ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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何とかインチキできんのか

○1-0巨人(14回戦)

 中5日の柳裕也がここ数試合の不調を吹き飛ばす完璧なピッチングを披露し、10試合ぶりに先発投手に勝ち星がついて9カードぶりの勝ち越し。まずは9連戦の最初のカードを勝ち越せたことにホッとしているところだ。

パーフェクト・クローザーの帰還

 かつて中日には岩瀬仁紀というパーフェクト・クローザーが君臨していた。NPB記録の1002登板に407セーブは現代野球に作られたアンタッチャブルレコードだ。得意球としていたスライダーの軌道は 「死神の鎌」 と畏怖され、全盛期の頃は1-0の展開でも9回のマウンドに岩瀬が立てばもうその日の試合を勝った気持ちでいたものだ。

 そして今もまた、同じような気持ちで野球を観られることに幾分の幸福を感じるのは、今のクローザー、ライデル・マルティネスが居てこそに他ならない。

 

 火曜日に続いて1点差でマウンドに上がった背番号97は、梶谷隆幸、坂本勇人、丸佳浩の3人にまったくバッティングをさせずに3奪三振。これで2試合連続の3者連続三振で勝利を手中に収めている。
 今シーズンの失点は4月の神宮で逆転負けを喫した2失点のみ。リリーバーとして活路を見出した2019年以降は制球も安定し、193センチの長身から投げ下ろすストレートが打者の膝下にズバズバ決まるようになってきた。特に今年は低めだけでなく、ホームベースのラインに沿って内・外に投げ込める制球力もついてきた。梶谷、坂本から奪った2つの見逃し三振はしっかりとコントロールされたストレートだった。

 これがまだ150キロ前後であれば主軸も何とかファールにするなりして逃げられるのだろうがそれぞれ157キロ、156キロというものだからどうのしようもない。同じようなスピードで投げ込まれるナックルカーブ、チェンジアップ、スプリットを見極めながら160キロに迫るストレートに対応するのは至難の業だろう。

つくづくオリンピック予選が惜しい

 開幕前、そしてシーズンに入ってから2度の離脱と、それに伴う隔離期間と調整期間は、分かっていたとはいえ大きな痛手だったことを再認識できた。

 そして一軍合流後のピッチングを見るとやはりR.マルティネスの存在が大きいことも再認識できた。

 何せこれだけの圧倒的な数字を残している選手がオリンピック予選の都合で、ここまでシーズンの半分以上チームの戦力として稼働できていないというのは、いくらブルペン陣が好調とはいえ、やはり苦しいものがあったに違いない。

 そしてこの9連戦が終わると、ペナントは1ヶ月の中断期間に入る。練習試合が組まれているが、勝敗や個人成績には一切繋がらず、一方で故障やアクシデントなどのリスクはつきまとう。母国キューバのオリンピック本戦出場もない中で、公式記録に載らない試合のどこにモチベーションを持っていくべきか難しそうだ。

 そして中断期間が明けると65日間で55試合を消化しなければいけない過酷な戦いが待ち受けている。昨年同様、終盤にブーストがかかれば2年連続の貯金生活、クライマックス進出も十分可能な試合数が残っているが、それはつまり勝ちパターンの投手陣の登板機会が増えることも意味している。昨年終盤に離脱した二の舞にならないことを祈るばかりだ。

何とかインチキできんのか

 タイトルは北海道の大人気ローカル番組 「水曜どうでしょう」 の番組企画を大泉洋がお父さんに伝えたときに言われたという迷言だが、R.マルティネスがマウンドに立ったときに相手球団のファンも心の中で呟いていることだろう。

 あと連日連夜貧打にあえぐ中日打線よ、あんたら何とかインチキできんのか。

(yuya)