ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

シエラで「ケチャドバ」

○9-0阪神(17回戦) 点が取れないときはどうしたって取れないが、取れるときは面白いように取れるもの……。 かつてサッカー日本代表・本田圭佑が口にした「ケチャップ ドバドバ」の法則は、野球にもあてはまる。 阪神の先発は中日打線が長らく苦手としてい…

勝野、弱気の虫にやられる

●3-7阪神(16回戦) 「6連戦の最初に先発としての仕事ができなかったことが残念です。大事なところでのコントロールミスを反省します」 降板後の勝野昌慶のコメントである。原口文仁のタイムリーも、糸井嘉男の2ランも、高めに浮いたストレート。たしか…

やられる前にやる

●1-5巨人(21回戦) まさに“初回がすべて”ーーある意味、投打ともに割り切れる内容だったと思う。 ここ何試合か不安定な投球が続く戸郷翔征をいきなり攻め立ててチャンス到来。ここで点が入っていればその後の展開も大きく変わったのだろうが、チャンスがい…

覚醒は突然に

○3-2巨人(20回戦) 今となっては信じがたいが、3月のオープン戦までは正捕手争いのなかで木下拓哉はライバル達の後塵を拝していた。 6月19日の開幕戦でもマスクを被ったのは加藤匠馬。しかしこの試合、途中出場でマルチ安打を放ち、延長10回までリリー…

憂鬱、恍惚、憤怒

●4-8巨人(19回戦) 「好事魔多し」ーー昔の人はつくづく上手いこと言うものだ。5連勝で借金も2に減らし、3位を射程圏に捉えた。さあ残り37試合、悲願のAクラス入りへと駆け上がろうぜ。今シーズン最高潮のムードでいざ首位・巨人討ちへ! ……だが現実はそ…

キャプテンの背中

○11-5ヤクルト(18回戦) 2回裏、9番のところで打席に立ったのは岡野祐一郎ではなく溝脇隼人だった。 山田哲人の2ランなど初回に4安打を浴びた岡野だが、2回は簡単に三者凡退に抑えていた。なんとか5回まで持ちこたえれば勝機が見えてくるのではない…

意識の次元が違う

○3-0ヤクルト(17回戦) 「今日の○○には3点あれば十分でした」みたいな表現をスポーツニュースでよく耳にするが、大野雄大に関してはアルモンテのソロが出た時点で勝ったも同然。まさに「1点あれば十分」という投球で今シーズン三度目の完封勝利を飾った…

平田、2割打者になる

○9-3ヤクルト(16回戦) 「見上げるのではなく、見下ろす感覚を思い出しました」(『中日スポーツ』9月21日付3面) 昨日の8回、平田良介はベンチにいる時に不振脱出の手応えを感じたそうだ。8月23日以来となる複数打点をあげ、お立ち台では「打撃の調子も4打…

死地からの帰還

○4-2阪神(15回戦) 「バッターは松葉に代わりまして、石垣」 不意打ちのようなコールにハッとしたのは5回裏のことだ。先発・松葉貴大は衝突事故のような2ランこそ浴びたものの2安打2失点と申し分ない投球を続けていた。その松葉をまさかここで代えるとは。…

悲願ならずも抜群の福谷

○4-1阪神(14回戦) 福谷浩司のエース化が止まらない。 前回は首位巨人相手に8回2失点の好投。試合は引き分けで白星こそ付かなかったが、このカードの3タテを阻止した功績は計り知れない。あの時もチームは3連敗中と雰囲気は悪かったが、奇しくも今回も3連敗…

「嫌われた監督」と石垣問題

●4-8阪神(13回戦) 『週刊文春』で連載中の「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」というノンフィクションがとにかく面白い。筆者はフリーライターの鈴木忠平氏。落合政権当時、日刊スポーツの記者として目撃した落合ドラゴンズの裏側で起きてい…

年功序列

●2-9広島(17回戦) 岡崎市民球場に集ったワイシャツ姿の男達の視線は、マウンドに仁王立ちする153キロ右腕に注がれた。トヨタ自動車・栗林良吏ーー。 約1ヶ月後に迫ったドラフト会議で“主役”になる可能性が高いアマチュアナンバーワン投手である。都市対抗…

マスター阿部は正念場

●3-6広島(16回戦) 「先発ピッチャーというのはいつも緊張して、何かしら不安があるものなんです。特に立ち上がりの初回で、おちついて投げたことはないですね」 『ほぼ日刊イトイ新聞』のインタビューで山本昌は先発投手の心情についてこう答えている。現…

