ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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目指せ、400本超え

〇11-3ヤクルト(3回戦:明治神宮野球場)

 興奮冷めやらぬ3連戦の3戦目、高橋宏斗は勝利のハイタッチでプロ初勝利の大事な記念球を受け取った直後、それを立浪監督に手渡しした。まだまだ寒い日の続く東京の夜、必要な時以外は常にウィンドブレーカーを着込んでいた指揮官がユニフォーム姿で記者陣の前に姿を表した。テレビ越しではあるが私はその姿を親戚のおじさんのように微笑ましく眺めていた。

 監督が2000本安打を達成したとき、高橋宏斗はまだ生まれて11ヶ月。現役引退をした2009年時点でさえ、小学校1年生の7歳だった。いくら名古屋で生まれ育ったといえ監督の現役時代をはっきりとは覚えていないだろう。

 ドラフト指名の1年後に監督就任で交わった2人の人生、これからのチームを背負って立つであろう19歳の若武者のストーリーがついに動き出した。

 

誰も最後の最後まで気を抜かなかった。

 鬼門・神宮を2勝1敗とし、2カード連続での勝ち越しを決めたが、8回の表を終わって8点差という大量リードを驕る者は少なかった。なにせこの球場で一気に追いつかれた経験が何度もあるだけに、そして一昨日も最大5点のリードをあっさりと同点にされただけに、グラウンドに立つ選手たちはイニングを重ねるごとに ーーたとえ点差が離れてもーー 緊張感を増してゲームに臨んでいたようにも思える。

 7回、高橋の後を受けた清水達也は一昨日村上宗隆に手痛い同点ホームランを浴びた。切れ味鋭いスプリットを効果的に使い2奪三振で切り抜けると8回は何度も神宮劇場の目撃者、そして当事者になってしまっている田島慎二。彼もまた丁寧に低めを突いて無失点に抑えた。彼らのピッチングがあってこそ、森博人を9回に投げさせることができたことだろう。

 たとえ大量リードでもまるで1点リードで投げているかのような中継ぎ陣。1点失っても許される点差であってもそれを “良し” としない、張り詰めた空気はこれからのチーム力を底上げするにとても大事なことのように感じた。

 

N's Methodが浸透してきたか

 打った瞬間にわかった石川昂弥の特大の一発、今シーズン初のスタメン全員安打と2桁得点を決めた木下拓哉の一発、そして6試合連続打点の阿部寿樹と右打者に長打が出始めてきた。今日を含めた12本のホームランのうち9本が右打者が記録したものだ。

 昨年143試合で右打者が放ったホームランは52本(左打者は17本)、今年は12試合で9本なのだから単純計算で年間107本ペースと実に2倍の数が見込まれることになる。

 ちなみに左打者は昨年17本で今年はここまで3本。年間36本ペースとするとこちらも倍のペースでホームラン数を積み上げている。もちろんホーム球場のことを考えれば今のペースで続くとは思ってはいないが、少なくとも昨年のホームラン数を超えることは間違いなさそうだ。

 現状、打線の中軸を担っている右打者に長打が増えていけば投手も大胆に自分の持ち味を出して投げることもできるし、今日のように大量リードになれば勝ちパターンの投手を休養させることもできる。打線は水物ではあるが、 “ノリさん” (若手選手に同じく、ここでは敢えてそう呼ばせていただく)の指導が行き渡っていくことで今日のような試合展開が増えていくことを心の底から期待している。

 

 そして大事な場面ではいつも頼れるノリさん2世を作り上げて欲しい。プロ1号が勝ち越しホームラン、そしてプロ2号は貴重な追加点となった石川がそうであることを祈っている。ちなみにノリさんが3年目終了時点での通算ホームランは254打席で10本。どこまで近づけるか、はたまた追い越せるか楽しみだ。

 

yuya (@yuya51) | Twitter