ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

k-yad

今だから考える~福留孝介、社会人野球での3年間~

「よっしゃー!!」 1995年のドラフト会議にて、近鉄・佐々木恭介監督の声が会場に轟いた。しかし7球団の抽選の末、この年の目玉である福留孝介(PL学園)の交渉権を獲得したにもかかわらず、その声にはどことなく虚しさが漂う。 話題の超高校級スラッガーは…

忘れ物と決別する夏

104回目の夏がやってきた! 開会式の入場行進はいつの時も特別だ。今大会はプロ野球選手とつながりのある選手が数多くいる。ドラゴンズファンから熱い視線を集めるのは、岩瀬仁紀を父に持つ岩瀬法樹(愛工大名電)だ。 父とは異なる右投げだが、決め球は勿論…

いざ、真夏の東京ドームへ。~社会人1年目の武田健吾が挑む檜舞台~

喜ばしい知らせが飛び込んできた。昨年までドラゴンズに在籍した武田健吾が、ENEOSの補強選手として都市対抗野球に出場することになったのだ。都市対抗野球は、「大人の甲子園」と称されるアマチュア球界の最高峰。この男が真夏のビッグトーナメントに挑むこ…

最後から二番目の……小笠原慎之介ならきっと。

「最後かもしれない」 球史に名を残す大エースを堪能できる回数を考えると、チャンスがある時に行くしかない。しかも、パ・リーグの所属となると益々観戦の機会は限られてくる。後悔したくない一心でバンテリンドームに足を運んだ。 あの日、あの時、あの場…

正にカオスなショート事情。決着はどうなる!?

「これでショートは10年大丈夫」 阪神が鳥谷敬をドラフトで獲得した際、岡田彰布監督(当時)はこう思ったそうだ。後に鳥谷は球史に残るショートに成長し、入団時の見立てが間違いではないことを証明した。 19年後の2022年。希代の名手を彷彿とさせる逸材が…

何事も当てにはできない〜立浪政権の分岐点がはやくも⁉︎〜

次はプロ通算50打数4安打の投手・勝野昌慶。打撃は全く当てにならない。しかしながら、気が付いた時には打球がレフトスタンドに突き刺さっていた。

ベールを脱いだ傑物~高橋宏斗episode0~

2022年最初の野球観戦。あえてこの日を選んだのは理由がある。純粋に佐々木朗希が観たい! ただそれだけ。ところが、チケットを購入する時点で予想ができたとはいえ、佐々木朗が登板することはない。残念ながら名古屋とは縁がなかったようだ。それでも、ドラ…

ストライクの先に~満遍なく「9.5点」をマークする岡野祐一郎はこのまま埋もれてしまうのか?

北京五輪に沸く日本列島。平野歩夢の美技に酔いしれ、高梨沙羅とともに悔し涙を流した1週間があっという間に過ぎようとしている。 2022年=冬季五輪イヤーということは、すなわちサッカーW杯が開催される年でもある。W杯が開幕する11月は、日本サッカーが世…

君は立浪和義を知っているか⑦渾身の力を込めて

老若男女、全世代に愛される稀代のスーパースター・立浪和義。では、いったい立浪の何に我々はこんなにも魅力されるのか。いったいなぜ10年以上も監督就任を待ち続けることができたのか。 その軌跡を、あらためて紐解いてみたいと思う。 前回に続いて今回は…

平成のパ・リーグ、これにて完結

「今夜はお伝えするニュースが山程あるのですが……」 ニュースステーションのオープニングで、久米宏が野球中継の延長を伝えてから丸33年。当時放送されたロッテ対近鉄のダブルヘッダーは、プロ野球史に残る悲劇的な結末を迎えた。 俗に言う10.19はその年のペ…

FIELD OF VIEW

○5-3ヤクルト(25回戦) 「根尾昂、一軍昇格」 正に青天の霹靂だった。しかも与田監督はショートでの起用を示唆している。いくらBクラスが決定しているとはいえ、京田陽太をレギュラーから外す必要はあるのか。しかもフェニックスリーグからわざわざ連れ戻し…

呪縛を解き放て

●1-2DeNA(23回戦) 多くの日本人にとって、本日10月10日といえば1964年の東京五輪の開会式。戦後最大の国家イベントを、わざわざこの日に設定したのは “晴れの特異日” だったためという説もあるほどだ。事実、あれから丁度57年後の関東地方は見事なまでの秋…

運命のドラフト会議直前! ドラゴンズ指名予測座談会

いよいよ間近に迫ったドラフト会議。今年はどんなドラマが待っているのか。11日の夕方が待ち遠しくて仕方ないという方もたくさんおられることだろう。 今年のドラフトの特徴は、一言でいうならば「予測困難」。一昨年の奥川恭伸、佐々木朗希や、昨年の早川隆…

慎重かつ大胆に、大事な大事な……

●3-7広島(24回戦) 「なんと! 今回! ついに! 松葉貴大が! 月間MVPに!」 羽鳥慎一アナウンサーの名台詞で歓喜の瞬間を待ち望んでいたが、淡い期待は無情にも裏切られた。9月は5試合に登板して4勝、防御率は0.95。成績が伸び悩んだ8月までとは一転、快進…

永遠のテーマ

●0-1阪神(23回戦) 昨日をもってリーグ優勝の可能性が完全に消滅したドラゴンズ。一部報道では早くも来期以降の話題が取りざたされていた。久々のAクラス入りを果たした昨シーズンからの飛躍を期した2021年は、優勝争いに殆ど絡むことができないまま事実上…

