ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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君の名は絶望〜5連敗で交流戦へ

●0-1広島(11回戦:Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島)

 今朝の中日スポーツ1面は根尾昂の投手登板が大々的に飾った。中スポだけではない。他メディアの報道も根尾一色に染まり、名だたる評論家たちが賛否と持論を表明していた。

 言うまでもないが、ドラゴンズの選手がこれだけ注目を集めるのは異例のことだ。あの狂騒曲のようなドラフトから3年半が経っても、未だに根尾がドラゴンズで随一のスターであることをあらためて思い知らされた。全国区でのニュースバリューを誇る根尾は、間違いなくドラゴンズにとって “宝” といえる存在だ。

 ただ、一方で昨日の試合は目を覆いたくなるようなボロ負けを喫したという現実がある。根尾の登板を騒いでいる人達にとって、所属球団の勝ち負けなど取るに足らない情報なのだろうが、少なくともドラゴンズファンとすれば、とてもじゃないが無邪気に “根尾投手” を楽しめる試合ではなかった。

 きっと月曜日に出社したとき、時事通の上司から「根尾が投げたんだって?」と興味深そうに声をかけられるに違いない。それに対して私は、気だるさを隠しつつ「そうなんですよー」と空返事をすることになるのだろう。あー、めんどくさい。想像しただけで億劫だ。もちろん上司は1ミリも悪くないのだけれど。

 そんなわけで、現時点で私は根尾の二刀流には全くと言っていいほど関心がない。あくまで緊急対応の一環だと解釈しているし、二刀流への期待など毛頭ない。以前も書いたように、根尾にはショートでのレギュラー奪取を本気で狙って欲しいと思っている。その点では「根尾は今ピッチャーやってる場合じゃない」という山﨑武司氏と同意見である。

 物珍しさが興味を惹くのは分かるが、私が望んでいるのはこんなサーカス的なトレンド入りではなく、“強いドラゴンズ” が脚光を浴びることだ。その意味で落合監督の時代、「中日の野球はつまらない」「陰湿」「暗い」と周囲から散々やっかみを浴びていた頃は幸せだった。なつかしい。

連敗中なんてそんなもんだよ、と言ってしまえばそれまでだが……

 世間の好奇の目を集めた根尾登板から一夜明け、この日の先発マウンドには柳裕也が立った。連敗を止めるにはこの男しかいないという令和竜が誇るエースが満を持して登板。その期待どおり、柳は素晴らしい投球で凡打の山を築いていく。何しろ5回ワンアウトまでノーヒット・ピッチングだ。ビジターである点を考慮すれば、今季最高の出来だったといっても過言ではなかろう。

 ところが6回裏、先頭の堂林翔太に対してカットボールがやや甘いコースに入ってしまった。打球はたちまちレフトスタンドへ吸い込まれ、スコアボードには痛恨の「1」が刻まれた。いつか見た光景だ。そう、4月29日に高橋宏斗と大瀬良大地が投げ合ったときも、均衡を破ったのは堂林の一発だった。

 まるでデジャブのような光景だが、今回の相手は難攻不落の大瀬良ではなく、やや不安定な広島リリーフ陣だ。付け入る隙はあったと思う。だが、今のドラゴンズの噛み合わせの悪さは想像を超えていた。打線がつながると投手が打たれ、投手が抑えると打線が沈黙する。連敗中なんてそんなもんだよ、と言ってしまえばそれまでだが、1点さえ取れないのはさすがに重症だ。

 勝ち方を忘れた立浪ドラゴンズは、5連敗で交流戦を迎えることに。君の名は絶望。根尾の二刀流で騒いでいる場合じゃないのだ。

木俣はようやっとる (@kimata23) | Twitter

【参考資料】

「根尾は今ピッチャーやってる場合じゃない」山崎武司さんがバッターへの集中を助言「二刀流、流行ってるけど…」 | 東海テレビNEWS