ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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2022-01-01から1年間の記事一覧

もう弱いドラゴンズは飽きた

○3-0広島(25回戦:Zoom-Zoom スタジアム) 2018年秋のドラフト会議で与田監督が当たりクジを引いたその瞬間から、ドラゴンズは根尾昂との心中の道を歩み始めた。『中日スポーツ』はこの4年間、事あるごとに根尾を1面に据え、球場のファンは根尾が登場するた…

若者たちの9.30〜岡林と小笠原 それぞれの躍動

○6-1DeNA(25回戦:横浜スタジアム) 23年前の今日、星野仙一が神宮球場の夜空に舞った。守護神・宣銅烈がペタジーニをセカンドフライに打ち取り、立浪和義が大事そうにボールをキャッチした瞬間、ドラゴンズは11年ぶりの優勝を果たしたのである。 あれが物…

春が待ちきれなくて〜最下位確定の夜、悲壮感なし

●1-6DeNA(24回戦:横浜スタジアム) 我々は今夜、高橋宏斗が打ちのめされる光景を初めて目にしたことになる。5回6失点。エラー絡みとはいえ、4点を失った5回表の投球は集中力が切れ、ボールが制御できていないように見えた。これまで驚くべき安定感を維持し…

勝者のメンタリティ〜松田宣浩構想外の衝撃

慌ただしい朝だった。と言っても私自身のことではなく、スポーツ紙面上の話だ。まず飛び込んできたのはヤクルト・内川聖一、嶋基宏の現役引退を伝える記事だった。2010年代を代表する両プレーヤーの引退に、時代の移り変わりを感じずにはいられない。続いて…

15本塁打に王手〜良くも悪くもビシエド

●3-8DeNA(22回戦:横浜スタジアム) 昔ティモンズという外国人がいた。オジー・ティモンズ。5位に終わった2001年はドラゴンズの球団史でも語られることが滅多にないシーズンなので、あまり知名度の高くない選手に分類されるだろう。 前年まで在籍したゴメス…

Hello, Again

転職で地元・愛知を離れ関東に移り住んで4年目。最後にナゴヤドームを訪れたのは2018年の10月。荒木雅博と岩瀬仁紀の引退試合の日だった。あれから4年、久々にドームへと足を運んだ。3試合連続の試合観戦は2008年9月14~16日以来14年ぶり、またカード3試合全…

天才どころの話じゃない〜岡林勇希 タイトル挑戦へ

○7-1巨人(25回戦:バンテリンドーム) 立浪ドラゴンズの初陣は、ちょうど半年前の巨人戦だった。3月25日の東京ドーム。奇しくも先発は大野雄大と菅野智之。新しい時代の幕開けに胸躍らせたのも遠い過去のようだ。あれから半年、ドラゴンズは最下位という順…

正捕手の働き〜木下拓哉がみせた影のファインプレー

○2-1巨人(24回戦:バンテリンドーム) 「小笠原慎之介vs.戸郷翔征」 昨夜、場内に予告先発がアナウンスされた時、中日ファンからは一様に「明日も負けだがや〜」と悲鳴のような声があがった。 勝利数、奪三振数でリーグトップに立つ戸郷を相手に苦戦は織り…

青春のエピローグ〜福留孝介引退試合

●3-9巨人(23回戦:バンテリンドーム) 強い選手だった。弱音を吐いているところなど見たことがない。外野手に転向した2002年以降は球界を代表する強打者として君臨。その後、落合監督の就任と共にスタートした “黄金時代” にはリーグMVPを受賞するなど華々…

見えたぞサイ・ヤング賞〜神を超えた高橋宏斗

○3-0東京ヤクルト(25回戦:明治神宮野球場) このごろ世間に流行るもの。56号、三冠王、マジック4にヤクルト1000……。朝、ニュースを付けたら「村上新記録なるか」という話題が流れていてびっくりした。大谷翔平ならともかく、プロ野球の一選手がこうして脚光…

