近年まれにみる熱戦続きの日本シリーズ。神戸に場所を移し、沢村賞投手・山本由伸がどれほどの投球をみせるのか。あるいはヤクルトが食らいつくのか。明日の夜が楽しみすぎて、ついつい前夜祭的に「檸檬堂 鬼レモン350ml」を2本空けてしまった。
そんな感じでヘベレケになりながらこのブログを書いているのだが(私はアルコール愛好者である反面、大して強くはないのだ)、中日ファン的には目下の課題は又吉克樹のFA行使問題に尽きるといえよう。
今オフの “FA御三家” のうち、祖父江大輔、田島慎二については既に残留を表明。2年前には球団幹部の「評価して欲しいなら、早くFAを取ってくださいというのがこちらの主張」という発言が物議を醸したが、まさに有言実行の大幅アップで両者ともに円満の交渉となった模様。ファンもひとまずホッと胸をなでおろした。
しかし、本丸ともいえる又吉については数回の残留交渉を済ませたうえで結論が出ておらず、もし行使となれば阪神、DeNAに加え、ソフトバンクによる三つ巴の争奪戦が予想される。特に親会社の売上高が2兆円を超えるなど資金潤沢なソフトバンクは脅威であり、他に目ぼしいFA戦士も見当たらないことから、なりふり構わぬ札束攻勢で又吉獲得にガチってきそうな雰囲気がムンムンと漂っている。
独立リーグ地位向上を狙っての行使か
ぶっちゃけ行使はほぼ確実。となれば移籍はもはや待ったなしかと言えば、決して希望も無いわけではない。中日ファンが心の拠り所ににしているのが、7月に権利を取得した際の又吉自身の発言である。
独立リーグ出身者でFA権を取得した選手は又吉で2人目。行使となれば初となる。そこで独立リーグの地位向上を図る目的で、移籍意志の有無を問わずとりあえず行使するのでは? との見方が大勢を占めているのだ。中日とってはいい話ではあるが、同じ見解を示している大手メディアも確認できることから、あながち希望的観測とも言い切れないのではなかろうか。
先ごろ年収1億円を突破したというコスプレイヤーで中日ファンのえなこも、同業者の地位向上のために敢えて大々的に収入を明かしたと公言している。このように、苦しい境遇にあえぐ後進のために先駆者が道を切り開くという手法はどこの業界でも珍しいものではない。言うなれば、プロ野球界で初の1億円プレイヤー、初の年俸調停、初のFA行使とことごとく金銭にまつわる「初モノ」を搔っ攫った落合博満こそ、まさしくその代表例として挙げられるだろう。
ヤッパシCランク⁉︎
※球団内の旧年俸が日本人選手上位3位までならAランク、4位から10位まではBランク、11位以下の選手はCランクに該当する
実は又吉に関してはこれまでCランクとする説がもっぱらだったが、10月31日付の中日スポーツが、記事の中でしれっと「Bランク」であることを明かしたため状況が一変。もしこれが本当ならば、中田賢一、高橋聡文をみすみすCランクで放出した反省をきちんと生かせているという意味で、球団の危機管理は数年前に比べて格段に向上していると言えるだろう。
中スポ、日刊、さらにここにきて西日本スポーツも「Bランクである」との見方を表明したため信憑性は限りなく高そうだが、一方でスポニチのみがCランクを主張しており、未だにはっきりとした事は分かっていない。
もし「蓋を開けてみたらCでした」なんて事になれば中日ファンからの球団へのバッシングは避けられそうにないため、このまま平穏無事にオフを過ごすためにもどうかBランクであること、なによりも又吉が残留を決意してくれることを祈るほかない。
(木俣はようやっとる)