ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

エース復権

○5-3ヤクルト(7回戦) 一度は掴んだかに思えた大野雄大の白星が、無惨に消滅したのはちょうど1週間前のことだ。 5回1失点のエースをあっさり降板させた采配には各方面から疑問視する声が飛び交い、勝てる試合を落としたことで首脳陣には容赦のない罵声が浴…

1番福田は破天荒

△4-4広島(9回戦) 固定観念にとらわれるほど不毛なことは無い。だが世の中は、驚くほどたくさんの“常識”という名の固定観念で溢れかえっている。ありとあらゆる物事に一定の“常識”を基にしたルールが設定されていて、そこから少しでも外れたら異端児、無法…

苦手意識が克服できない

●0-2広島(8回戦) 苦手意識を克服するのは何だって難しいものだ。「克服せねば」と意気込めば意気込むほど空回りし、結局前よりも更にドツボにはまることがよくある。 たとえばピーマンが苦手な子供に無理やり食べさせようとしても逆効果にしかならないよう…

脳筋から頭脳派へ

○3-2広島(7回戦) 高校1年生で数学と物理化学を捨てた人間にしてみれば、“理系”というだけで尊敬に値するわけだ。よくもまあ、あんな魔法の呪文みたいなモノが理解できるもんだと。 事もあろうに慶應大学理工学部出身で野球部のエース、ドラフト1位でプロ入…

『中日新聞+』にて新連載開始のお知らせ

いつも「ちうにちを考える」をご覧頂きありがとうございます。ブログを書き始めて1年9ヵ月。当初はこんなに長く続くとは思っていませんでした。これもひとえに読者の皆様のおかげと感謝しております。 今日は突然ですがお知らせがあります。 タイトルでネタ…

「ギブアップしない野球」

●3-9阪神(9回戦) 現在、ナゴヤドームの監督室には歴代26人のドラゴンズを率いた監督の写真が飾られている。「このチームの歴史を知っておきたい」と、与田監督が就任時に球団に頼んで実現したものだという。 その中で古い方から数えて16番目に水原茂という…

「つまらない」采配の勝利

○1-0阪神(8回戦) 7回裏、先頭の福田永将がヒットを打って無死一塁。打席にはここまで西勇輝から2安打を放っている石川昂弥が入った。右中間を破る先制タイムリーか、あわよくばプロ第1号がここで出るか。 劇的ドラマが見たいという気持ちとは裏腹に、打席…

優しさが邪魔をする

●2-5阪神(7回戦) あんなこといいな、できたらいいな。あんな夢、こんな夢、いっぱいあるけど。みんなみんな、みんな、叶いやしない。不思議なポッケもドラえもんもいないのだから。 そう、残念ながら大抵のことは思い描いた通りには進んでくれない。所詮、…

「旬」を食さずして寿司は語れない

●1-6巨人(6回戦) 寿司を食べに行くと必ず「旬」の魚を一品は頼むようにしている。中トロやハマチ、エビあたりは不動のレギュラーで季節に関係なく頼むのだが、一年中でその時期にしか味わえない「旬」を定番の間に挟むことで、グッと満足度は深まる。 たと…

「オレだけは松葉を信じてた」

○5-0巨人(5回戦) ……とか言い出しそうなホラ吹きが雨後のタケノコのごとく湧き出てきそうな松葉貴大の2試合続けての好投。先発投手の台所事情がかつてないほど深刻な危機を迎えるなか、松葉が救世主になろうとは一体誰が想像しただろうか。 昨日、死球を受…

弱さの向こう側

●0-4巨人(4回戦) 菅野智之との前回対戦は7月3日。大野雄大との投げ合いの末、あわやノーヒットノーランかという1安打完封を喫したのは記憶に新しい。 あれから約3週間が経ち、ドラゴンズは相次ぐ主力の離脱もあって借金は膨らむばかり。一方の巨人は坂本勇…

心が整わない

●3-11阪神(6回戦) その昔、サッカー日本代表で長らくキャプテンを務めた長谷部誠による『心を整える。』という本が100万部を超えるベストセラーになった。 アスリート本というと普通は技術指南書だったり自伝的な内容のものが大半であるが、この本は長谷部…

迷走あるある

●3-8阪神(5回戦) 「あ、このバンド迷走してるな」ってときの特徴はだいたい決まっている。 セールスが落ち始めた途端にメンバーの1人が脱退したり、なんか新曲に変な振付がついたり、重厚なバンドサウンドにこだわっていたはずが急に四つ打つのダンスミュ…

こんなの福田じゃない

●1-4阪神(4回戦) ひいきの試合を見ていて一番ストレスがたまる展開って何かと言えば、残塁が多い試合だと思う。 打てども打てども得点につながらない。こういう展開は不健康だ。何せイラつきの対象が相手投手だけでなく、チャンスを生かせない味方の打者に…

