ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

職人魂〜四球もぎ取った大島洋平の働き

○6-5広島(17回戦:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島) 一進一退のシーソーゲームは、4時間を超える激闘の末にドラゴンズが制した。互いに死力を尽くした好ゲームに勝てたのは嬉しい。ただ、いま私は勝利の余韻に浸るよりも、少しの怒りを引きずりつつこの文…

セオリーは破るためにある〜「カウント3-0」からのファウル

○3-0広島(16回戦:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島) 両軍無得点で迎えた5回表。打球は静寂を切り裂くように高々と舞い上がると、そのままレフトスタンドの後方へと消えていった。打った瞬間それと分かる驚愕の弾道を放ったのは、まだ見慣れない背番号94ー…

SEASONS〜若手と4番の活躍で全てが噛み合った!

サブスクで懐メロ漁りをしていた折、なんとなしに浜崎あゆみの「SEASONS」を聴いたのだが、ビックリするほどドラゴンズの境遇を歌っていて泣けてきた。ほとんどの人が頭ん中「??」だと思うので、解説しよう。まず最初のサビ。 今日がとても楽しいと 明日も…

真夏の祭典・都市対抗野球を観戦~武田健吾は元気でした~

夏休みシーズンに入り、野球界はプロ・アマ問わず各所で熱戦が繰り広げられている。筆者もある日はプロ野球、またある日は高校野球へと現地観戦に勤しむ中、本日は都市対抗野球大会へと足を運んだ。 都市対抗野球は社会人のビッグトーナメントで、その名の通…

先週のナイスプレー!(7/13~7/20)

基本的に月曜日はゲームがない移動日、と言いたいが9連戦明けの移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画のお時間です。今回は7/13、14のヤクルト戦、15~17の阪神戦、7/18~20のDeNA戦の中からピックアップした。 投手部門:6回100球、「らし…

「投手・根尾」は「野手・根尾」を超えたのか

●4-6DeNA(13回戦:バンテリンドーム) 「さすが甲子園の優勝投手ですよ」 辛口で知られる解説者・権藤博氏も思わず唸ったのは、根尾昂の投球である。7回2死、打者ソトのところで福敬登からスイッチし、背番号7がこの日一番の拍手に迎えられて登場。5球でソ…

プロフェッショナル〜仕事の流儀を垣間見た、祖父江大輔の1球

○3-2DeNA(12回戦:バンテリンドーム) 小笠原慎之介はいつになく苦しんでいた。初回から明らかに制球がバラついており、ボール先行ないしスリーボールになる場面も少なくなかった。木下拓哉の盗塁刺に二度救われ、失点こそ2点で踏みとどまったが、5回投げて…

たった2勝の最強投手〜犠飛で満足げな主砲にドロップキック

●1-2DeNA(11回戦:バンテリンドーム) プロ野球を見始めて25年以上経つが、高橋宏斗ほど完成度の高い投手がドラゴンズに現れたのは初めての事だ。川上憲伸や今中慎二も素晴らしいエース投手だったが、高橋ほど “規格外” という感じでは無かったし、これでま…

ルーク×龍空~異例の大抜擢に使いながら育てる覚悟を見た

●1-3阪神(17回戦:阪神甲子園球場) 昨夜の試合で高橋周平が脇腹を痛めて離脱。またアリエルも手首の痛みが再発し、立浪ドラゴンズはレギュラー二人が同時抹消という非常事態に見舞われた。今年はとにかく離脱者が多い。三塁は石川昂弥に続く負傷離脱だし、…

永遠の野球少年〜平田良介カムバック

○3-1阪神(16回戦:阪神甲子園球場) 何事もせっかちは良くないと反省している。実は9回裏、ライデルが出てきた時点で勝利を確信し、早々とブログを書き始めていたのだ。主題は清水達也で、8回裏の攻防について書くつもりだった。ところが1死三塁となって、…

鬼門に挑んだ19歳〜上田洸太朗に勝たせてあげたかった

●1-2阪神(15回戦:阪神甲子園球場) 「鬼門」といえば、阪神のナゴヤドーム嫌いはよく知られている。1997年の開場からとにかく負けまくり、初めてシーズン通して勝ち越したのは開場9年目の2005年のことだった。このシーズンの同球場での阪神の戦績は6勝5敗…

1,082日間の成長〜今夜はバッテリーの勝利だ!