40手前の働き盛り〜衰え知らずのレフト大島洋平

●2-6東京ヤクルト(24回戦:バンテリンドーム) 世間で40歳手前と言ったらいわゆる働き盛りにあたるわけだが、プロ野球の世界でこの辺りの年齢は引退適齢期である。昔、和田一浩がドラゴンズでバリバリ活躍していた頃は風格が漂いまくり、誰しもが「和田さん…

天才・岡林勇希、再びの栗林攻略

◯5-3広島(24回戦:マツダスタジアム) 出てくる選手というのは、さほど時間をかけなくてもきちんと出てくるものだ。言うまでもなく、岡林勇希のことである。 5打席目まで併殺打を含む無安打といいところのなかった岡林だが、11回表に絶好のチャンスで6打席目…

嘆きとため息の中で〜あっさり後続を切った森博人の好リリーフ

△3-3東京ヤクルト(23回戦:バンテリンドーム) 「え、勝負すんの?」 正直驚いたのは12回表、この日5度目の村上宗隆との対戦だ。このイニングさえ凌げば負けは消えるという局面。6番手・藤嶋健人がテンポよくツーアウトを取り、打席には4番・村上。5番のオ…

心地いい緊張感の中で〜村上vs大野雄大 極限バトル

○8-0東京ヤクルト(22回戦:バンテリンドーム) 息子がライオンズ戦を見たがっていたので週末のベルーナドームのチケットを取ろうとしたところ、目ぼしい並び席はすでに完売。ひとり席がちらほらと残っているだけだった。 あぁ、そうか。優勝を争うチームに…

今だから考える~福留孝介、社会人野球での3年間~

「よっしゃー!!」 1995年のドラフト会議にて、近鉄・佐々木恭介監督の声が会場に轟いた。しかし7球団の抽選の末、この年の目玉である福留孝介(PL学園)の交渉権を獲得したにもかかわらず、その声にはどことなく虚しさが漂う。 話題の超高校級スラッガーは…

三振45% 本塁打5%〜だから石垣雅海はおもしろい

○3-2DeNA(21回戦:バンテリンドーム) 日々辛辣なバッシングを受け続ける立浪監督だが、若手の積極起用に関しては素直に評価すべき点だろう。誰が監督でも頭角を表していたであろう天才・岡林勇希は別として、土田龍空がショートで50試合近く先発出場という…

守り勝つ野球とは〜高橋宏斗見殺しの罪

●0-1DeNA(20回戦:バンテリンドーム) なぜ投手の一世一代の好投を、高揚感ではなく苛立ちと共に見守らなければいけないのか? 完全試合をやりかけた大野雄大の時もそう。マツダスタジアムで8回途中まで無安打無失点ペースだった高橋宏斗の時もそう。そして…

清算にはまだ早い〜熱さ失った甲子園ラストゲーム

2006年のドラゴンズは分厚い選手層を背景として圧倒的な強さを見せつけた、と語られがちだ。まあ間違いではないし、擦りに擦られてきた「10.10」の優勝試合を振り返れば、あの年の強さはリアルタイム世代ではないファンにも容易に伝わるはずだ。 確かに強か…

勝ち運なき勝野

●0-5阪神(24回戦:甲子園球場) 負けた。勝野がまた負けた。いや、また勝てなかったと言うべきか。これで昨年から続く勝野昌慶の「連続先発機会白星なし」は19登板に伸びた。最後に勝ったのは昨年4月28日の阪神戦。6回1/3を無失点という文句なしの投球でチ…

狂気の左腕〜小笠原慎之介に眠る鬼

○5-2巨人(22回戦:東京ドーム) 好投するたびに褒めるのも芸が無いが、それだけ小笠原慎之介の覚醒はドラゴンズファンにとってスペシャルな出来事なのだ。 前回のヤクルト戦では8回途中まで投げて8安打1失点と、粘りの投球で7勝目をマーク。2年連続の規定投…

