ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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木俣はようやっとる

巨人を最下位に突き落とせ!③〜エース高橋宏斗、間合いの妙

●1-2巨人(20回戦:東京ドーム) プロ2年目と4年目によるバチバチと音が聞こえてきそうな次世代エース同士の投げ合いは、ハーラートップタイを走る戸郷翔征に軍配が上がった。試合終了の瞬間、東京ドーム内に響き渡る「敗戦投手・高橋宏斗」という無情のアナ…

巨人を最下位に突き落とせ!②〜ビジター男の投球術

○4-1巨人(19回戦:東京ドーム) イヤだな〜、イヤだな〜と。心の中の稲川淳二がざわつき始めたのは、3回表を終えた時の事だった。印象の割に、点数が少なすぎるんですよねぇ〜と、淳二がギョロリとこちらをにらむ。 3回終わって早くも6安打。さらにパスボー…

巨人を最下位に突き落とせ!①〜天敵中田翔

●0-6巨人(18回戦:東京ドーム) お盆過ぎれば涼しくなる。たしかに先週あたりから、朝夕の空気の変化を肌で感ぜられるようになった。窓を開けたときに入ってくる風が、まとわりつくような熱風ではなく、ひんやりとした秋のそれなのだ。 ビデオ考古学者のコ…

戦術としての「逃げ」〜上田洸太朗に備わる“程よい割り切り”

○5-2東京ヤクルト(18回戦:バンテリンドーム) “飄々” という言葉が似合う投手がドラゴンズに現れたのは、とても喜ばしい事である。売り出し中の2年目サウスポー・上田洸太朗は、ピンチになろうが村上宗隆を迎えようが顔色ひとつ変えずに淡々とボールを投げ…

破壊の美学〜村上宗隆の襲来

●2-7東京ヤクルト(17回戦:バンテリンドーム) 怪獣映画の白眉は都市破壊シーンにある、といっても過言ではない。東京に現れた初代ゴジラが国会議事堂を壊したとき、映画館の観客から歓声と拍手が沸き起こったというのは有名な逸話だ。『シン・ゴジラ』では…

新時代とマルチタレント

○4x-3東京ヤクルト(16回戦:バンテリンドーム) 「厳しい言葉ですけど今までのレギュラーだと勝ててなかったわけです。(今まで)Aクラスにギリギリ入るようなチーム状況だったので、勝てるチームのレギュラーを作っていかなきゃいけないと立浪監督は考えて…

表情観察〜三好大倫、淡々と三塁打を放つ

○6-1広島(20回戦:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島) 最近はプロ野球を楽しむにも映像は観ずに、スポナビの速報だけで済ませるというスタイルも定着しつつあるように思う。会社帰りの通勤電車、隣の席のサラリーマンがスポナビ速報をチェック……という場面に…

レビーラ成長譚〜キューバ産エンタメを楽しむ

●0-1x広島(19回戦:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島) 昔テレビ愛知でやっていた『TVチャンピオン』が好きで、よく観ていた。内容は2パターンあって、和菓子選手権やプラモデル選手権のような職人技術を競う回。一方、私が好きだったのは特撮選手権とかユー…

悲壮感すら漂わせ〜柳裕也の苦悩

●0-5広島(18回戦:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島) どうにもこうにもピリッとしない。今季の柳裕也の投球である。京セラドームでは若手の躍動で阪神をスイープし、3連勝で迎えるは敵地の広島戦。実は立浪ドラゴンズは「4連勝」が壁となっており、今季は4…

ジャンピングスクイズ失敗を「成功」させた、中日首脳陣の頭脳と木下拓哉の技術力

○5-4阪神(20回戦:京セラドーム大阪) 勝敗を分けた9回表の “あのプレー” を言語化するとしたら、「ジャンピングスクイズ失敗・暴投・盗塁・ホームスチール」とでも表すのが適当であろうか。なんのこっちゃ分からないが、あの一球で本当にこれ全てが起こっ…

