ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

つれない夏の終わり〜本塁打0、怖くない4番打者

●2-3DeNA(18回戦:横浜スタジアム) 夏の終わりはなぜか切ない。あんなに鬱陶しかった猛暑も、寝苦しい夜も、今となっては少し懐かしい気さえする。毎週のように通った市民プールは一年間の閉園に入り、明日の朝には通勤電車も学生でごった返す日々が始まる…

シーズン最終盤、根尾はどこへ向かうのか?!

●0-6DeNA(17回戦:横浜スタジアム) 降りしきる大雨の中、甘く入った150キロのストレートをオースティンに完璧に捉えられ、背番号7は投げ終えた身体を打球の飛んだ方へ向け、その行方をただ眺めていた。 残り試合、根尾の今後はどうあるべきか 根尾昂がウエ…

哀しきワンサイドゲーム〜負け癖に打ち勝つために

●0-6DeNA(17回戦:横浜スタジアム) 降りしきる大粒の雨。もしこれがシーズン序盤であれば間違いなく試合中止か、降雨ノーゲームになっていただろう。今となっては、できればそうなって欲しかったと溜め息を吐くことしかできない。 今季まだ3勝しかしていな…

先週のナイスプレー!(8/25現地版)

基本的に月曜日はゲームがない移動日、と言うことで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。今回は現地観戦した8/25の巨人戦からピックアップした。 投手部門:状態は上向き、福敬登のパーフェクトピッチング 先発の高橋宏斗が7回2失点の好投で、…

クリーンヒット〜柳裕也を変えた痛恨の一撃

○4-1阪神(23回戦:バンテリンドーム) いつもより丁寧に靴紐を結び、まっさらなマウンドに上がる。その表情は、心なしか緊張しているようにも見えた。2週間ぶりの登板となった背番号17、柳裕也である。一球一球、確かめるように投げるその姿は、まるでプロ…

隣から見ても青くない芝生〜ビシ40本打法は何処へ…

●1-5阪神(22回戦:バンテリンドーム) 隣の芝生は青く見える、と言うが果たしてそうだろうか。阿部寿樹、ビシエド、溝脇隼人で組むクリーンアップはどう考えても火力が弱く、敵の立場から “青く” 見えているとは到底思えない。 3人合わせて11本塁打97打点。…

掴もうぜレギュラー〜土田龍空19歳の挑戦

○5-2阪神(21回戦:バンテリンドーム) 昨夜の巨人戦を終えてどこか虚無に襲われたのは、二度の満塁を活かせなかったことよりも、9回無死一塁でのバント失敗ダプルプレーがあまりにも痛かったからに他ならない。その当事者である土田龍空は、ナゴヤに移動し…

巨人を最下位に突き落とせ!③〜エース高橋宏斗、間合いの妙

●1-2巨人(20回戦:東京ドーム) プロ2年目と4年目によるバチバチと音が聞こえてきそうな次世代エース同士の投げ合いは、ハーラートップタイを走る戸郷翔征に軍配が上がった。試合終了の瞬間、東京ドーム内に響き渡る「敗戦投手・高橋宏斗」という無情のアナ…

巨人を最下位に突き落とせ!②〜ビジター男の投球術

○4-1巨人(19回戦:東京ドーム) イヤだな〜、イヤだな〜と。心の中の稲川淳二がざわつき始めたのは、3回表を終えた時の事だった。印象の割に、点数が少なすぎるんですよねぇ〜と、淳二がギョロリとこちらをにらむ。 3回終わって早くも6安打。さらにパスボー…

巨人を最下位に突き落とせ!①〜天敵中田翔

●0-6巨人(18回戦:東京ドーム) お盆過ぎれば涼しくなる。たしかに先週あたりから、朝夕の空気の変化を肌で感ぜられるようになった。窓を開けたときに入ってくる風が、まとわりつくような熱風ではなく、ひんやりとした秋のそれなのだ。 ビデオ考古学者のコ…

先週のナイスプレー!(8/16~8/21)

基本的に月曜日はゲームがない移動日、と言うことで「先週のナイスプレー!」という企画の行っている。今回は8/16~18の広島戦、19~21のヤクルト戦の中からピックアップした。 投手部門:悪いなりにゼロを刻んだ、根尾の2イニング目(8/20 ヤクルト戦) こ…

戦術としての「逃げ」〜上田洸太朗に備わる“程よい割り切り”

○5-2東京ヤクルト(18回戦:バンテリンドーム) “飄々” という言葉が似合う投手がドラゴンズに現れたのは、とても喜ばしい事である。売り出し中の2年目サウスポー・上田洸太朗は、ピンチになろうが村上宗隆を迎えようが顔色ひとつ変えずに淡々とボールを投げ…

破壊の美学〜村上宗隆の襲来

●2-7東京ヤクルト(17回戦:バンテリンドーム) 怪獣映画の白眉は都市破壊シーンにある、といっても過言ではない。東京に現れた初代ゴジラが国会議事堂を壊したとき、映画館の観客から歓声と拍手が沸き起こったというのは有名な逸話だ。『シン・ゴジラ』では…

新時代とマルチタレント

○4x-3東京ヤクルト(16回戦:バンテリンドーム) 「厳しい言葉ですけど今までのレギュラーだと勝ててなかったわけです。(今まで)Aクラスにギリギリ入るようなチーム状況だったので、勝てるチームのレギュラーを作っていかなきゃいけないと立浪監督は考えて…

表情観察〜三好大倫、淡々と三塁打を放つ

○6-1広島(20回戦:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島) 最近はプロ野球を楽しむにも映像は観ずに、スポナビの速報だけで済ませるというスタイルも定着しつつあるように思う。会社帰りの通勤電車、隣の席のサラリーマンがスポナビ速報をチェック……という場面に…

