ちうにちを考える

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根尾昂に新局面。遊撃再コンバートをきっかけに、ついにスーパーUTの道へ?

 根尾昂が遊撃へ再コンバートされることになった。

 21日に立浪和義監督が明らかにしたもので、「今のチーム状況を考えると外野はたくさんいてなかなか出る機会がない。外野をやることも遠回りしているようで彼にとってはプラスになると思ってやらせている」とのこと。同日に登録抹消、ファーム帯同となり、早速遊撃手として出場を始めている。

外野専念の今季は限定的な起用に

 遊撃手はもともと根尾本人が希望して守っていたポジションで、昨季もキャンプ中は京田陽太と競争。シーズン終盤にはスタメンで出場した試合もあった。今季は外野手登録に変更され、開幕から1軍帯同していたものの、先発出場はわずか1試合のみ。限定的な起用に終わっていた。

「状況に応じて変わってくる」と指揮官が話す通り、レギュラーの決まっていなかった両翼をアリエル・マルティネス、岡林勇希、平田良介、鵜飼航丞の4人で回す目処が立ちつつある。一方で、遊撃は京田の不振と控えの層の薄さが指摘されており、「ライバル再び」と期待されての再コンバートと言えよう。

 21、22日と遊撃での動きを見ていると、そこまで違和感なく守れている印象だ。持ち前の強肩は健在で、三遊間の深いところから反転しての二塁封殺は「映えるプレー」だった。内野に必要なショートスローや細かいステップも無難にできていたように見える。

プロスペクトを最大限活かすアイデア

 ここからは思い切った私見を述べさせていただく。今回の遊撃再コンバートは“スーパーユーティリティー(UT)”への第一歩になるのではないか。

 プロ入り以降、すでに一塁を除く内野3ポジション、外野全ポジションを守った経験を持ち、今回のように外野から内野に移ってもすぐにこなせる運動能力の高さは目を見張るものがある。そして、話題になったブルペン待機を含め、投手としてのポテンシャルも未だに高い。

 もう、遊撃だけに囚われず、複数ポジションで輝く道を歩んだほうが本人・チームにとっての最適解と捉えても良いと思う。本人の希望も考慮すべきだが、レギュラーになれない現状を変えるにはそれぐらいのチャレンジがあっても良い。

 主に金銭面で限られたリソースしか使えないドラゴンズ。ならば中にいる選手の質を高めていくしかない。究極は投手との二刀流だが、現実的には遊撃と外野をメインに、チームの足りないポジションを埋めてくれる存在。それが根尾というプロスペクト、地元が生んだ金の卵を最大限活かす選択肢だと確信している。

 日本ではあまり例のない話だが、MLBではベン・ゾブリスト(元レイズほか)やハビアー・バエズ(タイガース)など、オールスター級のスーパーUTが存在。リーグ屈指のWARを叩き出し、攻守での大きな貢献が見込まれている。根尾もこのレベルに達してくれたら最高だ。

 入団会見で「ドラゴンズで日本一になること」を目標に掲げた背番号7。もっともっとレベルアップして、自らが日本一に導く姿を見せてもらいたい。

Ikki KAGA (@ikki_0306) | Twitter

<監督コメント引用>
中日スポーツ『【中日】根尾昂はショートに再コンバート 立浪監督が直接伝える「京田にライバルらしいライバルもいないのでね」』(4月21日)
https://www.chunichi.co.jp/article/457214

<参考記事>
THE DIGEST『日本のバイエズになれ! 一軍昇格の中日・根尾昂に伝えたい「スーパーユーティリティのススメ」』(2020年8月3日)
https://thedigestweb.com/baseball/detail/id=20644