ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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アンラッキー・デイ〜相次いだエラーと負傷交代

●1-3阪神(4回戦:阪神甲子園球場)

 ドラゴンズにとってはとにかくアンラッキーな雨上がりの一戦となった。

 昨季2勝7敗1分、おととし1勝11敗。鬼門中の鬼門ともいえる甲子園での今季初戦。マウンドに上がったのは勝野昌慶だった。名前とは裏腹になぜか「勝てない」投手である勝野だが、内容的にはいつ勝ってもおかしくない投球が続いている。

 というわけで “16試合目の正直” に挑んだ今夜は初回に味方が幸先よく先制。自身もテンポよく三者凡退で切り抜け、久々の勝利を予感させる立ち上がりとなった。しかし球場に吹き荒れる浜風と同様、このあと勝野を強烈な “向かい風” がことごとく襲うことになる。

 まずは2回裏、2死二塁から7番・高山俊の何でもないショートゴロを名手・京田陽太が痛恨の後逸。その間にランナー生還を許し、予期せぬ形で追いつかれてしまう。ちなみに京田は昨年もこの甲子園でトンネルを犯している。年間60試合以上に出場するナゴヤでは滅多に見ないプレーだけに、甲子園との相性の悪さがうかがえる。

 続く3回裏には先頭9番・西勇輝のボテボテのゴロを阿部寿樹が悪送球し、西を二塁へと進めてしまう。無難に抑えたはずがたちまち無死二塁のピンチになるのだから、勝野としてはたまったもんじゃない。続く近本光司のセーフティバントは見事だったが、結果的には無死一、三塁から内野ゴロの間の1点に留めたわけだから、なおさら惜しいエラーとなってしまった。

 5回裏にも失点を喫した勝野だが、そのうち2点は味方のエラー絡みだから同情の余地はある。ただここで、まさかアンラッキーが遂に勝野本人にも降りかかることになろうとは--。

ドラゴンズの「ツイてなさ」があらゆる面で上回ってしまった

 3点目を失った直後だった。中野拓夢にツーボールとしたところで、勝野が腰を抑えてベンチに下がったのだ。伏し目がちな勝野の表情、心配そうな首脳陣の様子からして何かしらのアクシデント発生であることは明らかだった。

 ツイていない日というのは、何から何までとことんダメなものだ。ただ、エラーは苦笑いできても怪我だけは笑えない。勝野だけではない。5回表には大島洋平が右膝への死球でコーチ、トレーナーに支えられながらベンチに下がり、即座に交代を余儀なくされた。骨折をも耐えて出場を続けたほどの鉄人があれだけ悶絶するのは珍しく、程度がどうあれ明日の出場は厳しいだろう(球団発表によれば骨には異常なしとのこと)。

 相次ぐアンラッキー。だが、今夜のドラゴンズには悔しさをバネにするほどのエネルギーも感じられなかった。立浪監督に直接指導を受けたという鵜飼航丞はいいところなく4タコ2三振。絶好調の石川昂弥も3三振とふるわず、阪神のド派手なユニフォームと西の笑顔がただただ憎たらしいだけの展開となってしまった。

 8回裏には前回対戦で攻略した湯浅京己から先頭のアリエルが内野安打をもぎ取るも、ビシエド併殺で意気消沈。その直後に阿部がツーベースを放つというチグハグさも今夜の流れの悪さを物語っていた。

 僅差ゲームの鉄則である「ミスをした方が負ける」でいうならば、阪神だってアウトカウント間違えによるトリプルプレーという珍プレーをやらかしたし、高山俊と佐藤輝明の不安定なライト守備も場合によっては致命傷になりかねない。

 ただ、今夜に関してはドラゴンズの「ツイてなさ」があらゆる面で上回ってしまった。単なる負けならば「こんな日もあるさ」で流すこともできるが、負傷者が出てしまったので後味も悪い。

 果たして立浪監督はこの状況をいかにして乗り越えるのか? まちがっても「365枚の札の中から漢字一文字を引き当てるんですけど、僕がチームをイメージしながら引いたのは……」とか言い出さないことを祈る。

木俣はようやっとる (@kimata23) | Twitter