ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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Don't Look Back In Anger

●0-4 DeNA(9回戦)

 3カード連続勝ち越しを狙ったDeNAとのGame 3は零封負けでミッション失敗。昨日は根尾昂のプロ初本塁打などで8点を取った打線だが、今日は散発5安打の無得点と沈黙。先発・勝野昌慶も粘りきれず、「こどもの日」に訪れたちびっ子ファンを喜ばせることはできなかった。

 

相手投手の特殊球に翻弄される

 とりわけ、ブレーキになったのはマイク・ガーバーだった。3番に座る打者が4打席連続三振では、勝てるものもなかなか勝てなくなる。

 ガーバーは、第1打席から相手先発・濱口遥大のチェンジアップに翻弄され続けた。明らかにボールを待ちきれずに空振り。たまに投げる直球にはタイミング合わずにファウルが精一杯。粘ってディープなカウントに持ち込むが、最後はバットが空を切ってしまう。

 6回2死三塁の好機では、ストライクゾーンに来たチェンジアップに手を出せずに見逃し三振。本塁打が出れば同点の8回2死満塁では、山崎康晃のツーシーム連投に屈して空振り三振。ドラゴンズファンのため息がバンテリンドームを包んだ。

 

危険なダイレクト返球

 ガーバーはライトの守備でも気になる動きがあった。どうも、タッチアップの際にダイレクト返球を狙いすぎるきらいがあるのだ。

 2回1死一、二塁。嶺井博希の右飛を捕球したガーバーは、三進を狙った二塁走者を刺そうと中継が届かない高さで遠投。この時一塁走者は動かなかったが、同じケースが来たら危ういと思っていた。

 すると、7回無死一、三塁、ソトの浅い右飛で不安が現実になった。打球を捕球したガーバーは躊躇なく本塁へ返球、これが捕手も捕れない高さとなり、一塁走者は二塁へ。三塁走者を返さない点は良かったものの、走者一、三塁と二、三塁ではその後の対応も変わってくる。結果、宮﨑敏郎はカウントが悪くなったところで申告敬遠。満塁から何とか嶺井博希を三振に抑えるも、代打・桑原将志に2点タイムリーを打たれてそのまま決勝点となった。

 

見切るのはまだ早い

 攻守で精彩を欠いた今日のガーバー。Twitterでは試合終了直後にトレンド17位に入るほど彼やチームへの苦言、ヘイトが溜まっていたようだ。

 ただ、NPBデビューからはまだ1週間。7試合、29打席を経たに過ぎない。なんなら昨季は主戦場であるマイナーリーグの開催がなく、来日後は2週間隔離されてからのプレー開始。ファームでも4試合、14打席しか立たないで一軍へ。

 体調面やプレーの感覚面、新たな環境への適応も含めて、今の段階で貧打解消の「救世主」的存在を彼一人に背負わせるのは、酷な話だ。

 とはいえ、ペナントレースが進んでいる以上、いつまでも本領発揮を待ち続けるわけにもいかないのが難しいところ。このまま不動の「3番・ライト」を担わせるのは、再考してもいいかもしれない。

 もう少し下位の打順を打たせたり、比較的振れている福田永将、根尾昂とうまく併用したりしながら、日本の水に慣れさせていくのも一つのアイデアだ。

 守備については、考え方・捉え方ひとつで変わるかもしれない。例えば、強肩が売りの根尾はいざとなれば中継が捕れるほどの高さの送球で補殺を記録しているし、ガーバーと同じ外国人選手のレオニス・マーティン(ロッテ)はダイレクト返球でもちゃんと捕手が捕れる高さにボールを放っている。このあたりは本人の気づきも必要だが、指導者をはじめ周りの導きが必要になってくるか。あるいは打てばリラックスできて、このあたりの課題も解消されるかもしれない。

 試合後、与田剛監督はガーバーについて「打てなかったことは残念だけど自分の中で得るものもあったと思う」とコメント。球団公式YouTubeなどで彼の言動を見る限り、聡明な人物だと見受けられるので、今日の学びを活かしてチームに還元してくれる日も遠くないはず。

 過ぎたことは深追いせずに、また週末からの戦いに期待を寄せよう。(ikki)

 

監督コメント引用:「スポーツニッポン」
参考:YouTube「中日ドラゴンズ公式チャンネル」内 【#Dragons_Inside】

【お知らせ】

noteにて、わたくしikkiが執筆した「ちうにちを考える」3・4月分のまとめを掲載しております。ブログには書ききれなかったこと、どんな思いで執筆に臨んでいるのかを中心に書きました。初めての試みではありますが、ご一読いただけると幸いです。

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