ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

最終回

●2-3阪神(18回戦)

 首位・阪神を迎えての本拠地シリーズGame 1は、接戦をモノにできず競り負けた。先発・柳裕也は6回までに2点を失うも、同期入団の京田陽太が黒星を消す同点打。このまま引き分け、もしくは今季初のサヨナラ勝ちの可能性もチラついた9回表、守護神ライデル・マルティネスが勝ち越しを許した。

1週間前と全く違うチームに

 5連勝の後の5連敗。まるで8連勝から8連敗を喫した2年前の夏のよう。精神を保つのが大変だ。

 野球も遊園地も「ジェットコースター」が苦手である。一度浮いたなら浮いたままが良いに決まっているし、落ちるにしても少しずつ落ちてほしい。急上昇・急落下して寿命が縮み上がるぐらいなら、連勝・連敗の凹凸は正直少ないほうが良くて、一つひとつ積み重ねていくほうが好みだ。

 5連勝目を決めた14日の広島戦、そして昨日のDeNA戦を現地で見届けた。1週間のうちに全く違うチームに変わったようで、良くも悪くもチームは生き物なのだと、改めて実感した。1週間前は面白いように点が入っていたはずなのに、昨日は面白いように点を取られ、ゲッツーを重ねていた。

 潮目が変わったのは、連勝が止まった15日の試合だろう。前日全く当たってなかった広島の3番・正隨優弥にどん詰まりの適時打が出て、次の打席で完璧な逆転3ランを被弾。あの瞬間、何かが崩れる音がしたのは筆者だけか。

予想以上だった阪神ナインの執念

 今夜の試合に話を移す。

 2-2で9回に持ち込んだのは、連敗中のドラゴンズとしては上出来。これまで柳が援護なく敗れる姿をよく見てきただけに、京田の同点打には快哉を叫んだ。

 ただ、ライデルが誤算だった。そして阪神ナインの執念が予想以上だった。

 先頭の島田海吏が、ボール先行になったライデルの立ち上がりを逃さず、内野安打で出塁。続くジェリー・サンズの2球目で盗塁成功。このときサンズは盗塁を助けるような空振りを見せる。さらに、サンズはフルカウントまで持ち込み、8球目の内角ツーシームを半ば無理やり右方向へ転がし一塁ゴロ。1死三塁と、ライデルを追い込んでいく。

 仕上げは木浪聖也の犠飛。直前に交替した武田健吾のもとへ打球を飛ばし、阪神に勝ち越し点が入った。内野安打1本で大きな1点をもぎ取ったのだ。

優勝をモチベーションにするチームは強い

 一連の流れを見て、やはり優勝をモチベーションにしているチームは強いと感じた。特にサンズの献身性には目を見張った。盗塁を助けるような空振りに加え、意図的な進塁打とは……。助っ人外国人ならガツンと打ってほしいところだが、おそらく自分にできるベストを尽くした結果なのだろう。

 他方、ライデルにとっては辛い結果となってしまった。中7日空いた登板間隔、非セーブシチュエーションと、難しいマウンドだったとは思う。また、今日に始まったことではないが、自慢の速球も9月に入ってからは陰りが見える。どこか致命的なケガをしていなければいいのだが。

 本日終了時点でドラゴンズの残り試合は25。CS圏内とは10.5ゲーム差。「終わり」だなんて言わないでほしいけれど、シーズン終戦はすぐそこまで来ている。(ikki)