ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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誕生日は笑って過ごそう

△3-3阪神(20回戦)

 1死満塁、サヨナラの場面で木下拓哉がダブルプレーで引き分けと、何ヶ月か前にも同じような展開でガックリしながらブログを書いたなあ……と振り返りつつ筆を執っている訳だが、前回と大きく違うのは追いつかれての引き分けではないことだ。しかも相手は抑えのスアレスから安打を集めて奪っただけに、速い球を苦手とする中日打者陣の意地を見せてもらったようにも思える。

 試合消化も120試合に到達し、昨年の貯金5に並ぶには残り23試合で20勝を必要とするが、一つでも多く勝ち星を積み重ねてシーズンを終えてほしい。

2番高松起用に見える采配の裏側

 相手先発はルーキー伊藤将司。左打者を苦手とする青柳晃洋に対してはともかく、特に左打者に弱い訳ではない伊藤に対しても今日は2番に高松渡を起用し、上位打線に左を3人並べる結果となった(伊藤の被打率は右打者.268、左打者.223)。
 左投手に強い三ツ俣大樹(右投手.225、左投手.296)を使ってもおかしくない所ではあったが、前の試合からの流れをそのまま持ち込んだということだろうか。

 スタメンで高松を使う最大のメリットは、昨日の先制の場面のように一塁からホームに一気生還できる脚力にある。そしてもうひとつ、高松の打席は中盤以降に代打を出せるポイントになる点も無視できない。1番の京田陽太が好調で、後ろが大島洋平、ビシエドと得点の核になる選手が続くため、「ここぞ」という代打(福留孝介、A.マルティネスなど)を送ることが可能になる。

 これが三ツ俣だと「得点圏打率も悪くないし、そのまま立たせようか」となって代打を送れないということにもなりかねない。また、交代後の守備の兼ね合いもあるため、おいそれと代えることが難しいと個人的には思ってしまう。

バースデー直倫

 さて試合は6回の裏、先発で粘投した笠原祥太郎に代わった伊藤康祐がライト線を破る二塁打でチャンスメイクすると、京田が1球で送りバントを決めた。前の守備でも高橋周平が横っ飛びでダブルプレーを奪うなど、1点ビハインドでも流れは確実に中日に傾いていた中で、攻撃陣がしっかりと各々の仕事を果たした。そして高松の打席のところで堂上直倫が打席に入った。

 「尾張のプリンス」と呼ばれた堂上直倫も今日が33歳の誕生日。しっかりとライトに大飛球を打ち上げ、同点の犠牲フライを演出した。まずはビハインドを同点にするという、今年のチームの戦い方の理想通りの展開を作り上げた。

 そして2点ビハインドの9回、第2打席目ではスアレスの151キロを捉えてチャンスメイク。代走の加藤翔平が送られて堂上はベンチへと下がった。途中出場ながらしっかりとチームに貢献し、安堵の表情……とは裏腹に、顔はこわばったままだった。

 何がどうなったかなどはもはや語るまいが、2点ビハインドの状況は何せ堂上のエラーから始まった。よもや許されない状況で犯してしまったミス。これが22歳の高松なら「これが若手を使うということだ」と、その状況を割り切って飲み込むものもあるが、 “守備の人” として定着した堂上の痛恨のエラーとなってしまうと、見る側としてもどういう表情をしたら良いのか困ってしまう。だが、9月3日からスタメン、代打、守備固めと様々な起用法で連続試合出場が続く最中だ。疲れも出てきていることだろう。

 ともかく堂上直倫、33歳の誕生日おめでとう! 悔しさは残るかもしれないが、今日は家族と誕生日をお祝いして、また明日から堅実な守備でチームを盛り立ててほしい。

(yuya)