ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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怪物くんの豪打

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  中日のドラフト1位・石川昂弥内野手(18)=東邦高=が24日、2軍練習試合のオリックス戦(ナゴヤ)に「4番・三塁」で先発出場し、プロ初本塁打となる2ランを放った。

 1回2死一塁で迎えた第1打席、カウント1―1からオリックスの先発左腕・富山の投じた133キロの変化球を捉え、バックスクリーン右横へたたき込んだ。沖縄春季キャンプからの実戦を含め、36打席目で記念すべき一発を放った。

 

 怪物ルーキーがまたしてもモノの違いを見せつけた。中日スポーツの記事では「36打席目」とされているが、これはあくまで春季キャンプの練習試合等もカウントしたもの。本来のウエスタンリーグ開幕戦にあたる3月14日のソフトバンク戦から数えれば9試合27打席目での一発になる。

 その弾道も凄まじい。高めに浮いた変化球を捉えた当たりは、そびえ立つフェンスを超えて最深部のセンターバックスクリーン右横に到達。ナゴヤドームと同規格のナゴヤ球場ではホームラン自体が稀。それも年間通してもそうはお目にかかれないバックスクリーン弾を18歳の右打者が打ったのだからボルテージが上がらないわけがない。

 さらに石川はこれだけでは飽き足らず、三振を挟んで3,4打席にも二塁打を記録。この活躍を受けて与田監督は明日の巨人との1軍練習試合で石川、岡林勇希、高松渡の3人をスタメン起用すると明言。一旦は白紙になった1軍合流プランを若竜たちが結果を出して掴み取った形だ。

 

 

石川に負けるな、根尾

 

 そういえば根尾昂が実戦初本塁打を記録したのもちょうど1年前のこの時期だった。3月23日、読売球場での巨人戦。野上亮磨から逆方向に放った一発をご記憶の方も多かろう。意外にも石川の初ホーマーは根尾よりも遅いものになった。

 ただ、この時の根尾は5打数1安打。初の猛打賞は7月7日まで待たねばならず、複数長打を記録したのも同月23日のことだった。一方の石川は、初ホーマーとセットでこれらを達成。このままいけば、石川が根尾の1年目の成績を超えるのは確実といえよう。現に今日時点での石川の出塁率(.333)は、去年の根尾が一瞬たりとも届かなかった数値である。

 与田監督をはじめ首脳陣が思い描くのはあくまで「3番根尾、4番石川」の夢プランだが、石川も先輩を待っていてくれるほどお人好しではない。

 

 今日、猛打賞1ホーマーの石川をよそに根尾は2三振を含む4タコに終わった。場合によっては開幕1軍まで現実味を帯びてきた石川に対して、根尾は今季も2軍が主戦場になりそうだ。

 1年が経ち、ファンの関心もすっかり石川に移ってしまった。残酷だが、それがプロの世界。根尾が巻き返すには、結果を残すのみだ。