崩した相性、崩れた相性

○3-1巨人(21回戦:東京ドーム) 誰にだって相性の良し悪しがあるが、それはプロ野球選手とて例外ではない。ただし彼らの場合はグラウンドでのコミュニケーション、すなわち対戦成績という形で表れる。 古くは1998年、川上憲伸が同じルーキーの高橋由伸を相…

福留孝介引退に寄せて〜「ありがとう」と伝えたい

◯2-0広島(23回戦:バンテリンドーム) 涙をこぼすわけでもなく、情に刺さるようなフレーズもなく。飾らず、気取らず。飄々と、淡々とした受け答え。これぞ福留孝介という引退会見だった。 多くの人たちにとってそうであるように、福留は私にとっても非常に思…

ツキを生かせない弱さ〜福敬登、痛恨の2球目

●1-3広島(22回戦:バンテリンドーム) 転がり込んだツキをみすみす手放すことほど悔しいものはない。今夜のゲーム、ツキはどう考えてもドラゴンズに向いていた。初回、岡林勇希の四球から暴投、タイムリーで鮮やかに先制し、さらに阿部寿樹も6球粘って四球。…

がんばれ中スポ!〜西日本スポーツ発行休止の衝撃

●2-4広島(21回戦:バンテリンドーム) 西日本スポーツが来年3月末で紙面発行休止へーー。日本列島を駆け巡った衝撃の一報はたちまちトレンド入りし、多くの野球ファンを動揺させた。 古くは1950年に一年間だけ「西日本パイレーツ」というプロ球団を持ったこ…

先週のナイスプレー!(8/30~9/4)

基本的に月曜日はゲームがない移動日、と言うことで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。今回は8/30~9/1のDeNA戦、9/2~4のヤクルト戦の中からピックアップした。 投手部門:全球ストレート!プライドで抑えたR.マルティネス(9/4 ヤクルト戦…

ゴロ2本〜祖父江大輔の渋い働き

○6-3東京ヤクルト(21回戦:明治神宮野球場) 狙って三振を取れる投手は強いと、高橋宏斗の投球を見ながらつくづくそう感じた。 ハイライトは4回裏だ。この回無死から2連打を浴びて失点。なおもランナー二塁という場面で打席には村上宗隆。第1打席ではストレ…

辿り着いた完成形〜これぞ小笠原というシビれる投球

○5-1東京ヤクルト(20回戦:明治神宮野球場) 人間誰しもがいずれは老いる。老いれば思い通りに身体が動かなくなり、おのずとモデルチェンジを図らなければならない時がやってくる。野球は選手寿命が比較的長い競技ではあるが、20代の時と同じパフォーマンス…

名勝負数え歌〜夜空を切り裂いた50号と、大野雄大の意地

●0-5東京ヤクルト(19回戦:明治神宮野球場) 「行ったああああああ」 打った瞬間それと分かる打球が夜空に舞い上がった瞬間、私の心の内では悔しさよりも何か、晴れやかさの方が優っていた。不思議な感覚だった。敵軍の先制本塁打に対して、こうした気持ち…

突然の雨に打たれて〜上田洸太朗の強さと、ドラゴンズの弱さ

●0-7DeNA(19回戦:横浜スタジアム) 雨曝しの横浜はどう考えても試合を続行できる環境ではなかったが、“大人の事情” というのはどんな時でも無理を押し通すものだ。計60分に及ぶ2度の中断を経て再開のコールがかかったとき、時計の針は既に19時を回っていた…

つれない夏の終わり〜本塁打0、怖くない4番打者

●2-3DeNA(18回戦:横浜スタジアム) 夏の終わりはなぜか切ない。あんなに鬱陶しかった猛暑も、寝苦しい夜も、今となっては少し懐かしい気さえする。毎週のように通った市民プールは一年間の閉園に入り、明日の朝には通勤電車も学生でごった返す日々が始まる…