ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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金曜日の大仕事

○6-0 阪神(12回戦)

 約2ヶ月ぶりの対戦となった首位・阪神との3連戦。先発の柳裕也が強力打線相手にゼロを9つ並べ、見事な完封勝ちを収めた。序盤からボール先行のシーンが多く、結果として147球の力投となったが、ゆったりとした2段モーションとクイックモーションを絶妙に使い分け、阪神打線にバッティングをさせることがなかった。

 思い描いていた状態とは違っていても、その中で何ができるのかを考え、工夫して最高のアウトプットを出せたことにローテーションの軸として投げる投手の凄みを感じることができた。

心のイケメン、仕事っぷりも超イケメン

 今日の完封がどれだけチームを助けたかということを語りたい。火曜日から今日までの4日間は毎日17時45分のプレイボールだったが、明日土曜日の試合はデーゲームとなり、14時試合開始となる。つまり、全てのタイムスケジュールが4時間ほど早くなる。

 もし金曜日、土曜日と同じ投手が連投するケースがあった場合、それは火曜日~金曜日の間の連投に比べ登板間隔は必然的に4時間程度短くなる訳だ。今シーズンの中日を支えているのは間違いなく投手。その中でもブルペン陣の貢献度は非常に大きく、連投に慣れている投手も多いのは心強いが、それでも “いつもより4時間早い” というスケジュールは負担が大きくなるはずだ。

 さらに言うと、今週は本拠地・バンテリンドームでの6連戦だったが、日程によっては金曜日は移動してそのまま試合に臨む場合もある。木曜日に登板→金曜日に移動して連投→土曜日にいつもより短い間隔で3連投というような、同一カード3連戦3連投よりも負担のかかり具合が大きいケースも発生することもある。

 

  ご自身の生活で考えてみてほしい ーー月曜日から木曜日までの4日間とは違い、金曜日だけ会社への出勤が、学校への登校がいつもより4時間早く始まる日が毎週やってくるとするとーー どれだけ負担になるかは想像に難くない。ましてやそんな木曜日の午前中に別の場所で仕事や授業を受け、しかも帰りが遅くなったりした日には……時計を見るだけで嫌になってしまいそうだ。

 

 その “とてもつらい” であろう金曜日に9つのゼロを一人でスコアボードに刻み、ブルペン陣の、なかなか表に出てこない負担を肩代わりした柳の147球は、1つの勝利以上の価値をチームにもたらしたといっても過言ではないだろう。

 「8回のマウンドから戻ってきたときに、絶対に変えてくれるなという表情をしていた。一人で投げきるという思いが素晴らしかった」 と、与田監督が試合後のインタビューで語ったように、首脳陣からしても今日の試合を一人で乗り切るんだという柳のチームへの姿勢、貢献度は計り知れない。

 今年は開幕から好調でオールスターにも出場したが、そのオールスター前2試合は中5日での登板。そこからわずか中2日で夢の舞台での先発を経験というハイペースでの登板が続いていた。そして中断期間が開けた後半戦の開幕戦でも先発。柳は中断期間前最後の試合も先発していたため、1ヶ月のブランクはあるものの数字上は2試合連続の先発投手を努めたことになる。どうか数字上の評価以外にも、こうした面での貢献もフロントには評価してもらいたいものだ。

 

  来週は木曜日が移動日となり、5人でローテーションを回す週になる。今年の運用通りだとすると火曜日の福谷浩司、水曜日の松葉貴大はそのまま登板となり、木曜日の大野雄大が金曜日にスライドすることになる。柳も金曜日から土曜日の登板となるため、次回登板は中7日での先発になるのではと予想する。

 完投能力のある大野雄大、そして柳が連続して並ぶことで、この後に控える大連戦の投手運用が少しでも楽になることを願ってやまない。

(yuya)