○4-1東京ヤクルト(13回戦:バンテリンドーム) 投手は繊細な生き物だと言われる。どんなに調子が良くても、些細な事をきっかけに突如として崩れる投手の姿をこれまで幾度となく見てきた。この日マウンドに立った笠原祥太郎にも、初回からその気配が漂ってい…

9度目の正直〜岡林勇希、今季満塁で初安打

○6-3東京ヤクルト(12回戦:バンテリンドーム) 弱冠二十歳の若者の胸のうちは、激しく燃えたぎっていたに違いない。7回裏、岡林勇希の打席である。 2点ビハインドで迎えたラッキーセブンの攻撃は、1死満塁から1番・大島洋平が平凡なファウルフライに倒れて…

先週のナイスプレー!(7/6~7/10)

基本的に月曜日はゲームがない移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。今回は7/6~7のDeNA戦、7/8~10の広島戦の中からピックアップした。 投手部門:ついに戦力としての登板、根尾昂が見せる切れ味鋭いスライダー(7/8 広島戦…

脱「アットホームな職場です」〜加藤翔平ここにあり

そういえば先の電撃トレードについて触れていなかったので、今日はまずそちらの話題から。 30歳の石岡諒太と29歳の後藤駿太。ただでさえ人材過多の外野手を獲得したことから、トレード自体の意義に引っかかりを感じたのは私だけではないだろう。選手に罪はな…

生気を失くしたエース〜遊ぶ余白を与えられなかった貧打の罪

●0-7広島(13回戦:バンテリンドーム) 張り詰めた糸が緩んだのは6回表のことだった。それまで好投していた大野雄大が突如として崩れたのだ。マクブルームの3ランに続き、小園海斗にも2ランを浴びて5失点。同じ140キロ台のボールでも、気持ちがこもっているか…

無死満塁〜高橋周平の一打がチームを救った

○9-2広島(12回戦:バンテリンドーム) 久々の快勝である。それも序盤に大量リードを奪い、悠々と見ていられる試合なんていつ以来だろうか。たまにはこんな試合があってもいいし、相手が苦手の大瀬良大地というのもなお良しだ。 開幕後最初のカードで3連勝す…

高橋宏斗、令和の衝撃〜怖さを知り、楽しむ余裕が出てきた

△0-0DeNA(10回戦:横浜スタジアム) それは初回、2番大田泰示への5球目。この日高橋宏斗が投じた12球目の事だった。糸を引くように真ん中低めにコントロールされたストレートが、木下拓哉のミットを心地よく響かせる。次の瞬間、横浜スタジアムの電光掲示板…

生え抜き捕手初の快挙〜悩める木下拓哉が大黒柱になる日

●1-3DeNA(9回戦:横浜スタジアム) 木下拓哉がオールスターゲームにファン投票で選出されたという。ドラゴンズの選手が球宴ファン投票で選出されるのは2018年の松坂大輔以来。野手では2011年の井端弘和まで遡る。ちなみに捕手部門では谷繁元信、中村武志もフ…

先週のナイスプレー!(6/28~7/3)

基本的に月曜日はゲームがない移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。今回は6/28~29の巨人戦、7/1~3の阪神戦からピックアップした。 投手部門:決死のリレー、イニング跨いだ清水に拍手!(7/1 阪神戦) 大野雄大と青柳晃洋…

「流線型打線」のすすめ〜極端な思想捨て、バランス追求を。

●0-3阪神(14回戦:バンテリンドーム) 今日はまず、70年以上前に「流線型打線」という概念を提唱した三原脩の考え方を紹介する。 《バッティング・オーダーは、各打者が各個に好打率をあげるように仕組まれるのをもって最上とはしない。むしろ、全体的な安…

'99年世代だけどミレニアム生まれ〜爪痕を残した伊藤康祐

●2-5阪神(13回戦:バンテリンドーム) 9イニングある野球とはいえ、囲碁・将棋を由来に持つ “先手必勝” の掟は例外なく通用するもので、先制点を取ったチームの勝率は7割弱にも上るのだそうだ(当然何点取ったかによって勝率は変動する)。 後ろにジャリエ…

無謀と強気は紙一重〜8人継投も、勝てば正義だ

○3-1阪神(12回戦:バンテリンドーム) 試合開始直前の17時25分過ぎに突然発表された、「大野雄大先発回避」の一報。相手は青柳晃洋。今季3度目となるエース対決は、突如として幻に消える形となった。急遽、ドラゴンズが代役に立てたのは藤嶋健人だった。 藤…