ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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苦悩は続くよどこまでも

○4x-3 広島(23回戦)

 何度も何度も「1x」をスコアボードに表示させるチャンスがありながらも130試合目での今季初のサヨナラ勝ちは、高橋周平が選んだ押し出しフォアボールだった。そこに至るまでの9回の選手起用、特に京田陽太に対して代走の高松渡を起用し、代打に岡林勇希を起用した場面は見ていて鳥肌が立ったほどだ。

 あと1イニングでも早くこの1点が入っていれば、柳裕也のリーグ最多タイに並ぶ11勝目が転がり込んできたのだが、こればかりは何を言っても仕方がない。その柳もピンチを何度も背負った苦しいピッチングだった。

 最優秀防御率、最多奪三振はほぼ決まりのような状況で、何とか最多勝も獲得させたいという首脳陣の思いと、勝利のために柳を変えられないという苦悩も少し感じる8イニングだった。

 残る登板はあと2回か、3回か。同じ最多勝を争う投手たちの結果も注視しながら、行方を見守りたい。

今日は66連勤の55連勤目

 中日の一軍選手が最後に「終日試合も移動もない完全休養日」がいつだったか、ご存知だろうか。二軍を経験した選手や先発投手はこの限りではないが、中断明け前の8月11日まで遡る。この翌日から東京へと移動から始まり、終日オフを過ごせる日は2週間後の10月18日まで待たなければならないのだ。
 詳細は下記のようになっている。

(幾つかの日で試合後に帰名している日があるとご指摘がありました。訂正してお詫びします)

 

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 そして、選手だけでなく首脳陣や球団スタッフも連日の移動と試合をこなしていく訳だ。ナイトゲームを終えて翌朝早くに家やホテルを出て新幹線に乗り込み、そのまま球場に入ることもあるだろう。ただでさえ体調管理には繊細にならなければいけない今の世の中で、これだけの移動と試合を続けるチームのことを思うと、勝ち負け以上に無事に143試合を乗り越えることがどれだけ難しいことなのかを考えさせられる。

 とはいえ私はこの日程を組んだことに非常に憤りを感じている。いくらオリンピックがある変速日程とはいえ、全く休みなく過ごせる日が2ヶ月以上もないというのは問題だと思う。ちなみにこれだけ過酷な日程をこなしているのは、12球団でも中日だけだ。

残り試合、若手は使えるか?

 日曜日の試合後のインタビューで、与田監督が珍しくヒートアップしたらしい。次期監督候補の話題が上がったその日に、「翌年のことを考えて若手起用にシフトしないのか」という質問に対してだそうだ。監督からしたら来年の監督候補の話題を出したメディアからの記者の質問ではさすがに気分も良くないだろう。

「我々がやっていることを見ていただければ、いろんな答えがある。(若手以外の)他の選手を考えなくていいわけじゃない。我々が戦っていること」

 と、記事には書かれていたが、一体何があるのかを紐解いてみた。

 一軍は試合が続くが、全日程を終えた二軍はこれから宮崎で行われるフェニックス・リーグが始まる。現在「一軍選手」「30歳以上」「外国人選手」を除いた選手をリストアップすると以下のようになる。

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 現状で野手は11人。この中には二軍戦で復帰できなかった石川昂弥と滝野要も含まれており、編成も一苦労しそうな感じだ。

 今、中日には高松、岡林、伊藤康祐といった若手が一軍帯同をしているが、フェニックスを回すためにもしかしたら誰かが週末の横浜遠征の日に登録抹消をされても不思議ではない。

 ちなみに昨年は一軍の試合終了をもって根尾昂や石垣雅海らが宮崎へと向かった。その間を繋いでいたのは藤井淳志、大野奨太といったベテランだった。若手が帯同を続けるならば、オーバー30の遠藤一星、井領雅貴といったメンバーが宮崎に行くことになるかもしれない。

 ならば、と一部の人は思うかもしれない。今日の対戦相手の広島だって小園海斗、林晃汰、坂倉将吾といった若手が多く一軍に帯同しているではないか、と。

 同じ条件で広島の選手をリストアップした結果が以下になる。

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 各ポジションに収まるような選手構成になっているが、同じように野手は11人。広島の一軍帯同選手も宮崎行きのメンバーは恐らく出てくるだろう。

 このように、今年はどのチームもフェニックス・リーグとの両立があるために若手の積極的起用というものはできないように思える。どういったメンバーが宮崎へと向かうかはまだ発表がないが、消化試合だからといって続々と若手を使うことに関しては今年は難しいのではないか。

 試合以外の部分でも監督ほか首脳陣の苦悩はたくさんありそうだ。

(yuya)

 

監督インタビュー引用:「日刊スポーツ」