ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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首位打者・高橋の貫禄

◯8-4(31勝39敗)

 

ナゴヤドームが満員に埋まったのは、ガールズシリーズであること以上に相手先発の18歳の若者を観たい人が多かったからなのだろう。吉田輝星。この投手との対戦こそが3連戦のメインイベントであり、交流戦の最終日を締めくくる“トリ”としても申し分ない。その上、次いつ対戦機会が巡ってくるかも知れないのだから、デビュー2戦目というこのタイミングで対戦できるのは偶然にして最高だった。

金足農業の旋風からわずか10ヶ月。プロ初登板となった前回の広島戦は5回1失点で勝利投手に輝き、この日の試合はダルビッシュらに並んでドラフト制後7人目となる高卒投手によるデビューから2戦連続勝利という快挙が懸かったマウンドだった。

さすがのドラゴンズとは言えど、18歳相手に負ける事は無かろうと高を括っていたものの、過去には田中将大にプロ初完封を献上したり、逆の立場で近藤真一がノーヒットノーランを記録した事もあり、年齢でみくびるような真似はしてはならないし、おまけに苦手の満員御礼試合とくれば、意外とスイスイと抑え込まれるのではと心配してしまうのがファン心理。だからこそ初回、早々と3点を取れたのは本当にホッとしたし、犠飛とタイムリーを打った高橋周平が心底頼もしく感じた。

 

本格的に森野っぽくなってきたね

 

森野の8年目は80試合出場どまりだから、今のところは高橋のが早いペースで覚醒してるぞ

 

高橋の3ランが流れを作った

 

日ハム相手にまさかのスイープを果たしたわけだが、3連戦の前の雰囲気は最悪だった。西武に実力差をまざまざと見せつけられての3タテを食らい、借金も今季最多の11に膨らんだ。開幕以来、二桁をキープしてきたというテレビ視聴率も、大敗を喫した18日の西武戦で一気に3.3%まで急落。ファンから見放され、Aクラス戦線からも脱落したと言っても過言ではない状況で、初戦の相手先発はエース有原。ズルズルと行ってもおかしくない中、チームを救ったのはやはり高橋だった。

初戦の初回に飛び出した高橋の3ランが流れを引き寄せた。日ハムとしても弱いドラゴンズをまずはエースで叩いて、という目論見が外れてガクッと来たところもあったのだろう。結局この3連戦でドラゴンズがリードを許したのは3試合目の初回、中田翔の2ランが飛び出したあの一瞬だけで、終始主導権を渡すことなく反撃を凌いだ。だが、もし高橋のホームランが無ければ3連戦の展開も全く異なる物になっていたかもしれない。まさにチームを救う一発だった。

 

根尾は二軍で着々と土台作り

 

吉田輝星が23日に先発する事は先週末の段階で公表されており、栗山監督はその理由を「早く発表すれば根尾くんが上がってくるかも知れない」とはぐらかす事なく語った。

根尾対吉田ーー昨夏の甲子園決勝以来となる夢の対決が早期実現となれば盛り上がるのは必至。興行的にはそうする事が正しいのかもしれないが、多くのドラゴンズファンはそれを是とはしない。本人も一貫して「土台作り」と位置付ける一年目の今季。その日限りのメディア受けのために予定を前倒しにして昇格させるような事はあってはならないし、根尾自身もそんな形での一軍デビューは望んでないはずだ。

その根尾は予定どおり出場したウエスタンの広島戦で薮田からタイムリーを放ち、第3打席にはあわやバックスクリーン弾かという特大のセンターフライを打つなど目に見えて打球の質が変わってきている。焦ることはない。遅かれ早かれデビューの日は来る。今はまだその日に向けて地道に土台を固める段階だ。