ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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立浪竜の初陣を現地観戦! 岡林勇希を見守るスタンスが決まった夜

●2-4巨人(開幕戦:東京ドーム)

 毎年、開幕日というのは気持ちが昂ぶるものだ。まっさらな状態でペナントレースが始まるワクワク感、そして「始まったら元には戻れない」不安感。相反する感情を内包して、選手たちの躍動を見つめていく。

 今シーズンの場合は、より昂ぶる“舞台装置”があった。開催地が幾度の死闘を繰り広げてきた東京ドーム、そして満を持しての立浪和義監督の初陣だからだ。筆者は、はやる気持ちを抑えきれず、仕事を休んで昼から後楽園入り。三塁側内野席で現地観戦をしてきた。

……深夜になった今も、キーボードをたたく際に、まだ熱がこもっている気がする。

3番と5番で負けた

 試合は逆転負けを喫し、残念ながら新監督の初陣を飾ることはできなかった。いろいろあったけれど、結局はエースがリードを守りきれなかったこと、3番・福留孝介と5番・木下拓哉がさっぱりだったことに収束すると思う。

 野手の2人はオープン戦まで非常に良い状態で来ていただけに期待も大きかったのだが、公式戦となるとまた違うというのを改めて痛感した次第だ。とりわけ木下拓は打てなかっただけでなく、守備でも悪送球をして逆転劇につなげてしまっただけに、敗戦の責任を背負っているかもしれない。

 とはいえ、まだ142試合残っている。木下拓抜きのドラゴンズは考えられないし、彼らしく明るく前向きにプレーしてくれることを願う。

初得点は岡林のバットから

 立浪ドラゴンズの初得点は背番号60・岡林勇希のバットから生まれた。1点を追う3回、2死一、二塁からライト前へのタイムリー。菅野智之のインハイに浮いたカットボールを逃さず捉え、一塁左を抜いた。

 岡林は以降の打席でもヒットを重ね、いきなりの猛打賞スタート。3本ともすべて走者のいる状況でチャンスメーク、もしくはタイムリーをマーク。とりわけ巨人の新守護神・大勢から放ったレフト前ヒットは圧巻で、大島洋平の姿がダブって見えた。大げさでなくそう感じた。

 悔やまれるのは7回の第4打席、1死三塁での凡退だ。2ストライクに追い込まれてから、相手は前進守備の隊形に変更。その前進してきた遊撃手に正面のゴロを打ってしまい、走者を返せなかった。「内野ゴロで1点OK」から「内野ゴロではダメ」となった状況で失敗したことは、今後に活かしてもらいたい。

 また、守備でも5回のポランコの勝ち越し打で打球処理にまごつき二塁走者の生還を許すだけでなく、悪送球で打者走者の二進を許してしまった。続く岡本和真にもタイムリーを打たれたように、ミスが重なると失点につながることを大舞台で経験した。

持っているものを存分に表現しよう

 そもそも、岡林は開幕戦に出られるか微妙な状況だった。20日のオープン戦で走塁時に右手を負傷。以後は別メニュー調整と治療を受けて、ギリギリ間に合わせてきた。

 開幕前日には、巡ってきた初陣スタメンの好機に「痛いのかゆいの言っていられない。『試合に絶対勝つんだ』という気持ちでやっていく」と強気のコメント。今夜の同点打では一塁上で右手を挙げてガッツポーズ。その気迫が伝わったのか、思わずこちらも直線上にいる背番号60に拳を突き出していた。それぐらい嬉しい一打だった。

 キラリと光る才能と、発展途上を思わせるミス。岡林については、それらをグラウンドで存分に表現してくれれば、問題ない。今季に関してはこのスタンスで観ていこうかと思う。これは石川昂弥に対してもそうで、数字は問わない。首脳陣は肚を括って起用するようだし、指揮官の言う“覇気”を見せてくれたら、それでいいのだ。

Ikki KAGA (@ikki_0306) | Twitter

<コメント引用>
中日スポーツ『間に合った!岡林勇希2番スタメン有力「痛いのかゆいの言っていられない」【中日】』(3月24日)
https://www.chunichi.co.jp/article/440529