ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

プロ17年目・平田良介の笑顔にグッときた話

 石川昂弥の初ホームランに高橋宏斗のプロ初勝利。先日の神宮3連戦は一生語り継ぎたい出来事が2つも起こった。筆者も3連戦すべてを現地観戦し、その喜びを享受した。やはりドラフト1位選手というのは特別なのだ、と改めて感じた。

 その神宮3連戦で印象に残ったことがある。

「平田、良い表情で野球やっているな……」

 かつてのドラフト1位・平田良介についてだ。

今季初スタメンで渋い活躍

 思わずつぶやいてしまったのは、7日の試合でのこと。具体的な場面は失念したが、3アウトを取って左翼の守備位置から三塁ベンチへ帰るとき、控え選手と笑顔でタッチする姿にグッときたのだ。

 この日が今季初スタメンだった背番号6。かつての定位置だった右翼には、干支一回り以上年下の岡林勇希が入り、中堅には盟友・大島洋平が座り続けている。ちょっとしたパラレルワールドな感じもする。

 そんな中で巡ってきた先発の機会。打球を捌く機会はほとんどなかったものの、打撃面では内野ゴロで貴重な追加点をもたらすと、次の打席ではダメ押しのきっかけとなる安打を放った。内野ゴロについては、「ギャンブルスタート」でもぎ取った1点。ベンチの作戦を見事遂行できたからか、この時も喜んでナインのもとへ戻る様子だった。

プロ17年目は進退を懸けたシーズン

 6年連続2桁本塁打にサイクルヒット達成。侍ジャパンに選出された経験もあり、平田は紛れもなくドラゴンズを代表する選手だった。しかし、打率.329を記録した2018年を頂点に、右肩下がりのシーズンを送り続けてきた。

 特に昨季は、一軍定着後では最少の21試合出場にとどまり低迷。秋には「異型狭心症」を公表し、5年契約を不本意な形で終えた。当然、契約更改は大幅減でサイン。プロ17年目は文字通り「進退を懸けた」シーズンで、オフのヨガトレ、そして久しぶりに戻ってきた相棒・アオダモバットの存在が功を奏したのか、ここまでは概ね順調にきている。

 練習試合・オープン戦で少ないチャンスをものにし、その姿勢は立浪和義監督をして「あの必死さを見習ってもらいたい」と言わしめるほど。開幕一軍をつかみ、代打で結果を残し、スタメン出場でも存在感を示した。日々充実しているのは表情からもうかがえる。

 不振と病気で現役生活を諦めることもよぎったかもしれない。それでもプロ野球選手を続けることを選んだ背番号6。しばらくは鵜飼航丞、アリエル・マルティネスとの併用が続くだろうが、ドラゴンズにはまだまだその力が必要。類まれなる野球センスをグラウンドで存分に発揮してほしい。

Ikki KAGA (@ikki_0306) | Twitter

<コメント引用>

中日スポーツ「スタメン出場の平田が今季初安打 必死なプレースタイルに指揮官「若手に見習ってほしい」【中日】」(2022年2月21日)

https://www.chunichi.co.jp/article/422142