ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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連鎖炎上~今やるべき事は何なのか?

●1-10広島(10回戦:Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島)

 “打線は水モノ” と言うが、投手陣も長いシーズンの中で苦しくなる時期が必ず訪れる。大野雄大に続いて、この日は岡野祐一郎が9失点。試合はプレイボール間もなく早々に決し、以降は魂が抜けた状態で鑑賞することになった。話題性という意味では根尾昂の投手登板はサプライズだったが、それはそれ。高橋周平のショート起用も、なんだか意図が不明瞭でモヤモヤしてしまった。

 大島洋平、木下拓哉が復帰し、「さあ、ここから」と意気込んでいただけに、失望も大きい。ただ昨日も今日も、敗因は明らかに先発投手の炎上である。ヨーイドンで9失点とか10失点では、もはやメンバーどうこうの問題ではないだろう。見るも無残なワンサイドゲーム。ウィークエンドの昼間から見せていい内容ではない。

 敢えて前向きなことを書くなら……というか、ムリにでも前向きにならざるを得ないのだが。ここ数試合の低迷は、いわゆる “流れ” によるものだと思っている。例えば巨人もついこの間まで負けまくっていた時期があったように、どんなチームでも必ず苦境はやってくる。立浪ドラゴンズにとって、それが “今” なんじゃないかと、私は解釈している。

 こういう時は、チームの強みと弱さを冷静に見つめ直すことが大事になる。そこが曖昧だと、やらなくてもいい事をやったり、やらなくちゃいけない事をやらず、チームはますます迷走する恐れがある。今やるべき事は何か? 客観的な分析こそが、こうした苦境時には不可欠だ。

 ー-なんて量産型の自己啓発本に書いてありそうなことを偉そうに言う気はないのだが、実際問題として安易に動くのが危険であることは、過去の幾つもの失敗例をいちいち挙げるまでもなく明らかだ。

 ではドラゴンズの強みとは何かといえば、圧倒的に “投手力” であるはずだ。大野、柳裕也、小笠原慎之介の3本柱に加え、高橋宏斗、松葉貴大といった実力者が脇を固めるローテはリーグ随一といっても過言ではない。さらにジャリエル、ライデルを軸にしたリリーフ陣で僅差を守り切る野球。それが立浪ドラゴンズの揺るぎない形である。間違ってもここはブレてはいけない部分だし、この強みを持つ以上はそう連敗も長続きしないはずだ。

状況打破の鍵は令和の背番号77・落合英二ヘッドにあり

 立浪政権では昨季までに比べて一、二軍の選手の入れ替えがかなり頻繁に行われている。チームに刺激を与えるという意味ではアリだろう。しかし、炎上が続いたから先発再編、打線の勢いが鈍っているからカンフル剤を投入、といった施策は一見効果がありそうでも、首脳陣が “やってる感” を出すためのアピールにしかならないのでは意味がない(無論、立浪ドラゴンがそうだと言っているのではない)。

 だが、組織というのはなんとか状況を打開しようとして、非合理的な判断に走ることがめずらしくない。そこでドラゴンズの場合、指導者経験の豊富な落合英二コーチの存在が重要になってくると思う。おそらくこの程度の苦境、落合ヘッドは何度も経験済みだろう。

 選手立浪にとって背番号77は絶対服従すべき畏怖の対象だったが、監督立浪にとってのそれは常に隣に寄り添い、時に諫言を呈する古女房のような存在。監督とヘッドコーチの冷え切った仲がチーム瓦解を招いた例は汲めども尽きない。言い換えれば両者の関係はチームの命綱。政権最大の苦境ともいえる今、いかにして平静を保ちつつ、この難局を乗り越えることができるか。状況打破の鍵は令和の背番号77・落合英二ヘッドにあり、と私は見ている。

 借金は3に膨らんだ。これ以上負けると危険水域に突入する。果たしたここで、首脳陣はどのような手を打つのか? あるいは敢えて打たないのか。何もせず、我慢を貫くのもまた一興。いずれにせよ “強み” を生かした的確な立て直しを期待したい。

木俣はようやっとる (@kimata23) | Twitter