2020年、吉見はまだ元気です

○3-2DeNA(15回戦) 吉見一起が最後に二桁勝利をあげた2012年とはどんな年だったのか、あらためて振り返ってみる。 新年早々、オウム真理教の平田信が出頭。これを足がかりに長年逃走していた指名手配犯が次々と逮捕された。大河ドラマは歴史的低視聴率にあ…

取っておきの持ち腐れ

●3-7DeNA(14回戦) たまにふらっと現れては、壮絶なトラウマを植え付けていく。タイラー・オースティンは、そんなタチの悪い白昼夢のような存在だ。 DeNAとの対戦はこれが5節目だが、オースティンと顔を合わせるのはまだ4試合目。開幕直後に横浜スタジアム…

祖父江がつなぐバトン

○3-2DeNA(13回戦) 久しぶりに冷や汗をかいた。 9回裏、2点差でライデル・マルティネスが登場した時点で勝ったようなもの。あとは悠々と勝利の瞬間を待ち、ささやかに祝杯をあげるだけだ。そう思って余裕丸出しでキンキンに冷えた「氷結」のプルタブをプシ…

目標の有無

△2-2巨人(18回戦) 3連戦で一つも勝てなかったことを嘆く声がファンの間では目立つが、むしろ「よく負けなかった」「よく引き分けで凌いだ」と思う。とは言え、ポジティブな意味合いではなく、ネガティブな皮肉を込めてだが。 例によって先発・福谷浩司はナ…

高梨違い

●4-5巨人(17回戦) ナゴヤドームでの3打席連続ホームラン。あの山﨑武司ですら成し遂げることができなかった快挙を、坂本勇人がやってのけた。 スゴイのはスゴイが、讃える気持ちなど毛頭ない。そもそも私は相手のファインプレーに拍手を送るという文化も大…

悔しさとやるせなさと、たしかな希望と。

●0-2巨人(16回戦) 大野雄大と菅野智之。現代セ・リーグ最高峰のエース対決として試合前から注目を集めたこの一戦。その期待を裏切らぬ鬼気迫るような投げ合いは、もはや贔屓(ひいき)の応援を超越して「プロ野球」という娯楽そのものの醍醐味が凝縮されて…

青木宣親に負けた

●3-10ヤクルト(15回戦) 雨上がりのヤリエルは別人に変身していた。 5回まで2安打無失点、特に5回裏は無死2塁のピンチを3連続三振で切り抜けるなど、先週の炎上ショックを払拭する投球を披露。山田哲人、村上宗隆、青木宣親と並ぶクリーンアップも難なく抑…

不思議の勝ち

○3-1ヤクルト(14回戦) 故・野村克也さんの名言を拝借するなら、今日の勝利はまさしく“不思議の勝ち”だ。いま試合が終わって1時間ほど経ってからこのエントリーを書き始めたが、こうして勝利を伝える内容が書けることが不思議でならない。 4時間25分にも及…

“流れ”をめぐる攻防

○4-2ヤクルト(13回戦) 野球を見ていると頻繁に“流れ”という言葉が飛び交う。「このプレーは流れを変えますよ」「流れを掴む投球ですね」ってな具合に。ただ、正確にいえば“流れ”という事象は科学的にも統計的にも証明されていないそうだ。つまり一種のオカ…

悔し涙

○6-0広島(15回戦) このところキャッチャーを除いてほぼ固定メンバーで戦ってきたが、今日は久々に中軸を動かしてきた。アルモンテに代わって3番に入ったのは、福田永将だ。下肢のコンディショニング不良で抹消されたのが8月23日のこと。その間チームは3勝6…

サラリーマンの星

●5-9広島(14回戦) 勝てると思った。イケイケの6回裏、遠藤一星のセンター前を皮切りに打線がつながり、今シーズン初となる一挙5得点の猛攻で1点差にまで詰め寄った。井領雅貴の代打2点タイムリーが飛び出したときは、これで負けたらウソだというほどテンシ…

スーパーエース、快挙成る

○5-0広島(13回戦) 「おとうさんはなれたんだ……超サイヤ人に!」と涙ながらにつぶやいた孫悟飯じゃないが、「大野さんはなれたんだ……スーパーエースに!」と感嘆するほどの投球で、大野雄大が大記録を達成した。 球団創設84年の歴史上、わずか3人しか成し遂…