ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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開幕3連戦終了!……で、根尾昂はどうなの?

 敵地・東京ドームでの巨人3連戦を1勝2敗で終えた立浪ドラゴンズ。明日29日からはDeNAを迎え、本拠地開幕シリーズを戦う。

 しかし、巨人とのGame 3はよく勝ったと思う。昨季までなら柳裕也が初回に4点を失った時点でジ・エンド。8回から6点を奪って逆転勝ちを収めるなんて、久しく観てない気がする。ここで負けて3タテを喰らっていたら「やっぱり立浪監督でもアカンがね」と言われて微妙なムードになりかねないだけに、大きな1勝だった。

開幕シリーズで出なかったのは桂と根尾のみ

 巨人戦を観ていて思ったのは、立浪監督はビハインド時に攻めのタクトを振るうこと。特に野手陣の起用に関して、その傾向が出ていた。オープン戦まで一度も試していない「阿部寿樹の三塁起用」は最たる例だ。日曜の試合で決勝打を放った溝脇隼人も9回裏の守備から遊撃に入り、巡ってきた打席で結果を残している。

 こうした中、桂依央利と根尾昂は3試合いずれも出場機会に恵まれなかった。実質「捕手2人制」のため桂が出られないのは仕方ないが、根尾は純粋に“使われなかった”とも捉えられる。“使い道がなかった”とも言えるかもしれない。

起用法を振り分けると……

 現状の一軍野手メンバーをここまでの起用法を基に振り分けると、以下のようになる(※同枠内は順不同)。

絶対的レギュラー:ビシエド(一塁)、大島洋平(中堅)、木下拓哉(捕手)
レギュラー:京田陽太(遊撃)、阿部寿樹(二塁)
育成的レギュラー:石川昂弥(三塁)、岡林勇希(右翼)
左翼ツープラトン:福留孝介、鵜飼航丞
代打要員:山下斐紹、平田良介、石垣雅海
守備・代走要員:高松渡、加藤翔平、溝脇隼人、根尾昂
第二捕手;桂依央利

 人によって多少の揺れがあるかもしれないが、おおよそこんな感じだろう。石川昂と岡林の枠は、要は「育てるために我慢して使う」枠と捉えてもらいたい。

 整理してみても、やはり根尾がファーストチョイスに挙がる役割は皆無だ。代打では福留や山下、守備固めは加藤翔、代走は高松に分がある。試合前のシートノックで自慢の強肩を発動、投手姿を披露するのが唯一の見せ場となるのはちょっと寂しい。外野専任になったことで、やや手薄な遊撃での起用も望みづらい状況だ。

根尾が試合で躍動するには?

 では、根尾が試合で躍動するにはどうすればいいのか。月並みになるが、少ないチャンスをつかむこと、そして打つことに尽きる。

 レギュラー奪取の直接的なライバルは岡林だ。立場としてはちょうど去年の根尾のような位置にあたるだろうか。根尾より1歳下の天才打者は開幕シリーズで2度の猛打賞をマーク、右手指のケガを押しながらも活躍を続ける。この感じだと、岡林が離脱でもしない限り、右翼でのスタメン出場は考えにくい。

 あとは大島洋平の休養時に出番が回ってくるかどうか。オープン戦では岡林と根尾で右中間を組むことも見られ、可能性はゼロではない。同じような発想で、大量リードorビハインドでの起用もあり得る。いずれにせよ、限られた機会で爪痕を残していくのが常時出場への近道だ。

 また、もしかすると、ファーム行きも考えられるかもしれない。28日現在の一軍登録選手は28名。順当に行けば明日以降の先発投手が各日昇格して、規定の31枠が埋まる。ただ、必ずしも枠を埋める必要は無いわけで、首脳陣が実戦機会を積ませるために背番号7をファームに送り込む判断をしてもおかしくない。

 特別扱いされない中で、ステップアップを図る。これが2022年の根尾の現在地。応援してくれる人は多いし、侍ジャパンの監督もポテンシャルを認めている。ならば、彼が出たときには温かく見守るのがファンとしてのスタンスだと思う。

Ikki KAGA (@ikki_0306) | Twitter