3月2日付の『中日スポーツ』で、ナゴヤ球場に人気バンド・サカナクションの広告が掲出されたことが明らかになった。かねてから魚民(サカナクションファンのこと)の間では噂になっており、記事をもってその真偽がハッキリした形だ。写真を確認すると、ライト線あたりに「サカナクション」とシンプルにバンド名が記されている。
バンドのフロントマン・山口一郎は「幼少期から実際に行けたことはないですけど、映像や写真を通じてずっと目に焼き付けているナゴヤ球場のフェンスに広告を出せるチャンスがあると聞いて、すぐに飛び付きました」とコメント。紙面には「自費で購入」とも書かれている。
一郎氏は岐阜県出身の父の影響で、幼少期からのドラファン。今回の広告掲出は一つの“愛の結実”と言える。
ミュージシャンの球場広告例は奥田民生ぐらい?
過去の写真や記録映画などから、球場広告はプロ野球草創期の頃からあったと推定されるが、ミュージシャンが掲出した例はほぼないだろう。
稀有なケースとして挙げられるのは、旧広島市民球場の奥田民生の例がある。民生氏も熱烈なカープファンとして知られ、自費で広告を掲出したと聞いたことがある。
このあたりは今回の一郎氏と共通しているが、一軍とファームの球場ではまた趣が変わってくる。露出の範囲、頻度も異なる。当然、広告の額も変わるだろう。
なぜナゴヤ球場に掲出? その狙いは
日本のミュージックシーンを引っ張るサカナクション。その気になればバンテリンドームにも掲出できそうなのに、ナゴヤ球場に広告を掲出したのはなぜか。狙いはどんなことなのか。ドラファン兼魚民である私は考えてみた。
一つは、一郎氏がナゴヤ球場に親しみを持ち、日々二軍戦の中継を楽しんでいるからだろう。これは記事からも伺える。
もう一つは、ドラファンならびに魚民の「血を濃くする」ためではないか。要は双方のコアファンを増やしていきたいのかなと推察する。常々、一郎氏は自らのファンの「血を濃くしたい」と公言。ファンクラブではそれに即した施策(アプリログイン等のポイント数でライブチケットの優先度が変わるなど)を行っている。
野球界にも「良い違和感」
ナゴヤ球場の外野フェンスを見ると、親会社やスポーツ関連企業の広告ばかり。そこにバンド名が載った広告を打つことで、「サカナクションって何?」「サカナクションの広告があるんだけど!」と関心を引かせ、各々がデバイスで検索する。
その先には音楽を中心としたコンテンツが広がっており、バンドに興味を持ち、気づいたらハマっている――。
当然、逆も然りで、魚民がドラゴンズに関心を寄せるきっかけにもなるはずだ。
一郎氏出演のNHK『シュガー&シュガー』で大野雄大が登場したのをはじめ、エンタメは「おっ!」と思わせることが大事。よく一郎氏は「良い違和感」と言うが、本件はその好例として、語り継いでいこうと思う。
早くナゴヤ球場に行って、実物の広告が見たい……!