ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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福田アルモンテ論争

 福田永将か? アルモンテか? レフトをめぐる争いは、開幕を10日後に控えても未だ結論が出ぬままだ。

 今日の先発レフトは福田。右の二木康太が先発とあって左打席のアルモンテがスタメンかと思われたが、7日の守備を見てしまうとそうできないのも止むを得まい。そのくらいあの守備は酷かった。特に2本目のファンブルには目を疑った。

 1本目のミスもあり、打球がレフト前に飛んだ瞬間に嫌な予感はした。もっさりと捕球体勢に入るアルモンテ。転々と弾むショーバン。来るぞ……来るぞ……と、恐る恐る身構えて…からのギャアアア! というホラー映画的な様式美。もたつきにもたつきを重ね、送球までに要した時間は実に4秒。ちなみに一流の外野手は、捕球から送球までの一連の動作を0.5秒以内にこなすと言われている。それに比べて4秒て。冬の超寒い日にインターフォンが鳴って「よっこらしょ」ってぬくぬくのコタツから出るのと同じくらいの緩慢さ。「アマゾン? なんか頼んでたっけ? ……お、おとといポチったTENGAだあああ!」ってダッシュで自室に駆け込むときのオレの俊敏さ、高松級。なんちゃって。

 

守備力向上に成功した福田

 

  さて。気を取り直して想像してみて欲しい。開幕戦の神宮球場。坂口智隆が、青木宣親が、いやらしくレフト前に打ち返す姿が目に浮かぶようだ。たぶんアルモンテは似たような打球が3個来たら、必ず1個はミスる。練習試合なら苦笑いで済むが、公式戦で同じことをやらかせば致命傷になりかねない。ナゴヤドームのスタンド上段まで運ぶ「左モンテ」の驚くべきパワーは魅力的だが、やはりバランス的には相手が右だろうと福田が無難ということになる。

 ちなみに両者の左右投手成績(2019年)は以下の通り。

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 どちらもサウスポーは得意としており、右投手は福田がやや苦手としていることが分かる。ただ、対右のホームラン率は福田が倍以上の割合で上回る。打率こそ低いが、守備力の差を考えれば福田がややリードと言えるのではないだろうか。

 もちろん福田も守備はうまくない。というかヘタだ。昨年、福田の守備で落とした試合を3個は簡単に思いつくし、神宮でもレフトスタンドに詰めかけたドラゴンズファンの眼前でやらかしていた気がする。あくまでも“アルモンテよりは上”というレベルの話だ。

 ただ、今年の福田はひと味違う。詳しくは2月に書いたこちらの記事を読んでもらおう。

www.chunichi-wo-kangaeru.com

 にわかには信じがたいが、「工藤コーチも目尻を下げるほどウソのようにスピードが増した」と中スポに書いてあるのだから本当なのだろう(残念ながらソース記事は既にリンク切れ)。今のところ練習試合では守備力の向上を実感する場面には遭遇していないが、シーズンが始まれば昨年までとは別人のように俊敏な動きの福ちゃんが見られるはずだ。

 

アルモンテも負けじとタイムリー

 

 今日の試合、その福田は2三振のあとの6回にタイムリーツーベースを放つなどマルチ安打を記録。しかしアルモンテも黙っちゃいない。そもそも打撃の方はエラーした7日の試合でも猛打賞を記録したように絶好調だ。今日も8回に代打で登場すると、ランナー三塁のカウント3-2からあわやスタンドインというエンタイトルツーベースを放ち、存在感を示した。

 今のところ打つ方では長打力で勝るアルモンテがやや優勢。あとは問題の守備を加味して最終的に首脳陣がどのような決断を下すか。と言っても、あくまでも併用が前提の起用になるだろうから、深く考えても仕方ないというのが本当のところ。

 でもとりあえず断定できるのは、開幕からアルモンテを使えるのはめちゃくちゃデカいということ。そして、アルモンテか福田のどちらかを代打に回せるのはめちゃくちゃ頼もしいということ。亀澤恭平や松井佑介が代打筆頭を張っていた時代からすれば、とんでもない進歩なのは間違いない。福田か? アルモンテか? 贅沢な論争である。

 

練習試合○11-4ロッテ