ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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求む・竜の村上宗隆

●3-4ヤクルト(5回戦)

 横浜・神宮の関東遠征6連戦は神宮での3連敗が響いて2勝3敗1分と、借金を1つ増やす結果となってしまった。首位を走る阪神とのゲーム差は8.5、3位巨人とのゲーム差も5.5と水を開けられてしまっている。

 開幕して約1ヶ月、勢力図が徐々に形成されつつあるが、少しずつでも上位に割り込めるようなチームの勝ちパターンを確立してもらいたい。

 

殊勲のホームラン

 この日の先発オーダーに、稀代のヒットマン、大島洋平の名前はなかった。開幕から1番を任され続け、好調をキープしている大島。背中の張りがあり大事をとってとのことだが、大島欠場による攻撃力の低下が気になるところだった。というのも、相手先発の小川泰弘とは通算で.402 (102打数41安打)と相性抜群だったからだ。

 この大島に代わるセンターのスタメンの座で光り輝いたのはオリックスからの移籍3年目、武田健吾だった。

 初回、小川の甘く入ったチェンジアップをしっかりと捉えた打球はレフトスタンドに飛び込む先制ホームラン。チームにとって今年初めての 「先制ホームラン」 は、伏兵から産まれた特大の一発となった。

 武田は第3打席でも左中間にツーベースを放ちマルチ安打を記録。新外国人ガーバーの一軍合流も期待されている中での武田の活躍を、他の外野手陣はどのように感じているのだろう。

 

痛恨の4被本塁打

 先発の小笠原慎之介が4本のホームランを浴びた。すべてソロホームランとはいえ、3回には村上宗隆、サンタナ、オスナに3本を献上。

 特に勝ち越しのホームランとなった村上への一発は、チェンジアップをしっかりとコースに投げきっており、その打球にはただひたすら感心するしかなかった。打席で醸し出す雰囲気、威圧感は高卒4年目とは思えぬもので、当時の松井秀喜や筒香嘉智と比較しても遜色ない、いや彼らをも上回っているとさえ思えてしまう。

 村上の素晴らしさは打席での雰囲気に留まらず、次の塁を積極的に窺うアグレッシブさ、長打を狙うだけでなくしっかりとボールを見極める選球眼、場面によっては確実性を高めるバッティングなど野球センスにも表れている。

 ベンチからも大声を張り上げ、昨日のようなサヨナラの場面ではいち早くグラウンドに飛び出していく姿は度々カメラにも抜かれ、主砲でありながらムードメーカーでもある。ヤクルトは村上を中心としたチーム作りが完成されつつあるのを感じた3連戦だった。

 

求む、竜の村上宗隆

 さて、今日のタイトルでもある「竜の村上宗隆」について語りたい。3割、30本打てる村上のような選手がいるのであれば今すぐにでも試合で使いたいが、現実はそんな妄想を受け入れてはくれない。

 そして、中継でドラゴンズベンチを見ても真剣に戦況を見つめる選手が多く(それはとても良いことなのだが)、村上のような盛り上げ役が一人欲しいところだ。仁村二軍監督にはベンチから声でチームを鼓舞し、引っ張る姿を見せてくれる選手を送り出してほしい。

 

 仁村監督の手腕はファンからの支持も厚い。若手選手に寄せる期待はオフのメディア出演を通じて我々の耳に届き、我々ファンも監督の描くような彼らの成長を待ち望んでいる。

 二軍がこの土日2試合であげた17得点は、一軍の今週6試合であげた18得点に匹敵する。ガーバー、ワカマツの加入、石川昂弥の実戦復帰と、明るい話題の多いチームから勢いのある選手が一軍ベンチにやって来れば、チームも盛り上がるはずだ。

 巻き返しのためにも、ムードメーカーは必要だ、絶対に。

(yuya)