ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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選手名鑑、あなたのお気に入りは? ドラゴンズ界隈を観察してみよう

 2月も下旬に差し掛かり、沖縄からは練習試合の中継や記事が届けられる。いよいよ実戦モードに入ってきたなと感じるこの時期、さらにシーズンに向けてスイッチを入れてくれるものがある。そう、選手名鑑だ。

 今年も多くの出版社から選手名鑑が刊行され、各社それぞれ特徴を持つ。そこで今回は私の選手名鑑の買い方、読み方を記したいと思う。

週ベ名鑑号で球春を感じる

 まずは野球雑誌の定番・週刊ベースボール選手名鑑号から。「どこよりも早い!」を謳い文句に2月10日前後(大体第2水曜or木曜)に発売される。他の名鑑は約1週間後に発売されるため、この名鑑号を最初に手に入れて楽しむ人は多いのではないか。かく言う私もそのひとりだ。

 ここ数年における名鑑号の楽しみ方として「選手の球歴」を挙げたい。従来は高校以降(横浜高-明大-中日みたいな)の掲載だったが、2018年ドラフト組以降は小学校から載るようになった。同時に所属クラブチームも明記されている。

 例えば今季のドラ1・ブライト健太なら「弘道第一小(弘道ピアーズ)-足立区立第十一中(シニアクラーク)-葛飾野高-上武大-中日」。これを見て私は「地元の少年野球から始めたんだな」と気づきを得たり、「足立区立第十一中ってどの辺だっけ? 五反野とか綾瀬のあたりか」と地図アプリを開きながら選手のルーツを追ってしまうクチだ。

 また、この名鑑号で定番のチェックポイントが「好きなタレント・理想のタイプ」欄。ドラ2・鵜飼航丞が永野芽郁、ドラ3・石森大誠が新木優子と、各種メディアで取り上げられている通りの芸能人を載せる中、ドラ6・福元悠真は萩原京平という男性を挙げていた。一体、誰なんだ……?

 検索してみると、RIZINに参戦するゴリゴリの総合格闘家だそう。福元のおかげで自分のあまり知らない世界を知ることができたし、屈強そうな雰囲気はこういうところから出ているのかなと感じた次第である。

データ&寸評のSlugger

 続いては日本スポーツ企画出版社刊行『Slugger(スラッガー)』の名鑑を紹介したい。この名鑑は何と言っても「データが豊富」。近年各種データを搭載している名鑑はいくつもあるが、おそらくセイバーメトリクス系を最初に導入、そして他の追随を許さない質量が武器だ。私も2015年以降は毎年購入し、自宅用に大判サイズ、現地観戦用にポケット版の2冊を用意。本ブログの執筆にもよく役立てている。

 スラッガー名鑑のもう一つの特徴が「硬軟織り交ぜた寸評」。最初の数文は昨シーズンの活躍や数字を並べるが、最後の一文はプライベートを中心としたネタやプチ情報に走ることが多い。これがまたクスッと笑えるものが多くて、プロ野球選手の面白さや人間くささが伝わってくるのだ。

 せっかくなので、2015年版と2022年版の祖父江大輔の寸評を比較してみよう。上記の特徴がお分かりになると思う。

<2015年版>
新人ながらチーム3位の54登板&11ホールド。シーズン最終登板の巨人戦で炎上するまで防御率2点台を維持した。マウンドでの鬼気迫る表情が印象的だが、正月番組の収録で訪れたメイド喫茶で“ソッフィー”というかわいらしい愛称を授かった。

<2022年版>
シーズン序盤は本来の投球ではなかったが尻上がりに調子を上げ、最終的には2年連続50登板以上。防御率2点台にまとめた。FA権は行使せず年俸1億円で残留。大野雄によれば、立浪監督就任で背番号33が剥奪されることを密かに心配していた。

解説者名鑑とアナ紹介が大好き

 子供の頃からよく買っていたのは『12球団全選手カラー百科名鑑』。1970年代からの歴史を誇り、かつては日本スポーツ出版社、昨年までは廣済堂出版が発刊。今年からはミライカナイが受け継いだロングセラー名鑑である。

 選手の格・前年の活躍度合いによって扱いの大小があったり、1軍・2軍の成績が併記されていたり、球団歌の歌詞(ドラゴンズの場合は『嵐の英雄(ヒーロー)』!)が載っていたりと、10代の野球好きがコアファンになるには十分な情報量が綴られていた。

 何より好きだったのが「解説者名鑑」「アナウンサー紹介」ページ。解説者のメンバーは年々変わるため重宝したし、当時住んでいた名古屋以外の局で喋るアナウンサーのことを知るきっかけになった。野球中継に興味を持ち、今も実況&解説のメンバーを見てどの中継を視聴するか決めているのも、このページのおかげ。残念ながらアナウンサー紹介の寸評は無くなってしまったが、いつかまた復活してくれたらうれしい。

 さて、今季版の解説者名鑑を見ると、昨季までドラゴンズ首脳陣を務めていた人たちが確認できる。伊東勤元ヘッドは古巣・NHKに戻り、阿波野秀幸元投手コーチはフジテレビ所属になるそう。そして与田剛エクゼクティブアドバイザーもNHK所属と書かれている。球団の職務をこなしながら、マイクの前にも座るということか。前監督は立浪新政権とは少し距離を置くことになりそうだ。

 あと、ドラゴンズ絡みでもう一つ、鈴木孝政氏の写真がピンボケしていたことを報告しておく。他の解説者が軒並み一眼レフでビシッと撮った感じなのに、タカマサさんだけガラケーで撮ったかのような解像度。せっかくの宣材写真なのに、実にもったいない。どれぐらいのピンボケ具合かは実際に手に取ってご覧ください。あしからず。

Ikki KAGA (@ikki_0306) | Twitter