ちうにちを考える

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梅津、逆転ローテ入りへ

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 開幕を前に、頼もしい男が還ってきた。今日、広島との練習試合に先発した梅津晃大が5回を投げ被安打5、無失点の好投でローテ入りへ向けて猛アピールに成功した。

 そもそも梅津はローテに入ってもらわなければ困る投手のひとりだが、キャンプ中盤に右肘の張りを訴えて再調整を余儀なくされ、内定していた開幕ローテ入りも白紙撤回となった。当初の予定では戦列復帰は4月中旬とも言われていたので、本来なら開幕2戦目にあたるこの試合で1軍の舞台に戻ってこられたのが嘘のようである。

 

 

今月初めにはローテ撤回も

 

 3月1日のオープン戦(広島戦)では1イニングを投げ3失点とプチ炎上。自慢のストレートをことごとく打ち返されるなど調整遅れを感じさせる内容には不安を隠せなかった。何しろ梅津はローテどうこうではなく、将来のエースを嘱望される逸材である。昨季感じさせてくれた底知れぬポテンシャルからすれば、怪我さえ無ければ“抑えることができて当たり前”。そんな異次元の存在だと思っていただけに、いとも簡単に打たれる梅津の姿はなかなかショッキングなものがあった。

 山本拓実、岡野祐一郎といったローテを争うライバルたちが順調にアピールする中で、梅津はこの日の試合後「僕が開幕ローテ入りに一番遅れをとっている。危機感を持ってやりたい」と険しい表情で語った。開幕ローテ漏れが報道された今月5日にはナゴヤ球場屋内練習場にて131球のブルペン投球を敢行。「100球を超えてから体が馴染みだし、最後の31球は良かった」と“逆転開幕ローテ入り”へ手応えを口にしていた。

 今日もあの時と同じ広島戦。この3週間でどれだけ本来の調子を取り戻せたかを試すには、もってこいの相手だ。

 

開幕延期によりローテ入りへ

 

 毎回走者を出しながら要所を締めるピッチングで結果的には無失点に抑えたものの、ストレートの最速は昨季よりも3キロ遅い148キロ、奪三振もイニング数より少ない3個と本調子からみれば物足りない内容だった。それでも前回対戦で2点タイムリー二塁打を浴びた小園海斗からフォークで空振り三振を奪うなど、闇雲にストレートを投げて打ち込まれた前回と異なり、持ち球を活用できていたのは収穫と言えそうだ。

 制球もよく、与四死球は鈴木誠也への死球のみ。5イニングで投じた球数はわずか62球という「省エネ投球」は、肘に不安を抱える梅津が今後も追求すべき一つの形なのかもしれない。

 

 不幸中の幸いと言うべきか、開幕延期により一度は白紙になった開幕ローテが再び手の届くところまできた。空席になっていたローテの1枠がエース候補で埋まる。それはつまり、里崎智也氏の言う「今年の中日はマジで強い」という主張にまた一つ近付いたことを意味する。

 

なんか今年はマジでイケる気がしてきたぞ

ちなみにプロ野球ニュースSPでは解説者22人のうち6人が中日のキーマンに梅津をあげた。大野や柳を差し置いて最多票を集めるあたり、プロから見てもその素質は段違いなんだろう

 

【参考資料】

中日スポーツ

「オープン戦で炎上の中日・梅津はローテ入りに危機感」

「中日・梅津『魂のピッチング』131球投げ込み」