ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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スーパースターになったら

△1-1巨人(19回戦)

 巨人との本拠地シリーズGame 2はドローに終わった。シーズン14個目の引き分けはリーグ最多である。投手陣は4人の継投で失点は1点のみ。打線は2回にダヤン・ビシエドの一発で先制するも、相手投手陣にわずか2安打に抑えられ、追加点を奪えなかった。

グランパスくん、名GK楢崎正剛が来場

 今日はバンテリンドーム ナゴヤに珍しい来客があった。同じ名古屋市を本拠地とするJリーグ・名古屋グランパスのマスコット「グランパスくん」と、長らくグランパスのゴールマウスを守ったレジェンド・楢崎正剛さんだ。

 現在のグランパスといえば、「ウノゼロ(イタリア語で1-0の意味)」が代名詞。直近4試合連続で無失点ゲームを続ける堅守のチームだ。ドラゴンズもグランパスにあやかって、守りからうまく攻撃に転じる展開を見せてくれるといいのだが……。

柳と岡本のマッチアップに注目

 先発は背番号17・柳裕也。前回登板は147球の熱投で完封勝利。ローテーション組み替えの影響で、中7日でのマウンドだ。

 注目は相手の4番・岡本和真とのマッチアップ。五輪明け後の12試合で5発を記録し、昨夜も大野雄大から本塁打を放っている。全体的に低調な巨人打線だが、注意を払いたい。

 エースと4番。まさにチームの軸同士の対決は見応えがありそうだ。

盟友に救われた第1ラウンド

 第1打席はいきなりピンチで訪れた。先頭の丸佳浩を歩かせ、3番・吉川尚輝にレフト線へ運ばれての1死一、二塁。球数も打者3人で16球は多い。

 ここで柳と木下拓哉のバッテリーは、岡本に対して2球続けて内寄り直球を配してから、カットボールで空振りを奪う。ここまでは慎重かつ大胆な配球である。

 迎えた4球目、カットボールが甘く入り、岡本のバットが一閃。打球は三遊間、誰もがレフト前ヒットを覚悟した瞬間、ショートの京田陽太が横っ飛びで捕球。すぐさま二塁に転送して、フォースアウト。一塁はセーフになり併殺は逃したが、大ファインプレーだ。柳は盟友の好守備に救われる形で、初回を無失点に抑えた。

第2ラウンドは相手に助けられる

 柳と岡本の対決、第2打席は1点リードの3回にやってきた。

 この回は1死から坂本勇人を歩かせるも、続く吉川を三振に抑え、2死一塁。本塁打で逆転なので、長打警戒の場面である。

 球数は引き続きかさんでいて、吉川を抑えた時点で計65球となっていた。イニングで均すと21~22球。普段よりも5~6球多い。追い込んでからの決め球がボールになったり、球審との呼吸が微妙に合わなかったりしたからと見ていた。

 できれば少ない球数で抑えたい――そう思っていた矢先、岡本は柳の投じた初球スライダーをあっさりと引っ掛けた。打球は再び三遊間に飛ぶが、今度はボテボテのゴロ。サードの堂上直倫が鮮やかにさばいて3回も無失点で終えた。

 1球で仕留めるのは、今日の試合ではこれが初めて。柳にとっても大きなアウトになると確信した。

岡本の好調を思い知る第3ラウンド

 その確信通り、4回5回は危なげない投球が続いた。2イニング連続で三者凡退、4つの三振を奪う抜群の内容。このままスイスイと6回も、とはいかないのが野球の不思議なところで、1死から吉川の打球をビシエドが後逸。再び「一発で逆転」の場面で岡本を迎えた。

 前回の打席は1球で終わっているし、吉川の足も気になるところ。岡本はそれを逆手に取ったか、様子をうかがう感じの初球スライダーをコンパクトに捉え、ライト前ヒット。前回とほぼ同じような軌道、高さのボールを狙いすまして打たれた格好だ。

 おそらく前回は岡本の頭に一発長打があり、今回はそれがなかったのかなと推察する。でないと、初球から手を出してこないし、狙いすましたような打撃はできない。さすがに好調を維持しているだけある。

「ウノゼロ」で勝つしかなかった

 柳は後続に適時打を浴びて、同点とされた。6回を終えて124球を投じており、裏の打席で代打を出されて交替。試合は1-1のまま引き分けに終わった。

 結果として、今日は「ウノゼロ」で勝つしかなかったのだろう。貧打にあえぐドラゴンズ打線とはいえ、今日の戸郷翔征とチアゴ・ビエイラは他球団でもそうそう打てないボールを投げていた。それだけに柳の喫した1失点が悔やまれる。

 来週以降もタフなマウンドが続くだろうが、なんとかチームを勝利に導いてもらいたい。紛れもなくいまの柳は、大野雄大と並ぶ「二枚看板」なのだから。(ikki)