ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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アドベンチャー

●3-4広島(7回戦)

 連休明け最初の試合となった広島とのGame 1は1点差で敗戦。アップアップな相手投手とベンチにとどめの一撃を刺すことができぬまま、残念な結果に終わった。

 

福谷は序盤が「明確な課題」

 終盤の度重なる拙攻で忘れてしまいそうだが、今日の先発は福谷浩司が務めた。

 4月29日の前回登板は立ち上がりに痛打を浴びての敗戦投手。今季の失点はすべて3回までに喫しており、序盤のピッチングは明確な課題となっている。

 本人はnoteにて『立ち上がりについては「どうやったら立ち上がりを意識せずに立ち上がりを良くするか」を探します。考え過ぎたくないので』とコメント。正解は人それぞれなので、結果とフィーリングが良ければいいと思う。ひとまず8日間の調整の答えがどう出るか注目して、テレビの前で見守った。

 

今日の序盤の投球内容は?

 以下、3回までの福谷の投球内容を簡潔にまとめる。

  • 初回:先頭打者に安打を許し、得点圏に進められるものの、3番4番の早打ちに助けられて無失点。
  • 2回:またも先頭にヒットを打たれるが、今度は三振ゲッツーに助けられて無失点。
  • 3回:8番からの下位打線を三者凡退に。阿部寿樹の好守備にも助けられる。

 決して完璧ではないが、要所を抑えるナイスピッチング。相手打線の拙攻、味方の好守備にも助けられながら、無失点に抑えた。球数も35球と効率的かつ、3回裏には打線が大島洋平のタイムリーで援護。昨季から続く“完投チャレンジ”もいけるのでは? と、脳裏に浮かんだ。

 

中盤に待っていた“落とし穴”

 しかし、待っていたのは “落とし穴” だった。

 援護点をもらった直後、4回の先頭打者・羽月隆太郎にライトスタンドへ運ばれるソロを打たれ、1-1の同点。続く5回には、小園海斗の一塁ゴロに自身のベースカバーが間に合わず出塁を許すと、羽月に今度はタイムリーを打たれて2イニング連続の失点を喫した。

 羽月と小園はともに根尾昂と同じ高卒3年目で、これからの選手。福谷は相手を見て押し引きをするタイプの投手なので、油断したわけではないだろうが、ちょっとした隙を突かれる形になってしまった。
 その後、自身のタイムリーで再び追いつくものの、100球に達した7回に菊池涼介のタイムリー二塁打で再度勝ち越されたところで降板。福谷の2勝目、ならびに “完投チャレンジ” は今日もまた失敗に終わった。

 

想いを馳せる

 降板を告げられ、2番手の福敬登がマウンドに上がるまでの間、福谷はフィールドに立ち続けた。福とすれ違う際、カメラが捉えた福谷の口は「ごめん」と告げているように見えた。

 イニング途中の降板はリリーフ陣に負担を強いる。それは福谷もかつて同じ役割を担っていたから、よく分かるのだろう。残念ながら福はワイルドピッチで福谷が背負っていた走者を還し、結果的にはこれが決勝点となった。

 自分がせめてこの回の最後まで投げきれていたら。流れを呼ぶ投球をしていたら――。

 不甲斐なさだったり、申し訳なさだったり、色々な気持ちがあると思う。それだけの想いを持ってマウンドに上がっているのは、去年の悔し涙や今季継続的に発信するnoteからも伝わってくる。

 立ち上がりはうまく行ったが、今度は中盤に失点を重ねた。2ストライクからの決め球が甘く入って、痛打を浴びた。そして、投球フォームも改良中。課題は目に見えるだけでもいっぱいあるけれど、一つ一つ真摯に取り組めばきっと良くなるはず。

 悲願の完投を達成するその日まで、福谷のピッチングという名の冒険は続いていく。【ikki】

 

本人コメント引用:福谷浩司note

【振り返り】4月29日の阪神戦について|福谷浩司|note