ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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なんでこうなるの

△1-1巨人(9回戦)

 福田永将の放った平凡なフライを重信慎之介が捕球し、ゲームセット。これでチームは7個目の引き分けだ。個人的な話になってしまい恐縮だが、私が引き分けの試合を執筆するのがこれで3試合目。しかも全て大野雄大が先発の試合だ。

 

 5月4日に勝ち投手になった後、 「上肢のコンディション不良」 を理由に登録を抹消されて以来、17日ぶりの先発となった大野。立ち上がりから三者連続三振を奪うなど、出だしは好調。今日は6個の三振を奪い、史上152人目の通算1000奪三振を達成した。

 しかし、5回に廣岡大志に打たれた一発が試合を大きく動かすことになってしまい、復帰戦を白星で飾ることはできなかった。

 

 ……というように、大野の話題で試合を振り返るのは簡単だが、引き分けに終わったことで今日書こうとしていた話はまた次回登板以降に取っておこうと思う。

 

斜め上を行く原采配

 今日は、最終回の攻撃にフォーカスをしたいと思う。ライデル・マルティネスがいつものように圧巻のピッチングで巨人打線を退けた後、巨人ベンチからはルビー・デラロサがマウンドに上がった。

 今年4月中旬、アメリカの市民権取得のために一時帰国を余儀なくされた右腕はチームに再合流後、二軍の実戦で投げることなく一軍に招集された。ぶっつけ本番で向かう助っ人外国人に対して、先頭の阿部寿樹がセンター返しで出塁する。

 

 阿部の代走に高松渡が登場し、ネクストに控えていた福留孝介が下がると三ツ俣大樹が登場した。多くのファンが求めていた、送りバントを決めるための三ツ俣の起用。誰がどう見ても送りバントと分かる中、1球でしっかりと決めた姿は、首脳陣の目に強く焼き付いたことだろう。

 

 ーーさあ、根尾昂だ。この勢いそのままに、試合を決めてくれ。

 

 と、心を踊らせていたその瞬間、桑田真澄コーチがベンチから出てきた。

 

 まさかの投手交代、出てきた投手は大江竜聖。守護神の後ろに持ってきた変則左腕投手は前回の顔合わせで左打者5人を全く抑えられずに2失点している投手だ。1点でも失えば勝ち星も消えてしまうという状況の中で巨人ベンチは大江にリベンジの機会を与えたことになる。

 根尾の打席でもボールが先行する苦しい投球だったが、何とか浅いフライに抑えツーアウト。ベンチ前では次打者の大島洋平に、京田陽太のところで再び福留が代打の準備をしていた。

 原辰徳監督が直々にマウンドに向かうと、大島を申告敬遠で一塁に送り、福留との勝負を選んだ。だが福留の老獪な、鋭い眼差しを向けられた大江はストライクが入らずに福留も歩かせて満塁のピンチを作った。

 

 打席に福田が向かうところで再び投手交代。今日登録されたばかりの桜井俊貴と対峙することになった。

 初回こそ長打を放ったものの、5回の満塁のチャンス、7回の逆転のチャンスでいずれも三振。しかも7回に続いて9回も自分の打席で投手が代わるというイベントつきだ。 

 

 一つ、また一つと近づいているはずなのに、勝ちへの道筋はむしろ遠のいているように感じてしまった。 「三度目の正直」 と言いたいところだったが、冒頭の通りレフトフライに倒れ、 「二度あることは三度ある」 になってしまった。

 

こういう時に限って打席が回る

 私も草野球を10年以上続けているのだが、私の所属するチームの試合では3アウト目になった選手が次の攻撃時に審判をするルールがある。そして何故か2アウト・チャンスの場面で何度も打席が回ってくることがある。「アウトだ」 と思う打球がエラーを誘ったり、追い込みながらデッドボールで塁に出たりして……。そのたび私は心の中で「なんでこう〜なるの?」と往年の萩本欽一ばりにツッコミを入れるのだ。

 こういう時はチャンスで打ちたい焦りと、次のイニングに審判をしたくない焦りが合わさって、得てして良い結果にならないものだ。

 おじさんの草野球とプロ野球を同じ土俵に並べるのはどうかと思うが、打てば勝負が決まる場面で何度も打席が巡ってくる野球の不思議にしてやられた感じだ。

 

 何度も何度も同じような場面を草野球で体験しているだけに、ちょっとばかり福田に同情しながら私はゲームセットを眺めていた。明日こそはリベンジの一発をドーンとやってもらいたい。

(yuya)