ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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花火大会

○11-2ヤクルト(11回戦)

 夏といえば花火。例年なら夜になるとどこかの空から「ドーン」という音が聞こえてくる季節なのだが、コロナ禍の今年は全国の祭りや花火大会があいついで開催を見合わせている。私が住む町でも河川敷でおこなわれる市主催の花火大会が中止となり、もの寂しい夏となっている。

 だけど、やっぱり花火が見られないと夏じゃない! 今日の神宮球場では「コロナなんかぶっ飛ばせ!」とばかりにド派手な花火大会が開催された。しかも花火をあげるのは、一方的にドラゴンズばかり。ひと夏の思い出には贅沢すぎる、東京都心の夜空に輝いた夢のような打ち上げ花火の競演は4発にも及んだ。

 

1試合4発は昨季二度

 

 そもそもホームランがめずらしいドラゴンズが1試合4ホーマーなど果たして最近あったのだろうか。興味がわいてすぐに調べてみたのだが、意外にも昨シーズンだけで二度あったことが分かった。

 最初は5月26日のヤクルト戦。堂上直倫が得意の高梨裕稔から2ホーマーを打ち、高橋周平、モヤにも一発が飛び出した。しかしこの試合ではヤクルトも青木宣親、山田哲人、バレンティンが3者連続ホームランを打っており、両軍併せて7発の乱打戦の末にかろうじてドラゴンズが逃げ切っている。

 途中には球審の判定に激昂した与田監督がベンチから今にも殴りかかりそうな勢いで飛び出そうとし、慌てた伊東コーチが羽交い締めにして止めるなど、何かと熱い試合だったのでご記憶の方も多いはずだ。

 二度目はシーズンも終わりが近づいた9月21日の、やはりヤクルト戦。木下拓哉、高橋、大島洋平、阿部寿樹がそれぞれ一発ずつ放ち、先発の柳裕也が6回1失点の好投で11勝目を挙げた。この勝利によりドラゴンズは6年ぶりとなる二桁借金の回避が確定し、3位広島とのゲーム差は1.5にまで縮まった。直後の広島戦、DeNA戦に連敗して惜しくもAクラス入りは叶わなかったが、久々にシーズン最終盤まで順位を意識した戦いができたことで、ポジティブな気持ちを持てたのも確かだった。

 奇しくも舞台は、どちらとも今日と同じ神宮球場。どうもドラゴンズの選手はここに来ると伸び伸びとバッティングができるようで、いっそのことナゴヤドームも神宮サイズに合わせたテラスを設置すれば、毎日のようにこんな試合が見られるのになあ、なんてテレビを観ながら能天気なことを考えたのも、終始ノーストレスの展開だった証拠だろう。

 

Aクラス浮上

 

 そして今まさに、このエントリーを書いている最中に阪神が敗れたという一報が飛び込んできた。これによりドラゴンズは、開幕カードを除けば今季初のAクラスに浮上したことになる。53試合目。借金持ちとはいえシーズン折り返し手前でのAクラス入りは今後にも大いに希望が持てる展開だ。

 一時は最下位を独走し、借金も最大9を数えた。しかし勝野昌慶、福谷浩司といった先発投手陣の頭数が揃ってきたことに加え、大野雄大の復調で波に乗り、ここにきて4カード連続勝ち越し、4連勝で一気にセ・リーグの覇権争いに名乗りをあげた格好だ。

 元々、一部の評論家のあいだでは「優勝できる」との評価を受けていたチームなのだ。それが開幕早々、幾つかのボタンの掛け違いにより、思わぬ形で低迷。監督退任論も盛り上がるなかで、よくぞここまで持ち直したものだ。あのとき夕刊紙にチームへの批判コメントを積極的に提供した関係者やらOBやらは、二度とドラゴンズに関わらないで欲しいと心から思う。

 一方、冷静に状況を捉えていた評論家もいる。チーム状況がドン底だった7月半ばに山﨑武司氏が投稿した「活気を取り戻そう!」というコラムの一文を拝借しよう。

 

そして、何より、チーム状況は決して悪くない!と僕は思っています。

じゃ、何がそうさせているのか?

大事なところでのチームに些細なミスがチームもファンもメディアもあれ?ドラゴンズは調子が悪いんじゃないの?

という空気や雰囲気にさせてしまっている事が大きいと僕は感じています。

まだまだこれからです。

個の選手の成績も決して悪くない。悪い状況に見えているだけ、活気、元気が必要。

 

中日ドラゴンズ公式サイト

『山﨑武司スペシャルコラム』

 

 なんのこっちゃない、山﨑さんは全てお見通しだったわけだ。「まだまだこれから」との言葉どおり、1ヶ月かけて活気と元気を取り戻した与田ドラゴンズ。8年ぶりのAクラス、さらにはその先の目標に向けて、残り67試合を全力で勝ち抜くのみだ。