もがき、工夫し、成長する

○8-0DeNA(6回戦) 「一番印象的だったのは、ペナントレースが始まったばかりの頃に『おまえは絶対に代えないからな』と言われたこと。驚きましたよ」 今から16年前の2004年、荒木雅博はチームを就任初年度にして優勝に導いた落合博満監督の印象を問われ、こ…

期待値ゼロからの逆襲

○2-1DeNA(5回戦) 「予告先発・松葉貴大」 ただでさえ悪い流れの中で、4連敗を覚悟した人も多いのではないだろうか。かく言う私もその一人だ。相手は前回打てそうで打てなかった濱口遥人で、こっちは松葉。松葉には悪いが、ポジティブになれと言う方が無茶…

石川駿の日

●2-5DeNA(4回戦) 3年振りスタメンの石川駿は初回、1死一、三塁のピンチで佐野恵太のライナー性の打球を倒れ込むようにして好捕すると、流れるようにセカンドへ送球し、ダプルプレーを完成させた。 さらに先頭打者で迎えた2回には初球を叩いてヒットで出塁…

スーパールーキー、衝撃デビュー

●2-7広島(6回戦) スーパールーキー石川昂弥のデビュー。 本来ならもっと仰々しく祝うべき大事件なのにどこか釈然としないのは、あまりにも早すぎる判断に戸惑いの方が大きいからに他ならない。高橋周平の故障を受けて真っ先に思い浮かべた代役は、石垣雅海…

ハプニング上等

●4-19広島(5回戦) 3番キャッチャーにアリエル、8番に阿部寿樹という現状考え得る中で最も攻撃的なオーダーを組んだ今日のドラゴンズ。約1年ぶりの登板となる勝野昌慶が先発とあって、前回の対戦で打ち込んだ床田寛樹を早めにノックアウトして試合の主導権…

多幸感そのもの

〇3×-2広島(4回戦) 「多幸感」という言葉が頻繁に使われ始めたのは2010年代の初頭だろうか。主に音楽系のレビューでよく登場するこの言葉、要するに“みんなハッピー”な状態を表すのだが、元々は薬物などのトリップがもたらす過度の幸福感を指す言葉だそう…

1手先を読むということ

●6-8ヤクルト(6回戦) 「将棋界のレジェンド羽生善治はいったい何手先まで読んで将棋を指しているのか?」 数年前、あるバラエティ番組で羽生本人がこの質問に答える場面を見た。十手先、百手先まで読んでいるかのような羽生の天眼には常々驚かされるが、実…

求む、ヒーロー

△5-5ヤクルト(5回戦) 出る時は出る、出ない時は出ない。にしても、いくらなんでも出なさすぎではあるまいか。 9回裏2死一、三塁。木下拓哉を敬遠して大島洋平勝負という博打に出たヤクルトベンチ。不振とはいえ集中力抜群の大島である。きっと一、二塁間を…

球団史に残る最低な試合

●1-2ヤクルト(4回戦) 基本的に“采配ミス”と言われるものの多くは結果論だと思っている。あそこで投手を代えていればーー、バントではなく打たせておけばーー。だが所詮「if」は「if」でしかなく、あり得ない未来を夢想したところで意味はない。だから采配…

黒船アリエル躍動

○6-4巨人(3回戦) アリエル・マルティネスがプロ野球の歴史を塗り替えた。外国人選手が捕手としてスタメン出場するのは1991年のマイク・ディアズ(ロッテ)以来29年ぶり。主に一塁を守り、金田正一監督の秘策としてマスクを被ったディアズとは異なり、捕手…

黒船アリエル来航

●3-7巨人(2回戦) 試合の大勢がほぼ決まった6回のことだった。昨日に続いて代打で登場したアリエル・マルティネス (以下アリエル)が一度もバットを振らずに四球を選び、一塁ベースに到達してもベンチは代走を送る気配がない。この瞬間、NPBでは2000年のデ…

越えられない壁

●0-5巨人(1回戦) 吉見一起、梅津晃大、柳裕也、山本拓実、岡野祐一郎。開幕から丸2週間が経ち、先発ローテ6人のうち5人が今季初勝利をあげた。経験の浅い若手が半数を占める中でこの結果はなかなか順調だといえよう。 未勝利は開幕投手を務めた大野雄大た…

「勝てる投手」はダテじゃない

○4-2阪神(3回戦) 「本当にこれがルーキーなのか……?」 初回の岡野祐一郎の投球を見て、私は思わず経歴詐称を疑ってしまった。選手名鑑に目を落としても、やはり最終所属はカイロ大学…….ではなく東芝で間違いない。かつてのエース小川健太郎がそうであった…

福田やん

○6-2阪神(2回戦) 人は環境に馴染んでいく生き物だ。元々は大阪弁を喋っていたはずの桑田真澄が巨人に入団した途端に標準語を使い始め、「裏切り者」だと大阪人から罵られたという話があるが、あれだって大阪を裏切ったわけではなく、単に東京に馴染んだ結…