ドラゴンズ、始まったな〜風か魔かリューク

○2-0阪神(19回戦:京セラドーム大阪) 岡林勇希と土田龍空。このW若竜の名を、阪神ファンは嫌でも脳髄に叩き込まれたに違いない。 甲子園V投手同士のマッチアップとなったこの試合、最初にピンチを迎えたのは小笠原慎之介だった。4回表、無死二、三塁。「得…

エースの証明〜マダックスならずも……大野雄大、完封

○4-0阪神(18回戦:京セラドーム大阪) 敗軍の将・矢野監督は試合後、この日の攻撃に関して「何もできなかった」と振り返った。何もさせなかったのは背番号22、ドラゴンズのエース・大野雄大である。 “エース” の定義は実にあやふやだ。トランプの「A」で表…

場当たり的〜京田陽太の明日はどっちだ

●1-6巨人(17回戦:バンテリンドーム) シーズン100試合目。繋がらない、決め手に欠ける打線は改善の兆しすら掴めぬまま淡々と試合数を重ね、この日もルーキー・山﨑伊織の前に4安打1得点に封じ込まれる「いつもの貧打」で、3万の観衆を集めたバンテリンドー…

満塁・木下拓哉の苦悩は続く

●1-2巨人(16回戦:バンテリンドーム) ライデルで負けた。俺たちのライデルが打たれた。7回1失点の上田洸太朗に白星をプレゼントする事ができなかったどころか、負け試合になってしまうなんて……。 9回表ツーアウト。どう考えても本塁打しか狙っていない中田…

野球の華〜チームを救った土田龍空の好プレーと、レビーラの打球

○3-2巨人(15回戦:バンテリンドーム) 以前から何度も書いているが、私はホームランテラス賛成派である。理由は単純で、その方が楽しいから。エンターテイメントは客を退屈させた時点で「負け」だと考えているからだ。 「ホームランは野球の華」とはその通…

抑止力60号〜チームと高橋を救った岡林のミラクル返球

○5-0DeNA(16回戦:バンテリンドーム) 夏の甲子園は愛工大名電が2回戦に駒を進めた。15安打14得点の猛打もさる事ながら、中日ファンとしてはやはり岩瀬仁紀の息子・法樹の登板には心躍るものがあった。意図的に演出したわけではあるまいが、父親さながら9回…

逆方向アーティスト〜一瞬声を挙げてしまった平田良介の右飛

●0-1DeNA(15回戦:バンテリンドーム) スポナビの「連載:2004年・新人監督落合博満」。第6回に登場した証言者は、当時スカウト部長を担当していた中田宗男。 落合は自らが課すハードな練習に耐え得る選手を求めたため、必然的に発達途上の高校生ではなく、…

オトナの分別〜大野雄大が泣いた夜

●2-4DeNA(14回戦:バンテリンドーム) オトナとは何ぞや、について考えてみた。タバコを吸う事、 酒席のマナーを心得ている事、休日はゴルフ接待に出かける事、ジャンプではなくビッグコミックや漫画ゴラクを愛読している事、カラオケの十八番が「酒と泪と…

足りないのは技術か、執念か〜岡林勇希の失敗

●7-9東京ヤクルト(15回戦:明治神宮野球場) まるで記録のバーゲンセールだ。村上宗隆の5打席連発に続き、今夜は大島洋平が6打数6安打の球団新記録を打ち立てた。NPB全体で見ても1試合6安打以上は史上8人目という、歴史的な固め打ちである。こんな夜は勝っ…

勝負を挑みたくなる打者〜粉砕された柳裕也の意地

●0-5東京ヤクルト(14回戦:明治神宮野球場) またしても村 “神” 宗隆が球史に名を刻んだ。おととい阪神戦での3打席連続から引き続いて、この日は柳裕也から2打席連続アーチ。これで通算5打席連続本塁打の日本新記録樹立となった。これまで四死球を挟まない4…

