ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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グッドバイ

●7-8広島(18回戦)

 広島とのビジターシリーズGame 1は9回4点リードをひっくり返され、逆転サヨナラ負け。打線は16安打を重ねて7得点を挙げるも、守護神ライデル・マルティネスが崩れた。

9連戦の最初からタフ過ぎる結末

 坂倉将吾が振り抜いた打球はそのままライトスタンドへ消えた。逆転サヨナラ3ランだ。ほぼ手中に収めていたはずの勝利はカープへと渡っていた。

 マツダスタジアムは興奮の坩堝。真っ赤に染まったカープナインが歓喜の輪を作る。傍らで三塁側ベンチに戻る選手たちを、目を充血させながら迎える与田剛監督。コントラストが強すぎて、見ていられなかった。

 木下雄介さんの追悼試合を経て、本日から始まった9連戦。いきなりタフ過ぎる結末を迎え、もはや乾いた笑いしか出てこない。

小笠原と森下の「同世代対決」

 戦前は小笠原慎之介と森下暢仁の「同世代対決」に注目が集まった。ともに1997年生まれ。森下が先に24歳となり、小笠原は来月同い年に追いつく。

 甲子園優勝投手の実績を引っ提げ高卒でプロ入りした小笠原に対し、大学進学を決断して文句なしのドラフト1位を勝ち取った森下。通算勝利数、イニング数はともに実働年数の多い小笠原(22勝459.1イニング。データは9月6日現在、以下同)が上回るものの、森下も16勝232イニングと2年弱であっという間に数字を重ね、この世代の中では小笠原の次につけている。いわば、今日の試合は現状の「NPB世代最強投手決定戦」である。

 絶好調の鈴木誠也に一度ならず二度も初球ホームランをカチこまれる小笠原、その小笠原に勝ち越し打を許す森下と、互いにツッコミどころのある内容となってしまったが、初めてのマッチアップはこれぐらいが良いのかもしれない。これからも長く続くであろう2人の投げ合いに期待だ。

「雑なタッチアップ」が勝負を分けた

 単打ばかりの16安打。実にドラゴンズらしい攻撃で7得点を挙げた今夜の試合。欲を言えば長打で一気に決めたかったが、それは望み過ぎだろう。

 その中で、一つだけ攻撃面で不満があった。打つ方というよりは走塁についてだ。

 4点リードで迎えた9回表、1死満塁の好機をつくったドラゴンズ。加藤翔平の打球はレフトへの浅いフライ。西川龍馬が前方へダッシュして捕球した刹那、三塁走者の福田永将がタッチアップを試みた。

 ただ、本塁を狙うにはあまりにも打球が浅すぎた。福田の数メートル手前で會澤翼が返球を手に待ち構えており、楽々タッチアウト。とどめの1点を取りに行く好機は “凡ミス” で潰えてしまった。

 走塁ミスをしたのがルーキーの土田龍空ならともかく、15年間プロの世界にいる福田である。お世辞にも走塁がうまいタイプではないが、さすがに判断が雑すぎた。ベースコーチもなんとか本塁突入を止められなかったのか。次打者の京田陽太はそれまでに安打を放ち、押し出し四球も選んでいただけに、仮に三塁に留まっていても得点の芽は萎んでいなかったと思う。勢いが削がれるような、悔やまれるプレーだった。

 結果的に両軍合わせて30安打15得点の乱戦になったとはいえ、勝負を分けたのは「1点」の取り方。ベテランと呼ばれる年齢の選手がやらかしていては、勝てるものも勝てない。(ikki)