●2-6阪神(6回戦)
同一カード3連勝を狙った阪神との本拠地シリーズGame 3は敗戦。序盤から相手にペースを握られ、一度もリードを奪うことなく回は進み、9回にとどめを刺される展開だった。
10年ひと昔
チェン・ウェインがナゴヤドーム(あえてこう呼ぶ)のマウンドに帰ってきた。ただし、ドラゴンズブルーではなく、黒×黄色の阪神ユニ姿で。それでも、彼が躍動していた頃を知るファンにとっては、感慨深い気持ちもあっただろう。
彼が最後にドラゴンズに在籍したのは2011年のこと。球団初のリーグ連覇を果たしたあの年から、今年でちょうど10年が経つ。
この年ドラゴンズに在籍したのは、今日のベンチ入り選手だと大島洋平、福田永将ぐらい。先発で投げ合う福谷浩司は慶應義塾大で研鑽を積んでいたし、8番でスタメンの根尾昂はまだ飛騨の小学校に通っていた。そして、福留孝介はメジャー4年目のシーズンを過ごしていた。「10年ひと昔」とはよく言うが、確かに隔世の感がある。
チェンとのマッチアップで注目したのは、4番・ビシエドだった。
というのも、チェンとは事実上「初顔合わせ」の中で、ビシエドはMLB時代に対戦経験があったのだ。通算で11打数3安打、打率.273と特筆すべき成績ではないが、3安打中2本が長打で、そのうち1本はバックスクリーンに飛ばす特大アーチ。一発を放ったのは2013年の出来事なので本人が覚えているかは不明だが、観察者としては良いイメージを持つことができる。
大山とビシエド、4番打者の違い
果たして、2人の対決はチェンの完勝、ビシエドの完敗だった。
第1打席は1点ビハインドの初回2死二塁で二飛。第2打席は4点を追う4回1死から平凡な右飛に倒れ、2打数ノーヒット。特に悔やまれるのは好機を逸した第1打席で、1ボールからの高めに浮いたスライダーを打ち損じた。
チェンも試合後に「立ち上がり、1回、2回とかあまり良くなかった」と振り返っており、捕まえる最大のチャンスはあそこだった。まだ若くて速球派だったMLB時代とは異なり、歳を取り多彩な球種を交えたベテランの投球術にハマってしまったようだ。
ビシエドはその後の打席も精彩を欠いて4タコ。9回の最終打席は反撃ムードに水を差すゲッツーと、踏んだり蹴ったりだ。
翻って、阪神の4番・大山悠輔にはコテンパンにやられた。第1打席に先制タイムリーを打たれると、3回の第2打席には特大の3ランをレフトスタンドにぶち込まれた。次の打席でも安打を許し、3安打4打点の大暴れに、福谷ならずとも「大山くんにやられました」状態である。
今日はチェンの凱旋星もあったが、はっきり言って「4番打者の差」で負けた。そう言われても仕方ないし、現状のドラゴンズ打線において、ビシエドはそれだけの重責を担っている。
できれば石川昂弥に間近でビシエドの背中を見せながらプレーさせてあげたい……と思っているが、それはまた別の機会に。(ikki)
選手コメント引用:「デイリースポーツ」「スポーツ報知」
成績引用:「MLB.com」