ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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最後の恋煩い

●0-5ヤクルト(7回戦)

 ヤクルトとの本拠地シリーズGame 2は完封負けに終わった。先発・福谷浩司は前回と同様、イニング途中でマウンドを降りる不完全燃焼な登板。リリーフ陣も追加点を与えてしまった。打線は息を吐くように凡退を繰り返し、相手先発の小川泰弘に「マダックス(100球未満の完封)」を達成される屈辱を受けた。

 

キューバ勢の離脱は交流戦開幕直前

 ところで、「ライデル・マルティネス&ジャリエル・ロドリゲス離脱の日」が迫ってきた。球団からの公式発表はないが、複数紙の報道によると交流戦開幕前日の24日(月)に離日。今月末からの東京五輪アメリカ大陸予選にキューバ代表として参戦する。

 同胞のアリエル・マルティネスも現状ロースター入りしているものの、どうやら今回の予選には出場しない模様。台湾で行われる世界最終予選(6月16日~)に回った場合は、痛めているとされる手首の状態によって出場の可否が決まりそうだ。

 いずれにせよ、なかなか勝てない今のドラゴンズにとって、キューバ勢の離脱は「泣きっ面に蜂」状態である。その一方で、彼らを大会1週間前まで日本にいさせてくれるキューバ野球関係者の判断には感謝の意を示したい。

 

ライデルとの “出会い”

 ライデルのことを認識したのは、2017年のWBCだった。大会直前にドラゴンズと育成契約を結んだことは知っていたが、仕事が立て込んでいたこともあり、どんな投手なのかはほとんど知らなかった。

 それが日本戦にリリーフとして登場して、ガリガリの体で――とはいえ当時の公称は190センチ90キロなのだが――150キロの剛速球を投げ込む姿に衝撃を受けた。まだ20歳になってばかりなのに凄いなと。

「このマルティネスって投手、ドラゴンズに来るんだよね」と周囲の人にウキウキ状態で話したのも記憶にある。まさか4年でここまでの存在になるとは思っていなかったけれど、予想を超える成長ぶりは目を見張るものがある。

 

「難攻不落」感は12球団屈指

 今季はコロナ禍の影響で来日が2月下旬にずれ込んだ。2週間の隔離期間を経て、練習を始めたのは3月に入ってからで、「(開幕戦の)26日の試合に臨むというのはちょっとイメージしづらい」と率直な所感を吐露。前年は失敗なしの21セーブを記録したクローザーを開幕から欠くのは正直厳しかったが、急いで調整してケガをしたら元も子もない。

 一軍に合流したのは4月13日の巨人戦から。以降、「定位置」のクローザーに君臨し、神宮でサヨナラ負けを食らった以外は無失点ピッチングを展開。先日の阪神戦で連続イニング奪三振記録が「35」で止まったものの、堂々のセ・リーグ記録を樹立している。

 常時155キロ前後の速球と落差のあるスプリット、時折投げるナックルカーブはいずれも一級品で、制球力も高いクオリティを持つ。「難攻不落」感はいまや12球団を見渡しても屈指なのではないか。

 

願いは「1試合でも多くドラゴンズで」。そして…

 勝手ながら、ライデルとはちょっと縁があると思っている。

 初めてクローザーとして出てきてリードを守れなかった2018年8月のDeNA戦。球団最速の161キロを計測した昨年10月の同カード。いずれも現地で観戦していた。マウンドで映えるスラッとしたフォルムは変わることなく、でも頼りがいは段違いに変わった。

 先の神宮でセーブ失敗したときも「ライデルで負けるなら仕方ない」と多くのドラファンがつぶやいていた。岩瀬仁紀や浅尾拓也に言っていたことを今のライデルには言えるのは、とても尊いことだ。

 願いは「ドラゴンズで1試合でも多く投げてほしい」。そして、「今回の予選と五輪本番を終えて、無事に帰ってきてくれ」。

 焼肉屋でタンとハラミとコーラを携えて、待っているから。【ikki】

選手コメント引用:「スポーツ報知」
参考:スポーツ報知「2021セ・リーグ選手名鑑」