打の鵜飼航丞

●6-7DeNA(2回戦:バンテリンドーム) 一方的な負け試合をよく追い上げたと言うべきか、勝てた試合を落としたと言うべきか。8回裏1死一、二塁で打順は4番。これ以上ないお膳立てのはずが、このチームでは機能しない。この日最高の盛り上がりを一瞬にしてため…

停滞は衰退

●0-4DeNA(1回戦:バンテリンドーム) いよいよ本拠地、バンテリンドームでの試合が始まった。今年の始球式はめるること生見愛瑠さん。そのボールは同じ稲沢市出身の大先輩、金田正一ばりの剛速球……ではなく山なりだったが、ホーム開幕戦での大イベントに緊…

センター岡林勇希、レフト大島洋平の布陣に近未来をみた!

●0-4-DeNA(1回戦:バンテリンドーム) 稀にみる大逆転劇の勢いそのままに、立浪ドラゴンズがナゴヤに帰ってきた。開幕3連敗で本拠地開幕なんてことになれば、いきなりお通夜ムードが漂っていたところだが、驚異的な粘り勝ちによりムードはあきらかに追い風…

開幕3連戦終了!……で、根尾昂はどうなの?

敵地・東京ドームでの巨人3連戦を1勝2敗で終えた立浪ドラゴンズ。明日29日からはDeNAを迎え、本拠地開幕シリーズを戦う。 しかし、巨人とのGame 3はよく勝ったと思う。昨季までなら柳裕也が初回に4点を失った時点でジ・エンド。8回から6点を奪って逆転勝ちを…

劇勝を呼んだ阿部寿樹の“目”とオールラウンダーっぷり

○7-5巨人(3回戦:東京ドーム) 4時間超の熱戦の末にヒーローになったのは、坂本勇人でも赤星優志でもなく溝脇隼人だった。この展開を予期できた者がどれだけいるだろうか。Twitter界隈にはびこる胡散臭い自称・預言者どもは、数打ちゃ当たる地震予想なんか…

何事も当てにはできない〜立浪政権の分岐点がはやくも⁉︎〜

次はプロ通算50打数4安打の投手・勝野昌慶。打撃は全く当てにならない。しかしながら、気が付いた時には打球がレフトスタンドに突き刺さっていた。

襲いくる「ライブハウス東京ドーム」!トラウマ更新の田島慎二

●5-7巨人(2回戦:東京ドーム) 今夜の我が家の夕飯はすき焼き。何もプロ野球開幕にかこつけてそうした訳ではないが、立浪ドラゴンズの船出と初勝利にはうってつけの御馳走だとニヤニヤしながら祝杯の準備をしていたわけである。だが、用意した飛騨牛600グラ…

立浪竜の初陣を現地観戦! 岡林勇希を見守るスタンスが決まった夜

●2-4巨人(開幕戦:東京ドーム) 毎年、開幕日というのは気持ちが昂ぶるものだ。まっさらな状態でペナントレースが始まるワクワク感、そして「始まったら元には戻れない」不安感。相反する感情を内包して、選手たちの躍動を見つめていく。 今シーズンの場合…

気持ちが切れた瞬間〜コロナ禍にはなかった「圧」に呑まれた大野雄大

●2-4巨人(開幕戦:東京ドーム) 大野雄大と菅野智之。2010年代以降のセントラルリーグを代表する両エースだが、そのライバル同士のマッチアップは回数にしてわずか6度と思いのほか少ない。菅野の状態がピークに達した2016〜2018年頃がちょうど大野の低迷期…

積み重ね

●2-4巨人(開幕戦:東京ドーム) 得点圏であと一歩が出ずに負けた、まるで去年を見るような負け方だった……。という見方はあるかもしれない。だが直接的な敗因は5回の裏に凝縮されているようにも思えた。あっという間に許した逆転は取られるべくして取られた3…

立浪和義「辛抱」と「負けん気」〜置かれた場所で咲き続けた野球人生

立浪和義の監督就任が報じられた昨年10月12日から今日に至るまで、ずっと考え続けてきた事がある。 「なぜ立浪は中日ファンにとって特別なのか?」 秋口には『君は立浪和義を知っているか』と題した連載モノを通して、その野球人としての足跡をあらためて振…

誹謗中傷の一件で伝えたいこと

オープン戦も終わり、シーズン開幕が目前に迫ってきた。開幕投手こそ予告制になり、各球団早めの告知が恒例となってきたが、それに加えて開幕試合のオーダー発表をするチームもあるなど、いちプロ野球ファンとして12球団の動向が楽しみでならない。 中日ドラ…

野村シダックスとドラゴンズは縁があった?~『砂まみれの名将 野村克也の1140日』を読む~

オープン戦で体と心を慣らすとともに、野球本を読んで気持ちを高める今日この頃。そこで本稿では『砂まみれの名将 野村克也の1140日』(新潮社)について記したい。 本書はノムさんが社会人野球・シダックスを率いた、2002年冬から05年冬にわたるノンフィク…

ベールを脱いだ傑物~高橋宏斗episode0~

2022年最初の野球観戦。あえてこの日を選んだのは理由がある。純粋に佐々木朗希が観たい! ただそれだけ。ところが、チケットを購入する時点で予想ができたとはいえ、佐々木朗が登板することはない。残念ながら名古屋とは縁がなかったようだ。それでも、ドラ…

少年とショーゴーの思い出 後編

前編はこちら 2001年の少年ファンクラブ会員証は所属選手全員から選ぶことができた。おそらくほとんどの会員証には立浪和義や山崎武司といった一流選手の写真が入っていたことだろう。だが少年のファンクラブ会員証には少年の誕生日と、これまで1軍出場ゼロ…

