ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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岡田でヤケ酒

 土日のデーゲームが好きじゃない。独身ならともかく、妻子がいると土日の昼間は基本、外出していることがほとんどだ。その間に試合をやられても、当然映像を見ることはできないし、大抵帰宅するのは試合が終わってからなので、晩酌しながらナイター観戦という贅沢なひと時が楽しめないからだ。

 2000年代の初めまではゴールデンタイムに毎日地上波で放送される巨人戦は全試合ナイターが当たり前だった。平日は帰りの遅い父親と、一緒にナイターを見られる土日が好きだった。酔ってくると饒舌になり、江藤慎一や権藤博といった大昔の選手の思い出話をよく披露してくれた。いま私が熱心に取り組んでいるドラゴンズの歴史研究も、父から教わった知識がベースとなっているのは間違いない。「あかん、今日の山﨑はやる気ないわ」と頭を抱えながら酒をあおる姿が懐かしい。当時、土日のナイターは親子団欒の貴重な架け橋だった。

 デーゲームが好きじゃない理由がもうひとつ。ドラゴンズが負けると、夜がとてつもなく陰鬱なのだ。ナイターならテレビを消して「もう寝る!」と伏せってしまえばいいのだが、まだ明るいうちに終わった負け試合のことを考えつつ、さらに就寝までの数時間を過ごさなければいけないのはホントにキツイ。その負け方が悲惨であれば悲惨であるほどダメージも甚大。その意味では、今日が練習試合だったのは不幸中の幸いだ。天国から地獄へ。山本拓実のパーフェクト投球に気分をよくした中日ファンの晩酌は、勝利の美酒ではなく敗北のヤケ酒だった。

 

取っ替え引っ替えした結果が岡田

 

 見飽きた光景が、今年もまた繰り広げられた。大和の打球が右中間を真っ二つに破るのを確認すると、あまりのやるせなさに体から力が抜けるのを感じた。“クローザー”岡田俊哉がぴりっとしない。11日の5失点に続いてまたしても背信の投球。前回は庇った与田監督も、今日は「本調子というか、これが今の彼の実力」と手厳しかった。

 早い段階で岡田を今季のクローザーに指名。オープン戦でも安定感に欠ける内容だったが、与田は一度決めたスタンスを崩すことはなかった。そこから2ヶ月の自粛を経て、あらためてシーズンに向けての最終調整の場である練習試合が再開。しかし現時点では、自粛期間に修正してきたとは到底言えない投球が続いている。

 こうなると再燃するのがクローザー交代問題だ。さっそくSNSではマルティネスにすべきだ、いや藤嶋だ、ヒロシだって好調だぞといった激論が飛び交っているようだが、結局はその時点で調子の良い投手の名を挙げているに過ぎず、堂々巡りの感は否めない。そもそも昨年、開幕からクローザーを任されたヒロシが14セーブを記録しながらも内容の不安定さが問題視され、セットアッパーで無双していたマルティネスに交代。しかしオリックス戦での炎上など今ひとつの内容で、母国に一時帰国するタイミングで代役に抜擢されたのが岡田だったわけである。

 岡田は時おり痛打を浴びることはあったものの一定の結果を残してそのままシーズン最終戦まで完走。その実績を買われて今季も引き続き大役を任されることになったが、うわべの成績だけで見るなら昨年だって決して盤石だったわけではない。クローザーに就任した時点での防御率3.09は、最終的に3.58まで悪化。右打者への被OPS.832では、毎試合きっちり抑え込むのは難しいと言わざるを得ない。

 

 ただ、2月から一貫してきた「クローザー岡田」の方針をこの試合の結果だけ見て覆すのでは、あまりにも節操がない。おそらく開幕は岡田で臨むことになるだろうし、2、3試合程度の敗北なら看過する可能性だってある。今日みたいな逆転負けを食らうとついクローザー交代を叫びたくもなるが、今いるメンバーを取っ替え引っ替えした結果が岡田だということは、再度強調しておく。

 今年もヤケ酒が多くなりそうだと悟ってしまった今日の試合。遠く離れて過ごす父も、「まーた岡田はいかんわ」と立腹していることだろう。てか昔は文句言ってたけどさ、ギャラードって結構すごかったんだなって今さらながら思ったよ。ソーリー、エディ。

 

練習試合●3-4DeNA