ちうにちを考える

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復帰の小笠原慎之介が今季初勝利! "宿題"も残して、理想的な(!?)白星に

◯7-3DeNA(4回戦:横浜スタジアム)

 ドラゴンズの躍進に欠かせない左腕が帰ってきた。背番号11・小笠原慎之介だ。

 3月29日のDeNA戦で今季初登板するも黒星を喫し、直後にコロナ陽性が判明。隔離生活、ファームでの研鑽を積んで、約1カ月ぶりに一軍マウンドへ戻ってきた。

 筆者はせっかくの機会を逃さぬよう、ハマスタ現地へ。三塁側内野席からその雄姿を見守った。

満員御礼のハマスタで

「満員御礼」のアナウンスがあるほど、大入りだったこの日のハマスタ。チームに数少ない"陽キャ"の小笠原にとっては、後押しになるかもしれない。東海大相模高時代はこの地で夏の甲子園出場を決め、のちの全国制覇に繋げている。

 その期待に応えるように、初回は三者凡退に。投げるボールも悪くない。直球、変化球ともにある程度ストライクゾーンに入っている。3番・佐野恵太を三振に抑えたときには軽く吼え、気持ちの乗っかり具合も十分だ。

 しかし、2回に2本の適時打を浴び先制点を許してしまう。先頭から6球連続ボールを投げるなど、突如制御が効かなくなる印象を持った。

野手の頑張りもあり、7回まで?

 小笠原は味方に逆転してもらった後の4回、牧秀悟のライト線にポトリと落ちる二塁打からピンチを背負う。 

 四球と送りバントで1死二、三塁。1点リードで内野手は前進守備。ここで嶺井のヒット性の当たりをサード・石川昂弥が横っ飛びで好捕するファインプレー!小笠原もグータッチで讃える。続く伊藤裕季也をショートゴロに打ち取り、なんとか無失点。ここまで69球。6回まではいけるか?

 5回には高橋周平のタイムリーが飛び出し、ベンチ前でキャッチボールをしていた小笠原は拳を掲げて喜ぶ。その裏はわずか10球で三者凡退に。もしかしたら7回まで引っ張れるかもしれない。現地で観ていてそう思った。

指揮官の叱咤には応えられず

 ただ、そんなに上手くいかないのが野球の常。6回表の打席でクリーンヒットを放つも、その後は一塁に釘付け。なんとも言えない流れを引きずったまま裏のマウンドに立つと、先頭の佐野に安打を打たれ、牧の内野ゴロで一走は二進。ソトも抑えるが、並行カウントから5球粘られる。

 続く大和の左越えタイムリーの直後、注目すべき場面が訪れた。三塁ベンチから立浪和義監督がマウンドへ向かい、小笠原を叱咤したのだ。

 指揮官の直接叱咤といえば4月3日、広島戦での柳裕也を思い出す。あのときは完封直前にマウンドへ向かい、直後の併殺、勝利につなげている。

 今回はどうだろうかと思いながら見守るも、小笠原は嶺井を四球で歩かせ、逆転のランナーを許してしまう。ここでベンチは交代を決断。球数は110球に達していた。

初勝利にも100%満足してないはず

 後を受けた清水達也が見事な火消しを行い、打線は8回に3点を追加。最終的にはクローザーのR.マルティネスを使わずに、勝利を収めることができた。小笠原にもシーズン初勝利がついた。

 ただ、背番号11がこれで100%満足しているかと言えば、そうではないはずだ。指揮官は6回、あと1アウトを取るまで投げ切ることを期待したのだろうし、それができると思ってマウンドに向かったと思う。

 勝ったから前向きに言えるが、今回の降板は次回以降の"宿題"を与えられたと捉えたい。ある意味では次への関心を持てる、理想的な状況だろうか。開幕前からイニングイートを厳命されている立場だし、もっともっと貪欲にアウトを重ねていく姿を観られたら嬉しい。

Ikki KAGA (@ikki_0306) | Twitter