ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

A Day in Our Life

○5-2巨人(23回戦)

 巨人との9月最後の本拠地シリーズGame 1は接戦を制した。先発・柳裕也が投げては8回1失点10奪三振の快投、打ってはチーム31イニングぶりの得点をもたらす犠飛を放った。そして1-1で同点の8回には、福留孝介、木下拓哉の2ラン2発で突き放した。

9月28日のD×G戦

 9月28日、本拠地での巨人戦。これにピンとくるのはオールドファンが多いだろう。この日のD×G戦は不思議なことに名場面、印象的な試合がナゴヤ球場時代から度々あった。

 まずは1982年。9回4点ビハインドから怪物・江川卓に襲いかかり同点、続く10回に大島康徳がサヨナラ打を放った大逆転劇。この白星で優勝への “逆マジック” 12が点灯したのも珍しい、今も語り継がれる伝説だ。

 1994年、台風が接近する中で行われたゲームは、立浪和義のソロで奪った1点を守り切る “スミ1勝利”。翌29日の試合が中止になったことで、あの「10.8決戦」が生まれた。そういう意味でも、とても意義深い試合だった。

 2008年はチェン・ウェインと上原浩治の息詰まる投げ合いで、7回まで両軍無得点。8回に均衡を破ったのは、この年わずか4本塁打の荒木雅博だった。フォークをすくい上げた打球は、ナゴヤドームのレフトポール際へふわりと着弾。一瞬時が止まったかのような決勝ソロだった。

 この日にドラゴンズ主催の巨人戦が組まれるのは、2009年以来。現状は残念ながら優勝争いのピリピリムードとは程遠いものの、何かしらインパクトのある試合を見られたらと思っていた。

福留孝介、技術の粋

 今夜の試合は、福留孝介の「技術の粋が集まる」様を見せてもらった。

 8回1死一塁。一塁走者は通算250盗塁にリーチの大島洋平。1ボールからの2球目、大島が走る。中川皓太のスライダーが肩口から入ってくる。福留は直球狙いだったのか溜めをつくって、前脚で間を合わせにいく。

 次の瞬間、バット一閃。打球はライトポール際へ。少し高く上がりすぎたか? と思うような角度だった。いわば2008年の荒木の打球を正反対にしたような当たりが伸びていく。ライトの松原聖弥がフェンスに達するも、ボールはフィールド内に落ちてこない。そのままドラファンの待つスタンドに着弾する。第4号勝ち越し2ランだ。

 力ではなく、技で持っていったホームラン。今季でいうと2号アーチもそうだった。DeNA・平田真吾のスライダーに崩されながらも右中間へ運んだものだ。バンテリンドーム ナゴヤでこういう本塁打を打てる選手が他にいるだろうか。背番号9の前では、44歳なんて年齢は記号でしかない。

 福留のおかげでまた、印象に残る9月28日のD×G戦が増えた。今日の試合だけでなく、歴史とともにドラゴンズを味わうのも良いことだ。(ikki)