全て大事

○5-0巨人(24回戦) 「藤井淳志、引退」 今朝目を覚ますと、秋を強く実感するニュースが流れていた。同一球団で16年。大学、社会人を経て40歳まで奮闘を続けたプロ野球生活に敬意を表したい。 実にプレーが映える選手だった。ルーキーイヤーとなった2006年の…

二重人格

△0-0ヤクルト(20回戦) この時期の神宮球場は乙なものだ。夏の日差しが和らぎ、週末は秋晴れの下、東京六大学野球秋季リーグ戦が開催されている。本日のようなプロ併用日は、大学野球の第二試合終了とともに球場の外が再び騒がしくなる。 段々と早まる夕暮…

勿体ない!

●0-6DeNA(20回戦) まるで昨日の悪夢を見ているかのような試合内容。2試合連続で桑原将志に先頭打者ホームランを浴び、その後も失点を重ねて序盤で大勢が決まってしまった。 先発・小笠原慎之介はストレートも変化球もからっきし。立ち上がりから苦しむ左腕…

じれったい年頃

●0-1阪神(17回戦) 台風接近に伴い、中止となった昨日の阪神戦。試合がなかった翌日の中日スポーツにはドラフト会議の話題が上った。本塁打数がリーグ最下位に沈む球団の関心は、大学球界を代表する強打者にあるようだ。 だがシーズンが終わったわけではな…

閃光少年

「宏斗、目指せ10.14 1軍デビュー!」 8月31日付の中日スポーツでは、1面でドラフト1位ルーキー・高橋宏斗の特集が組まれた。チームが振るわないシーズンの終盤になると、若手の抜擢を期待するのはいつの時代も同じだ。 歴史を遡ると2001年、5位に終わったシ…

奥の細道

●3-5広島(22回戦) 長かった9連戦が終わった。敵地広島での初戦を大逆転負けで落とした時は、先が思いやられたが、気が付いたら5連勝。昨年同様、“反撃の秋” になりつつある。 本日も序盤から主導権を握る横綱相撲で6連勝を飾り、大型連戦を締めくくるはず…

鯉ノチカラ

●5-12広島(20回戦) 実に便利な時代になった。動画配信サービスが充実したことによって、見逃した番組も往年の名作ドラマも容易く視聴できる。最近は『恋ノチカラ』をお供に帰りの電車に揺られる日々を過ごしている。初めて味わう作品ではないが、主演の深…

仁王立ちをもう一度

●1-5巨人(20回戦) 今年も夏が終わろうとしている。智辯対決となった夏の甲子園の決勝は、智辯和歌山が深紅の大優勝旗を手にした。感染症や長雨で苦労の絶えない大会となったが、地方大会を含む全ての選手・関係者には「お疲れ様でした」と伝えたい。 冷房…

高くて良いもの、良くないもの

○6-2阪神(13回戦) まさに完全復活。かつて「タジ魔人」と称された男に相応しい活躍だった。5回から2番手で登板した田島慎二が阪神の上位打線を3人で料理し、今季初勝利。2017年8月10日以来1472日ぶりの白星は、不調とトミージョン手術を乗り越えてのもの。…

ひとりでできるもん!

○3-0広島(16回戦) 「おかあさんといっしょ」に「天才テレビくん」、「つくってあそぼ」。幼少期にNHKの教育番組の視聴者だった方は多い。親世代となり、お子さんたちとEテレを楽しみにしている方もいることだろう。数々の子供向け番組の中で異彩を放ってい…

三本の矢+

●2-4巨人(17回戦) 東京ドームの脇には鎮魂の碑が設けられている。先の大戦で戦死された野球人を慰霊するために建てられたものだ。戦争がなければ球界はいかなる発展を遂げたのだろうかと思いを馳せるとともに、改めて哀悼の意を表したい。 「静観」という…

あれは白昼夢なのか?~一人の中学生にドラゴンズの未来を勝手に託した日~

こんにちは。k-yadです。暑い日が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。ikkiさんに引き続き、表には出なかった『文春野球』のフレッシュオールスター応募作を公開します。 舞台は6年前の真夏のナゴヤ球場。是非ご一読ください。 ------ 2015…

X分の3

●0-2広島(14回戦) いよいよ東京五輪が間近に迫ってきた。大会の開催に伴い、プロ野球界は本日の試合をもってペナントレースが休戦状態に突入する。 本日の試合を迎えるまで、ドラゴンズは32勝41敗12分けの4位。3位のヤクルトとは早くも9ゲーム差を付けられ…

ねがいごと

●1-3巨人(13回戦) 丁度日付が変わった時間帯に、ショッキングなニュースが飛び込んできた。 「松坂大輔、引退」 伝説となった高校時代、数多のスラッガーと名勝負を繰り広げたプロ生活の前半の活躍は、紛れもなくエースの称号が誰よりもふさわしい投手だっ…

さあ行こう

△3-3ヤクルト(14回戦) 昨日の現地観戦後は、球場から駅への道のりが途轍もなく遠くに感じた。改札口までの “ドラゴンズロード” は、終わりが見えない連敗中のトンネルさながらの長さ。電車の中で音楽を聴こうとスマホを取り出し、選んだ曲はMr.Childrenの…