職人魂〜四球もぎ取った大島洋平の働き

○6-5広島(17回戦:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島) 一進一退のシーソーゲームは、4時間を超える激闘の末にドラゴンズが制した。互いに死力を尽くした好ゲームに勝てたのは嬉しい。ただ、いま私は勝利の余韻に浸るよりも、少しの怒りを引きずりつつこの文…

セオリーは破るためにある〜「カウント3-0」からのファウル

○3-0広島(16回戦:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島) 両軍無得点で迎えた5回表。打球は静寂を切り裂くように高々と舞い上がると、そのままレフトスタンドの後方へと消えていった。打った瞬間それと分かる驚愕の弾道を放ったのは、まだ見慣れない背番号94ー…

SEASONS〜若手と4番の活躍で全てが噛み合った!

サブスクで懐メロ漁りをしていた折、なんとなしに浜崎あゆみの「SEASONS」を聴いたのだが、ビックリするほどドラゴンズの境遇を歌っていて泣けてきた。ほとんどの人が頭ん中「??」だと思うので、解説しよう。まず最初のサビ。 今日がとても楽しいと 明日も…

「投手・根尾」は「野手・根尾」を超えたのか

●4-6DeNA(13回戦:バンテリンドーム) 「さすが甲子園の優勝投手ですよ」 辛口で知られる解説者・権藤博氏も思わず唸ったのは、根尾昂の投球である。7回2死、打者ソトのところで福敬登からスイッチし、背番号7がこの日一番の拍手に迎えられて登場。5球でソ…

プロフェッショナル〜仕事の流儀を垣間見た、祖父江大輔の1球

○3-2DeNA(12回戦:バンテリンドーム) 小笠原慎之介はいつになく苦しんでいた。初回から明らかに制球がバラついており、ボール先行ないしスリーボールになる場面も少なくなかった。木下拓哉の盗塁刺に二度救われ、失点こそ2点で踏みとどまったが、5回投げて…

たった2勝の最強投手〜犠飛で満足げな主砲にドロップキック

●1-2DeNA(11回戦:バンテリンドーム) プロ野球を見始めて25年以上経つが、高橋宏斗ほど完成度の高い投手がドラゴンズに現れたのは初めての事だ。川上憲伸や今中慎二も素晴らしいエース投手だったが、高橋ほど “規格外” という感じでは無かったし、これでま…

ルーク×龍空~異例の大抜擢に使いながら育てる覚悟を見た

●1-3阪神(17回戦:阪神甲子園球場) 昨夜の試合で高橋周平が脇腹を痛めて離脱。またアリエルも手首の痛みが再発し、立浪ドラゴンズはレギュラー二人が同時抹消という非常事態に見舞われた。今年はとにかく離脱者が多い。三塁は石川昂弥に続く負傷離脱だし、…

永遠の野球少年〜平田良介カムバック

○3-1阪神(16回戦:阪神甲子園球場) 何事もせっかちは良くないと反省している。実は9回裏、ライデルが出てきた時点で勝利を確信し、早々とブログを書き始めていたのだ。主題は清水達也で、8回裏の攻防について書くつもりだった。ところが1死三塁となって、…

鬼門に挑んだ19歳〜上田洸太朗に勝たせてあげたかった

●1-2阪神(15回戦:阪神甲子園球場) 「鬼門」といえば、阪神のナゴヤドーム嫌いはよく知られている。1997年の開場からとにかく負けまくり、初めてシーズン通して勝ち越したのは開場9年目の2005年のことだった。このシーズンの同球場での阪神の戦績は6勝5敗…

1,082日間の成長〜今夜はバッテリーの勝利だ!

○4-1東京ヤクルト(13回戦:バンテリンドーム) 投手は繊細な生き物だと言われる。どんなに調子が良くても、些細な事をきっかけに突如として崩れる投手の姿をこれまで幾度となく見てきた。この日マウンドに立った笠原祥太郎にも、初回からその気配が漂ってい…