ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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駄作の映画は観たくない

●2-7DeNA(8回戦)

 昔から映画が好きでよく観るのだが、本当におもしろい作品に出会えることなど100本観て一度あるかどうか。大抵は「ま、おもしろかったよ。そこそこね」という程度で、むしろ全然おもしろくないと思うことの方が多いくらいだ。

 ただ、どんなにおもしろくない……というかつまらない作品でも、2時間も観ていれば好きな場面や気に入ったセリフが一箇所は出てくるものだ。

 たとえば数年前、映画ファンから壮絶な批判を浴びまくった「スターウォーズ/最後のジェダイ」という作品があるのだが、たしかに152分の上映時間のうち130分くらいはグダグダ展開で退屈だし、ポリティカル・コレクトネスのためだけに挿入したと思われるローズ(アジア系女性キャラ)とフィン(黒人の主人公)の恋愛パートが本筋とは関係なさすぎて興醒めだったり、新加入のペンギンのキャラが登場する必然性がまったく無かったりと、贔屓目に見ても擁護しようがない駄作であることは間違いない。

 だが、何かと評判の悪いこんな作品でも個人的に好きなシーンが無いわけではなく。物語のラスト、必死に戦っていたルークが実は遠隔操作のホログラムであることを知った悪役カイロ・レンが発狂するシーンは何度見ても胸がすく思いがするし、このシーンがあるだけで少なくともこの映画の評価は0点では無くなるわけだ。ま、せいぜい40点くらいだが。

 長尺の娯楽という点では、映画のみならず野球にも同じことが言えると思う。それでは一方的に負けた今日のドラゴンズ戦は、果たして「カネ返せ」レベルの駄作だったのかどうか。いや、一概にはそうとも言い切れないのではないだろうか。

 

深刻な打線のスランプ

 

 打てない。とにかくチャンスで打てない。それなのにピンチで打たれる。

 シーズンも気づけば1/3にあたる40試合を消化し、早くもペナントレースは中盤戦に差しかかった。評論家予想では優勝候補にもあがるなど「今年のドラゴンズは違うぞ!」との期待感を持って始まった今シーズンだが、残念ながら最下位に甘んじている。

 最近でこそ改善傾向にあるが、ローテ投手がことごとく序盤で打ち込まれたり、物議をかもすような采配が多かったりと、その原因を列挙するのは大して難しいことではない。ただ、開幕から一貫して続いている打線のスランプこそが低迷の最大の要因であることは議論を待たない。

 元々このチームは打力の強さが評価されており、昨シーズン9月になんとか3位争いに絡めたのも打線が好調だったからに他ならない。

 ところが今季は阿部寿樹を筆頭に福田永将、平田良介といったレギュラー陣の状態が上がらず、意識改革により期待されたホームラン数も5位にダブルスコア近く離されてのダントツ最下位(19本)に沈んでしまっている。開幕前の練習試合で1試合2本ペースで量産したのが遠い昔のようである。

 

魅せた、根尾の好プレー

 

 そんな窮状にあって何とか流れを変えるべく、昨日から根尾昂が一軍に合流。今日も2試合連続でスタメンに名を連ねた。

 とは言え相手先発は濱口遥大。前回対戦時の石川昂弥もそうだったように、サウスポーのチェンジアップ使いは経験の浅い若手が最も苦戦するタイプだ。だから正直、根尾にヒットが出なかったのは想定通り。それでもチェンジアップに食らいついてファウルにするなど、一応の成長が見られただけでも良しとしようではないか。

 何よりも今日の根尾は守備で魅せてくれた。初回、1死一、二塁で宮崎敏郎のライト前ヒットを捕球するやいなや、素早い動作で京田陽太に送球。京田がドンピシャでランナーを刺し、見事な連携プレーが完成したのだ。

 若いうちは強肩をアピールしようとダイレクト送球しがちなところ。冷静にカットマンを経由したのは正解だったし、瞬時にそうした判断ができるのは野球センスあってのもの。やはり根尾は、そんじょそこらの若手とはひと味違うのだ。

 試合は見どころらしい見どころもなくボロ負け。内容、結果ともに「つまらない」と言わざるを得なかったが、根尾のこのシーンに出会えただけでもこの作品を観た価値はあった。

 映画でいえば『ターミネーター4』くらいの満足感かな。なんだ、やっぱり駄作じゃねえか。