ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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停滞は衰退

●0-4DeNA(1回戦:バンテリンドーム)

 いよいよ本拠地、バンテリンドームでの試合が始まった。今年の始球式はめるること生見愛瑠さん。そのボールは同じ稲沢市出身の大先輩、金田正一ばりの剛速球……ではなく山なりだったが、ホーム開幕戦での大イベントに緊張したに違いない。
 ところで試合は相手先発のロメロに翻弄。右打者のインコースに食い込むツーシーム、アウトコースに逃げるカットボールを効果的に投げられ、手も足も出なかった。

 一新された首脳陣と抜擢された若手選手を除けば、新しくなったのは人工芝とドアラのパフォーマンスくらいか。それだけ昨年と何ら変わりない光景を3時間目の当たりにしていたようにも思える。勝つにしても負けるにしても、昨年と同じような光景をあと100試合前後は見るのではないかと思ってしまった。

ニュー慎之介……ではなかった

 勝負どころで得点が入らない打線は言わずもがな、今日の先発、小笠原慎之介は1番の桑原将志に2本の長打を浴び、3失点。
 この2人の通算成績は34打数9安打、打率.265とそこまで相性が偏っているようには見えないが、9安打の内訳は 単打:2、2塁打:3、3塁打1、本塁打3と被長打率は.735、被出塁率の.342と合わせた被OPSは1.077にまで跳ね上がる。(試合前)

 7回116球、9奪三振、3失点と数字だけ並べればまずまずだが、相変わらずフルカウントになるピッチングを改善しないことにはチームの勝利数を上積みすることは難しいだろう。

 「停滞は衰退」という言葉がある。詠み人知らずだが、古くから言われている言葉だ。昨年の投球内容をなぞるような小笠原のピッチング。昨年の小笠原はそれまで以前と大きな進歩を見せたが、今年はそれを超えていかなければいけない。
 非常にハードルが高い内容を求められることは間違いないが、大野雄大や柳裕也のように、チームを勝利に導くピッチングができるようになれる日を心から楽しみにしている。

結果以上に内容を評価したい森のピッチング

 後を継いだ山本拓実は制球を崩したものの8回の1イニングを無失点に抑えた。9回のマウンドに登った森博人は良いボールが多かったものの1点を失った。これもまた結果の数字だけを見れば評価は無失点の山本が上々になるのだが、投げているボールそのものは森が素晴らしかった。

 最速148km/hのストレートとカットボールを軸にするピッチングだが、ストレートは球速表示以上に伸びを感じ、しっかり投げきれたときのカットボールは特に左打者に絶妙な効果を発揮する。楠本泰史を三振に仕留めたカットボール、佐野恵太に投じた3球目のカットボールは素晴らしかった。
 しかし、佐野に打たれたのは同じインローに投じたカットボール。決して甘いところに投げた訳ではなかったが、そこは2020年首位打者。しっかりとミートして弾き返した打球はライトの奥深くに抜ける2塁打となった。

 ホームランを打っている牧秀悟を申告敬遠し、2017年首位打者の宮﨑敏郎と勝負に出たところで致命的な犠牲フライを献上。オースティン、ソトがいないことを思うと本当にゾッとする。

 停滞は衰退という言葉は森にも当てはまる。何度も「良いピッチングだっただけに失点は仕方ない」というわけにはいかない。次回はビシッと文句を言わせない内容を期待したい。

yuya (@yuya51) | Twitter