オープン戦終了! 目立った若手の躍動と、中堅ベテラン勢の不甲斐なさ

●2-10ロッテ(オープン戦:バンテリンドーム) 高橋宏斗は宇宙だぁぁ! と大声で叫びながら町中を走り回りたくてたまらなかった。祝日の真昼間から30過ぎの男がこんな事したら即・通報案件だろう。さすがに前科を付けたくないのでかろうじて思い留まったが、…

二つの収穫~天才・岡林勇希とリリーフ転向ジャリエル・ロドリゲス

〇4-2ロッテ(オープン戦:バンテリンドーム) オープン戦も残り2試合となり、いよいよ本番に備えた選手起用が見られるようになってきた。その中で未だに日替わりの様相を呈するのが打順である。1,2番の大島洋平、岡林勇希の快速コンビ、4番ビシエド、7番石…

ギャンブル系の勝野昌慶、投げっぷりの森博人

△2-2楽天(オープン戦:バンテリンドーム) 勝野か、岡野か、それとも……。一説には福谷浩司という選択肢もあるとかないとか。26日の開幕2戦目の先発マウンドを懸けた争いが、にわかに熱くなってきた。大野雄大と柳裕也のダブルエースの狭間という日程的に、…

4番の差で負けるのは勘弁! ビシエド心中の危うさ

△1-1楽天(オープン戦:バンテリンドーム) 「岡本、グランドスラム打ったってよ」 ちょうど開幕まで一週間となり、各球団の開幕投手が一斉に登板した花金のオープン戦。我がドラゴンズも2年ぶり4度めの大舞台に立つことが決まっているエース大野雄大が、開…

梅津がTJ手術…過酷なリハビリを思う

梅津晃大が右肘内側側副靱帯の再建手術、いわゆるトミー・ジョン手術(以下、TJ手術)を受けるそうだ。今朝の『中日スポーツ』と『スポーツ報知』がスクープしている。 ドラゴンズ所属投手のTJ手術といえば、直近だと田島慎二の例が挙げられる。田島は一昨年…

少年とショーゴーの思い出 前編

1999年6月。 中学生になったばかりの少年は、朝から自転車で最寄りの駅まで向かい、地下鉄鶴舞線に揺られていた。同級生とふたり上前津駅で乗り換え、終点の大曽根駅で降りる。そう、まだ名城線がすべて繋がる前の話であり、ナゴヤドーム前矢田駅が開業する…

今年も仕事人! 松葉貴大の味のある投球

●0-4巨人(オープン戦:バンテリンドーム) コロナ禍がもたらした「よかった事」のブッチギリ首位を走るのが、会社の飲み会文化である。とりわけ春といえば歓送迎会。花見の場所取りを早朝から……なんて光景はコロナ前から既に消えつつあったが、それでも酔い…

がんばれ石川昂弥! 使い続けた先に “覚醒” は待っている

〇6-2巨人(オープン戦:バンテリンドーム) 「今年の中日は手ごわいと思わせる」と開幕カードの前哨戦となる巨人戦に向けて抱負を語っていた立浪監督。久々に帰ってきた本拠地でDH制を採用せず、このままの形で開幕と言われても違和感のないガチオーダーを…

投手への声かけで思い出したこと~石森×落合ヘッドの例から~

13日のオリックス戦で興味深い場面があった。 8回裏、制球を乱した石森大誠のもとへ落合英二ヘッド兼投手コーチが駆け寄る。肩を抱き、柔和な雰囲気の中で言葉を交わす。マウンド上の輪が解けたあと、石森のボールは明らかに変わり、結果ノーアウト満塁のピ…

忖度なき改革~レフト大島洋平を断行した立浪監督の恐るべき実行力!

〇4-1オリックス(オープン戦:京セラドーム大阪) 立浪監督は圧倒的に「攻め」の将だと思う。やりたい事、やるべき事を即決即断で実行に移せるのは大所帯を率いるうえで必要不可欠な能力だが、現実にはこれができる監督はそう多くない。このあたりは星野仙…

「立つ」派?「座る」派? ベンチでの監督の「定位置」の話

●0-3阪神(オープン戦:甲子園球場) 今さら打てないことをどうのこうのと嘆くつもりはない。歴史的な貧打にあえいだ昨季から一切の補強を断って若手育成に舵を切ったのだから、これしきの苦悩は織り込み済みだ。まさか中村紀洋コーチを迎えただけで目が覚め…

「グシャン!」鵜飼航丞の打球音は凶器だ

●1-6阪神(オープン戦:甲子園球場) バットがボールを捉えたときの効果音といえば、一般的にはもっぱら「カキーン」が主流を占める。たぶん街頭調査をすれば8割方が「カキーン」と答えるだろう。実際は木製バットで「カーン!」と気持ちのいい音が響くのは…

ナウでヤングなエモい若手たち~高橋宏斗、2年目の飛躍へ

www.nikkansports.com ニュースページにワクワクする見出しが踊った。いよいよ昨年のドラフト1位がお披露目となる。今年は北谷キャンプを完走すると紅白戦、対外試合でもアピールし、ついに落合ヘッド、立浪監督のGOサインが出ることとなった。 2019年に行わ…

ある日のドラゴンズ⑱雨の金沢、幕引きは意外な形で

プロ野球の歴史は、記憶にも記録にも残らない「ある日」の積み重ねで出来ている。 年間140試合のうち10年後も思い出せる試合は幾つあるだろうか。何の変哲もない日常はやがて記憶の彼方へと埋もれてゆく。 しかし、忘れ去られた「ある日」もたまに引っ張り出…