ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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芸人の不倫と小笠原の不調

 家に帰ったら佐々木希がいるのに、わざわざ寄り道して別の女性と密会する。日本中の視線が、久々にコロナではなく一人の愚かな芸人に向けられた。

 なるほど、と膝を打ったのが、「山田哲人がいるのに菊池涼介を獲ろうとするようなもの」という表現だ。比喩としては本質からズレているが、妙に納得してしまった。そういえば昔、キヨマーがいるのにペタジーニを獲得した球団もあったし、ヤマサキがいるのにディンゴを獲得した球団もあった。「限りないもの それは欲望」と井上陽水も歌っていたが、誰もが羨むような環境を手にしても、目先の欲望を満たしたいがためにリスクを顧みずに突っ走るのが人間という生き物なのだろう。

 この男がここまで強いバッシングに晒されるのは、12球団競合ドラ1級の美人界の小池秀郎のような存在と結婚したことに加え、「グルメ通」を主としたハイステータスキャラから脱することができなかったのも敗因だと言われている。たしかにあれほどの美人と結婚して、なおかつ高貴を振る舞われたのでは可愛げのかけらもない。100歩譲って“キャラ”として演じていたなら救いもあるが、「とっておきの店、こっそり教えます」とかいう芸人なのに面白くもなんともない会員制サロンを運営していたのも印象が悪い。

 たぶんこの男は、結婚を機に思い切ってモデルチェンジを図るべきだったのだ。それこそ甲子園に詳しい庶民派イクメンパパにでも。小倉優子がコリン星を捨てたように、大型内野手だった鳥越裕介が小技職人に転身したように、人は時としてモデルチェンジに踏み切る勇気が必要なのである。

 

小笠原、寂しい投球スタイル

 

 今日の先発は小笠原慎之介。開幕ローテは内定しているものの、オープン戦を含めて今ひとつピリッとせず不安がつきまとう。そろそろ快投を期待したいところだが、今日も立ち上がりからストレートが走らない。初回の最速は140キロどまり。マリン特有の強風が吹く中とはいえ、ロッテ先発の岩下大輝が140キロ後半をバシバシ計測しているだけに、見劣りする感は否めない。カーブとチェンジアップを軸にした投球で2イニングをパーフェクトに抑えたものの、3回につかまって3失点。結局5.2回7安打4失点という内容で開幕前最後の実戦登板も不安解消とはならなかった。

 結果もさることながら、寂しいのは投球スタイルだ。はっきり言えば、若々しさなど微塵も感じられない引退間際のベテランのような投球。40代の山本昌ならそれでもいいが、慎之介君はまだ22歳。老け込むにはいくらなんでも早すぎる。

 小笠原といえば5年前の夏、史上空前のスター揃いとなったあの伝説の甲子園での勇姿が忘れられない人も少なくないはずだ。唸りをあげる最速151キロのストレート。糸を引くような球筋で右打者の懐をえぐるクロスファイア。ドラフトでドラゴンズ入りが決まったときは「あの小笠原が来るのか! 中日に!」と身震いが止まらなかったのを思い出す。そして忘れもしないルーキーイヤー。ソフトバンク戦での衝撃デビューと、セットで思い出す福谷浩司への怒り……は置いておいて、その後も小笠原は順調すぎるくらい順調に成長。2年目には早くも5勝をあげ、誰もが若きエースの誕生を確信したのだった。

 ところが、あれから4年が経った今、残念ながら小笠原をエースと呼ぶ者は誰もいない。だらりとした脱力フォームに躍動感はなく、投球自体も緩急を使って打ち損じを狙うばかり。ローテの当落上で苦しむ小笠原など見たくはなかった。

 

「東海大相模の小笠原」からの脱却

 

 ただ、これが小笠原の出した答えだとしたらどうか。幾度かの手術によって高校時代のようなスピードボールを二度と投げられないことを悟った小笠原は、プロで生きていくために軟投派の道を選んだ。周囲から「東海大相模の小笠原」を求められているのは承知のうえで、生きるためにモデルチェンジを図ったのだとしたら。その覚悟を否定することなど私にはできない。

 まだ道半ば、結果こそ出ていないものの、伸び盛りの年齢だ。どこかで完全脱却してニュー小笠原が覚醒する日を楽しみに待とうではないか。今日のような投球でも黒星が付かなかったのは、全国制覇のツキが離れていない証拠でもある。打ってはホームランを含む猛打賞、守ってはファインプレー。今日は例の不倫芸人の相方と同じ名前の大島に助けられた恰好だ。

 

練習試合○10-4ロッテ