ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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君しか勝たん

●3-8広島(13回戦)

 広島との敵地シリーズ2連敗。今夜のGame 2は、中5日の先発・福谷浩司が試合を作れず降板。後を継いだリリーフ陣も相手打線の勢いを止められず、15安打8失点を喫した。打線は阿部寿樹と堂上直倫の本塁打のみ。3試合続けて適時打が出ないまま終わった。前半戦ラストゲームとなる明日は勝って、1カ月間のブレイクに入りたい。

4年と2カ月の間、遊撃に鎮座

 忘れもしない5月28日。京田陽太が初めて一軍登録を外れた。京田のいないチームが想像できない。それぐらい彼の存在が “日常” と化していた。

 ルーキーイヤーの2017年以来、4年と2カ月の間、ドラゴンズの遊撃手には京田が鎮座していた。森繁和監督初年度、アレックス・ゲレーロが本塁打王を獲る年からずっとである。

 驚異的な守備範囲と頑丈な身体を持つショートストップは、12球団を見渡してもそうそういるものではない。ましてや自軍となれば尚更。堂上直倫や三ツ俣大樹の奮闘があったり、根尾昂や土田龍空の抜擢だって無くはないとされたりする中、最後は京田が収まらないとダメなのではないかとずっと考えていた。

 打撃面に課題があるのは周知の事実。とはいえ、不在だった1カ月間、中継や現地で観て感じたのは「京田なら届いた」打球が何度もあったし、「京田なら投手に声をかけていた」場面が散見されたことだ。これがずっと出続けることの尊さなのかもしれない。

周りが「変わった」と思うこと

 降格から約1カ月後の6月29日、京田は一軍に戻ってきた。ファームでは3割近い打率を残し、若手選手と明るい表情で汗を流してきた。このあたりは当ブログ内『どしゃ降りの夜に』でも紹介されている。

「打撃、守備、走塁、もう2ランク、レベルアップを目標に意識してやってきた。変わった京田を見せられるように」と、再合流に際してコメントした背番号1。確かに、チームの屋台骨を支える選手がケガでもないのに二軍でやるには、それぐらいの理由とモチベーションがないともたない。

 また、「変わる」ことは自分が感じると同時に、周りが「変わった」と思うことも大事だ。その点は仁村二軍監督が「少しずつ試合への対応、考え方が良くなった」と、劇的ではなくとも変化を認めている。完璧ではないにしろ、改善の傾向に入っているようだ。

1番起用が板についてきた

 一軍復帰後、最初の1週間はベンチスタートが多かった京田だが、7月6日の巨人戦以降はスタメン出場を続けている。この日から3試合連続マルチ安打を記録し、チームの9カードぶり勝ち越しに貢献。8日のGame 3では両軍唯一の得点となるタイムリーを放ち、同期入団の戦友・柳裕也の7勝目に華を添えた。

 昨日の広島戦でもいきなり右中間突破の三塁打を放つなど、1番起用も板についてきたようだ。なお、今夜はノーヒットに終わるも、攻守ともにハツラツとした姿が見受けられた。一時期のどんよりとした重さは消えたと言って良い。

 大島洋平が打つのが基本線とはいえ、いまの状態を維持できれば、オリンピック期間中のエキシビションマッチでも1番・京田を試すのはありだ。

何かと「1」に縁のある選手

 そういえば、ルーキーイヤーは1番を打つ機会が多かったし、昨夏に突如出現した球団企画「ONEBLUE」も京田がいの一番に起用された。かつて「1」をつけた福留孝介が京田を気にかけているのも、メディアを通して伝わってくる。こじつけではあるが、背番号も然り、何かと「1」に縁のある選手なのだろう。

 願わくは、ペナントレースを1位で終えて、ビールかけの音頭をとる京田の姿を見てみたい。その時、周りから劇的に「京田は変わった」と思われるような気がしている。(ikki)

 

※選手・監督コメント引用・参考:「中日スポーツ」「スポーツ報知」「スポーツニッポン」「Full-Count」「ベースボールキング」