レビーラ成長譚〜キューバ産エンタメを楽しむ

●0-1x広島(19回戦:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島) 昔テレビ愛知でやっていた『TVチャンピオン』が好きで、よく観ていた。内容は2パターンあって、和菓子選手権やプラモデル選手権のような職人技術を競う回。一方、私が好きだったのは特撮選手権とかユー…

悲壮感すら漂わせ〜柳裕也の苦悩

●0-5広島(18回戦:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島) どうにもこうにもピリッとしない。今季の柳裕也の投球である。京セラドームでは若手の躍動で阪神をスイープし、3連勝で迎えるは敵地の広島戦。実は立浪ドラゴンズは「4連勝」が壁となっており、今季は4…

先週のナイスプレー!(8/9~8/14)

基本的に月曜日はゲームがない移動日、ということで「先週のナイスプレー!」という企画のお時間です。今回は8/9~11の巨人戦、12~14の阪神戦の中からピックアップした。 投手部門:昨年からの進歩を確実に見せた、小笠原の7イニング(8/13 阪神戦) 最高の…

ジャンピングスクイズ失敗を「成功」させた、中日首脳陣の頭脳と木下拓哉の技術力

○5-4阪神(20回戦:京セラドーム大阪) 勝敗を分けた9回表の “あのプレー” を言語化するとしたら、「ジャンピングスクイズ失敗・暴投・盗塁・ホームスチール」とでも表すのが適当であろうか。なんのこっちゃ分からないが、あの一球で本当にこれ全てが起こっ…

ドラゴンズ、始まったな〜風か魔かリューク

○2-0阪神(19回戦:京セラドーム大阪) 岡林勇希と土田龍空。このW若竜の名を、阪神ファンは嫌でも脳髄に叩き込まれたに違いない。 甲子園V投手同士のマッチアップとなったこの試合、最初にピンチを迎えたのは小笠原慎之介だった。4回表、無死二、三塁。「得…

エースの証明〜マダックスならずも……大野雄大、完封

○4-0阪神(18回戦:京セラドーム大阪) 敗軍の将・矢野監督は試合後、この日の攻撃に関して「何もできなかった」と振り返った。何もさせなかったのは背番号22、ドラゴンズのエース・大野雄大である。 “エース” の定義は実にあやふやだ。トランプの「A」で表…

場当たり的〜京田陽太の明日はどっちだ

●1-6巨人(17回戦:バンテリンドーム) シーズン100試合目。繋がらない、決め手に欠ける打線は改善の兆しすら掴めぬまま淡々と試合数を重ね、この日もルーキー・山﨑伊織の前に4安打1得点に封じ込まれる「いつもの貧打」で、3万の観衆を集めたバンテリンドー…

満塁・木下拓哉の苦悩は続く

●1-2巨人(16回戦:バンテリンドーム) ライデルで負けた。俺たちのライデルが打たれた。7回1失点の上田洸太朗に白星をプレゼントする事ができなかったどころか、負け試合になってしまうなんて……。 9回表ツーアウト。どう考えても本塁打しか狙っていない中田…

野球の華〜チームを救った土田龍空の好プレーと、レビーラの打球

○3-2巨人(15回戦:バンテリンドーム) 以前から何度も書いているが、私はホームランテラス賛成派である。理由は単純で、その方が楽しいから。エンターテイメントは客を退屈させた時点で「負け」だと考えているからだ。 「ホームランは野球の華」とはその通…

スーパースターになるために

ここ数週間は出張準備、出張、そして出張後対応と多忙でなかなか野球観戦に時間を割けずにいます。開幕から続けていた「先週のナイスプレー!」も盆休みの帰省のため一旦中断とさせていただきたいと思います。 先週は守備の乱れが多く発生しました。特に8/3…

抑止力60号〜チームと高橋を救った岡林のミラクル返球

○5-0DeNA(16回戦:バンテリンドーム) 夏の甲子園は愛工大名電が2回戦に駒を進めた。15安打14得点の猛打もさる事ながら、中日ファンとしてはやはり岩瀬仁紀の息子・法樹の登板には心躍るものがあった。意図的に演出したわけではあるまいが、父親さながら9回…

逆方向アーティスト〜一瞬声を挙げてしまった平田良介の右飛

●0-1DeNA(15回戦:バンテリンドーム) スポナビの「連載:2004年・新人監督落合博満」。第6回に登場した証言者は、当時スカウト部長を担当していた中田宗男。 落合は自らが課すハードな練習に耐え得る選手を求めたため、必然的に発達途上の高校生ではなく、…

忘れ物と決別する夏

104回目の夏がやってきた! 開会式の入場行進はいつの時も特別だ。今大会はプロ野球選手とつながりのある選手が数多くいる。ドラゴンズファンから熱い視線を集めるのは、岩瀬仁紀を父に持つ岩瀬法樹(愛工大名電)だ。 父とは異なる右投げだが、決め球は勿論…

オトナの分別〜大野雄大が泣いた夜

●2-4DeNA(14回戦:バンテリンドーム) オトナとは何ぞや、について考えてみた。タバコを吸う事、 酒席のマナーを心得ている事、休日はゴルフ接待に出かける事、ジャンプではなくビッグコミックや漫画ゴラクを愛読している事、カラオケの十八番が「酒と泪と…

足りないのは技術か、執念か〜岡林勇希の失敗

●7-9東京ヤクルト(15回戦:明治神宮野球場) まるで記録のバーゲンセールだ。村上宗隆の5打席連発に続き、今夜は大島洋平が6打数6安打の球団新記録を打ち立てた。NPB全体で見ても1試合6安打以上は史上8人目という、歴史的な固め打ちである。こんな夜は勝っ…