ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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生産性の向上

○3-1 DeNA(2回戦)

 「業務を効率よくこなし、生産性を高めましょう」

 社会人の方なら一度は耳にしたことがあるだろうこの言葉。例に漏れず私の職場でも天からその声が聞こえてくるが、曖昧な言葉ゆえに本質を把握しきれず現場が困惑している。皆さんの職場はいかがだろうか。

 

野球における “ 生産性” とは

 当然の話ではあるが、野球は得点を取って勝利するスポーツだ。今日時点で中日のチーム打率はリーグ5位の .217 であり、単純にヒットが出る確率は5打席に1回といった状況である。2回目のヒットが出るまでに3つのアウトを献上してしまえば、得点ができずにイニングが進んでいってしまう。

 では得点をするにはどうすれば良いのか、  “業務” と “生産性” に着目してみよう。

 ここでいう “業務” は野手一人ひとりの “打席” であり、どんな結果であれ進行上、必要なことである。その中で出塁をすることが  “生産性を高める” ことになる。

 そして出塁率の上がる安打や四死球は当然として、相手のエラーやフィルダースチョイスといった打席結果はたとえ打率や出塁率を下げるものであれ、生産性を高める行為だと私は考えている。

 

生産性の高い打席を見せた根尾

 2回裏を振り返ると、先頭のビシエドが四球で出塁するも、福留孝介、阿部寿樹は凡打に倒れて2死一塁。木下拓哉がセンター前ヒットでチャンスメイクをすると、打席には根尾昂。DeNAの先発投手・入江大生のボークでランナーがそれぞれ進塁したあと、何とか当てた打球はサード宮崎敏郎の悪送球を誘い、ラッキーな形で2点を先制した。

 続く勝野昌慶が三振に倒れイニングが終了。このイニングは5打数1安打の打率.200と、チーム打率を下げるも2得点を挙げることができた。そして根尾の打席こそが最高のアウトプットであり、ヒットを打てないなら絶対に必要な得点の取り方であったと私は考える。

 次の打席でも木下拓のツーベースに続いて根尾はセンター返しを放ち、この日唯一の連打で貴重な貴重な追加点を取ることができた。先発の勝野が何とか5イニングを投げきった直後だっただけに、この得点が大きく勝利を手繰り寄せたのは間違いない。

 

守備でも見せた!

 それだけではない。3回表1死、柴田竜拓のレフト線へのヒットに対して素早く回り込み二塁への進塁を防いだ動きは試合の展開を大きく左右した。

 得点直後に失点するのはよくある話で、満塁になりながらも宮崎をダブルプレーに仕留められたのも、柴田の当たりを長打にさせなかった守備あってのことだ。前日も好返球で失点を阻止した根尾の守備は首脳陣にも認められ、今シーズン4勝目ではじめて勝利の瞬間をグラウンドで味わうことができた。

 

先発投手に勝ち星も

 そして11試合目でようやく先発投手に勝ち星がついた。勝野は15のアウトを奪ったのに対して、出したランナーの数は10。ボールは真ん中近辺に集まり、フォークは思うように振ってもらえずに苦しい投球がずっと続いたが、ホームベースを踏ませる前に5回、3つめのアウトを取ることができた。

 お立ち台では「キャンプから状態が良くなかった日が続いた」と話していたように、結果を残せない登板が続いた。それだけに、どれだけランナーを出しても粘り強く投げて白星を手にした勝野の姿は、他の先発投手にも良い影響をもたらしてくれるはずだと信じている。

 

昨年、先発投手陣がボロボロだった時期に昇格し、ガラリと投手力が安定する大きな要因になった、明日の予告先発・松葉貴大のように……。

【yuya】