ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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 △3-3ヤクルト(16回戦)

 静岡でのヤクルト戦Game 2はドロー。ドラゴンズの3得点は相手失策と暴投によるもので、適時打なしのイニングは27に伸びた。投手は先発・松葉貴大が5回までに3失点を喫したものの、リリーフ陣が無失点で継投。引き分けとしたが、勝てなかった事実は残る。

キノタクの打順はそこで良かったのか

「キャッチャーのアリエル・マルティネスに代わりまして、木下……5番キャッチャー木下、背番号35」

 8回裏に入る前、現地でこのアナウンスを聞いた筆者は首を傾げざるを得なかった。

 9回表の攻撃は8番の溝脇隼人から。9番は投手のスポット。試合終盤、ビハインドを背負って攻撃するのは決まっている中、一発長打のある木下拓哉には、最低でも同点にして2死満塁にならないと回らない。ベンチには福田永将が残っていたとはいえ、その打順の組み方はどうなのか。

高松投入、今夜はベター

 8回を又吉克樹が抑え、1点差で迎えた9回の攻撃。溝脇は二塁への内野安打で出塁した。同点のランナーだ。切り札・高松渡が颯爽と一塁ベースに登場した。

 五輪明け後の試合を観ていて、高松を切るタイミングが一手早いように感じていた。昨夜も8回にアリエルが代打に立った際に切るも、結果的に9回先頭の福留孝介が出塁して「最も切るべきタイミング」で他の選手を送るしかなかった。9回打ち切り、ビハインドの多い展開が投入を焦らせるのだろうか。

 ただ、今夜の試合に関しては、ここしかないタイミングでの投入だったので、ベターだと思う。次カード以降の投入タイミングにも注目したい。

拭えなかった「もったいない」気持ち

 前提として、ドラゴンズは「勝たないと明日はない」状況に追い込まれている。残り35試合ちょっとで、Aクラス圏内とは10ゲーム差以上。引き分けに持ち込んでも、誤解を恐れずに言えば「ただ試合を消化した」に過ぎない。であるならば、高松の本塁生還を皮切りに逆転まで持っていくのが戦う姿勢なのではないか。

 なのに、代打・渡辺勝には初球からバントの構えをさせて、そのまま送りバント。成功したので場内は拍手が沸いたが、正直「もったいない」と感じてしまった。切り札を投入して1アウトを差し出す代わりに、進塁は一つだけ。木下拓の打順を見てこうなることは察していたが、果たしてこれで良かったのだろうか……。

 送りバントが決まった後、京田陽太のセカンドゴロで高松は三塁へ。ヤクルト陣営による謎の投手コーチ派遣、直後の暴投でなんとか同点としたが、加藤翔平は三振に倒れ攻撃終了。勝ちのない状況で9回裏に進んだ。

 リスク覚悟で他の作戦を遂行できなかったか、途中出場選手の入れ方はこれで良かったのか。今夜はその改善の余地が残る試合を見届けた。(ikki)