ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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Wake Me Up

△4-4阪神(7回戦)

 今季最初の甲子園シリーズGame 1は引き分け。一時は3点リードを奪うも投手陣が守りきれず、終わってみれば「何とか負けなかった」といえる展開。首位を走る阪神の強さを改めて思い知った格好だ。

 

DT戦2000試合到達、メディアの取り上げ方に違い

 今夜は二つの意味で「メモリアルな試合」だった。
 
 一つ目は中日vs.阪神戦の通算2000試合到達だ。ともに1936年の球団創設以来、日本プロ野球の老舗としてしのぎを削り、数々の名勝負・名場面を演出してきた。通算成績は1001勝953敗46分けとドラゴンズがリードしている。

 2000試合に到達するのはこのカードが初めて。今週末には巨人vs.阪神も2000試合目を迎えるが、日程の綾でこちらが先に到達したのは、ドラゴンズファンとして胸を張っていい。

 少し寂しかったのは、本件におけるメディアの扱い方だ。

 阪神ネタを多く取り上げる在阪メディアは、多くの媒体がDT戦の2000試合到達を大々的に報じていた。企画モノも多く、たとえば「スポーツニッポン」は両チームで活躍した矢野燿大監督の独占手記を載せ、名物コラム『内田雅也の追球』では没収試合となった1954年の大阪球場事件を取り上げていた。

 翻って、ドラゴンズネタを多く扱う在名メディアは、ほとんどこの件に触れることはなかった。少なくとも朝刊の前モノ記事では皆無だったのではないか。試合中になって「スポーツニッポン」が経過の一報記事で触れたが、大本営「中日スポーツ」は試合終了直後に初めてサラッと触れるにとどまった。

 ドラゴンズサイドの阪神戦の思い出、選手コメントを見てみたかったのは自分だけだろうか。散々こすり倒してきた、山﨑武司の「Xムラン」話でも良かったから……。

 

与田監督は采配300試合目に到達

 もう一つのメモリアルは、与田剛監督の通算300試合目到達だ。2019年からドラゴンズの指揮官に就任し、今夜の試合が終わった時点で142勝146敗12分け。昨季まではちょうど勝率5割で終え、いま背負っている借金4がそのまま通算成績に表れている。

 燻っていた大野雄大を大エースに育て上げたり、救援陣の整備を導いたり、中堅選手だった阿部寿樹の飛躍に一役買ったりと、モチベーター型指導者として一定の成果を出してきた。もちろん、そこには8年ぶりのAクラス入りも含まれる。

 その中でも、高橋周平のキャプテン抜擢は屈指の“ヒット”だった。就任前年に初の規定打席到達、2ケタ本塁打を記録した「未完の大器」を「一人前の選手」に引き上げたのは、与田監督の抜擢、サード固定の方針が大きいだろう。

 巧打好守の選手になったのは入団当初に思い描いていた姿とは違うが、後輩に愛あるいじりやエールを送る「キャプテンらしい」エピソードを見聞きすると感慨深い気持ちになる。

 先月のエントリーで紹介したとおり、体重増により長打と巧打を併せ持つニュースタイルで臨んだ今シーズン。開幕から100打席以上本塁打が出ていなかったが、今夜ついに1号アーチが生まれた。甲子園球場のバックスクリーンに飛ばすのは、2013年夏の逆転満塁弾を思い出さずにはいられない。その後の打席も良い内容が続いただけに(最後の見逃し三振は審判のジャッジが厳しすぎた)、明日以降も期待が持てる。

 周平キャプテンが打てば、チームは盛り上がる。ドラゴンズの本領発揮はまだまだこれからだ。【ikki】