ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

イニングイーター~価値ある小笠原の粘投

●0-4DeNA(7回戦:バンテリンドーム)

 今永昇太の三振劇場は1回裏、三ツ俣大樹が3球三振を喫したところから始まった。13奪三振もさることながら、この日打席に立ったのべ32人のうち22人が2ストライクまで追い込まれたという事実に恐れ入る。まさに攻略の糸口すら掴めぬまま、あれよあれよと抑え込まれてしまった。

 年に何回か無抵抗に敗れる試合があるが、今日はまさにそんな日だった。こういう試合の中で、ポジティブな要素を探し出すのは困難だ。一人気を吐いた岡林勇希のマルチ安打、今季初昇格となった石岡諒太のナイスヒットは称賛に値するが、そこを抜き出して約1,500文字を埋めるスキルは私にはない。

 となると、目線はおのずと小笠原慎之介に向かうことになる。先制、中押し、ダメ押しと効率よく点を取られての4失点という結果だけ見れば “イマイチ” だったと言わざるを得ない。せめて4回表、あの本塁アウトの判定をめぐるリクエストが覆ってさえいなければ、間違いなく展開は変わっていただけに悔やまれる。

 6回表に食らった牧秀悟の一発は、フルカウントからの一球としてはやや不用心だった感が否めないし、8回表の3点目も先ほど打たれたストレートを初球から真ん中高めに投じてしまったのは、ミスと言われても仕方ない。

 という風に(多分に結果論ではあるものの)何かと反省点の多い内容ではあったが、それでも小笠原は十分役割を全うしたと言えるのではなかろうか。大野雄大であろうと柳裕也であろうと、援護なしで勝つのは至難の業だ。だからといって無為に負けるのではなく、何か収穫を残すのが “柱” と呼ばれる投手の責務である。

 明日の先発は松葉貴大。バンテリンドーム専門にして、どんなによくても5回までという制限付き。最低4人のリリーフ起用が前提となる以上、この日小笠原が8イニングを投げ切ったのは額面以上の意義があったといえよう。

 三本柱の一角に数えられる小笠原だが、かつては体力に不安があり、7回持たずに降板することも少なくなかった。昨季は最終登板でなんとか初の規定投球回に到達。真価の問われる今年は開幕早々、コロナ感染というトラブルにも見舞われたが、ここまでの4登板はまずまずの投球を見せている。うち3度で100球オーバー。今やすっかり “イニングイーター” の風格さえも漂わせ始めている。

 長丁場のシーズンでは最終的にリリーフ陣の質がモノを言う。たしかに面白みのない負け試合ではあったが、小笠原の頑張りはやがて必ず活きてくるだろう。

大島、木下が帰ってくる!

 どちらかといえば今日は二軍戦の方がトピックスが多く、ファンの注目も集まったように感じる。それもそのはず、負傷離脱の大島洋平が「1番センター」で久々に実戦復帰していきなり2安打を放てば、コロナ感染で休養していた木下拓哉も「6番キャッチャー」で先発出場。

 ナイター後、立浪監督は20日の広島戦から両名の合流を明言。木下に至っては18日復帰の可能性を示唆した。おそらく明日以降は、石川昂弥、鵜飼航丞、平田良介も続々と現場復帰を果たすことになるのだろう。平田はともかく石川、鵜飼にはもう少し調整期間を設ける可能性もありそうだが、いずれにせよチームが “完全体” になるのはそう遠くはなさそうだ。

 もう少し、あと少し。粘れ! ドラゴンズ!

木俣はようやっとる (@kimata23) | Twitter