ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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ブルペンリーダーは任せたぞ!田島慎二の元気な姿が目に留まった祭日の昼下がり

 年に一度あるかどうかの水曜祭日とあってネット上では「水曜休み最強説」がトレンドになるほどの賑わいを見せた。一部企業では週休3日制を導入する動きもあるようだが、定着すればプロ野球の観客動員も劇的に上向くに違いない。

 球団収益の増加は選手年俸の還元に繋がるし、余ったマネーで衰えた大物メジャーリーガーを獲得するのがブームになれば、プロ野球全体のレベル向上が望めるだろう。週休3日制はNPBにとって良いことづくめ。カープ贔屓の岸田内閣は、本腰を入れて導入を後押しすべきではないだろうか。

 という雑なイントロで始まった本日の「ちうにちを考える」。御多分に漏れず私も貴重な水曜休みをダラダラ、ぐだぐだと使い潰したクチだが、楽しみにしていた練習試合が中止になったのは本気で残念だった。沖縄はこれがあるからツライ。ここで少し歴史の話を挟む。

 温暖な気候と時差を気にしなくてもいい点が重宝され、沖縄で春季キャンプを張る球団が増え始めたのが1980年代のこと。しかし唯一のネックである雨の多さに、二の足を踏む球団もあったと言われる。そこで頑張ったのが沖縄行政だ。「屋根付きの練習場が欲しい」「複数人が同時に投げられるブルペンが欲しい」といった球団側の要望に即座に対応。多少の雨がマイナスにならないほど施設を充実させ、球団誘致を劇的に推し進めたのである。

 ドラゴンズも一時は豪・ゴールドコーストに「ドラゴンズタウン」と称する一大施設群を創設。恒久的な利用を想定していた時期もあったが、1996年に現在の北谷町に腰を落としてからは目下27年連続での利用となっている。それまで次々とキャンプ地を移してきたドラゴンズにとって、まさに北谷は終の住処。これも地元の「中日ドラゴンズ北谷町協力会」による全面的なバックアップあっての事だという点は、忘れてはならない。

手術した右肘も「まったく違和感がない」という段階まで復調

 久々にフル尺でキャンプ中継を楽しめた本日、天皇誕生日。達川光男氏のあいかわらず軽妙な解説っぷりに笑い転げながら、肝心の野球のほうで目に留まったのが背番号12、田島慎二の投球だった。ブルペン入りした田島は変化球をまじえながら桂依央利を女房に気合の入った投球を披露。達川氏も指摘していたように、表情からして見るからに健康そのもので、2年前に手術した右肘も「まったく違和感がない」という段階まで復調しているようだ。

 “タジ魔神” の愛称と共に開幕連続無失点31イニングのプロ野球記録(当時)を樹立したのも早6年目の話。その後は相次ぐ炎上でクローザーを外され、二軍降格も経験し、遂にはトミー・ジョン手術に踏み切るなど苦しい日々を過ごした。それだけに昨季、最速149キロまで戻った速球と共に、まるで全盛期のような投球で復帰を果たしたのには驚きを隠せなかったし、恥ずかしながら想定外でもあった。

 結局昨季は7月12日の初登板以降、22試合に登板。防御率2.45もまずまずだが、奪三振率10.80は十分リリーフエースでも通用する数字だ。苦しんだ時期を見てきただけに、昨季の成績にはよくぞここまで戻ってきたと感慨すら覚えるが、今度はこれがフロックではない事を証明しなければいけない。怪我でもしない限りは開幕メンバー入りは当確。在籍10年超えのベテランとして、かつての落合英二コーチのようにブルペンを牽引するリーダー的な役割も求められるだろう。

 そのためには、二軍降格の憂き目に遭わないような数字を残す必要がある。マウンドに帰還を果たした昨季は、いわば前哨戦。今年はその真価が問われるシーズンになる。

 完全復活へ、ここまでは順調そのものだ。

木俣はようやっとる (@kimata23) | Twitter

【参考資料】

J SPORTS『野球好き中日キャンプin北谷』