ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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根尾の悪癖

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 久々の勝利。柳裕也の快投、若竜たちの躍動……それでも今ひとつ心が晴れないのは、根尾昂の喫した2つの三振があまりにも残念だったからだ

 1個目は5回、1死二塁のチャンス。初球のスプリットに空を切ると、7球粘った末にやはり低めボールゾーンのスライダーを空振り。続いては9回1死一塁で、対するは増井浩俊。初球のストレートを見送ると、2球目からはフォークの連投にスイングが止まらず、4球目の外角へ沈むフォークをやはり空振りで2個目の三振を喫した。

 キャンプ、オープン戦を通じて成長した姿を見せてくれていると言っても、所詮は昨年比での話。実績のある投手と対戦すれば、まだ根尾は1軍のレベルには到底達していないことを否応なしに認めざるを得なくなる。沈む系の変化球への対応といえば古くは大豊泰昭や山﨑武司、現役なら藤井淳志や福田永将あたりが苦手とし、「どうして振るのだ」と頭を抱えてしまうような低めのボールにしょっちゅう手を出しているイメージだ。

 

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▲低めのボール球に手を出す悪癖が治る日は来るのだろうか…

 

 ただ、彼らには甘く入ったボールを逃さないだけのバッティング力が備わっており、どこに投げても滅多にヒットを打てない根尾と同列に語ることはできない。投手からすれば長打の怖さもなく、三振は簡単に取れる。今の根尾ほど容易に攻略可能な安牌もなかなかいないと思う。

 

 

活躍する姿が想像できない

 

 開幕延期によりもう少しだけチャンスをもらえるかもしれないが、現状においては甲子園球場で三振を喫した昨年9月の根尾と比べ、残念ながらそれといった成長を感じることはできない。同じ外野手ならマルチ安打を記録した渡辺勝の方がよほど可能性を感じるし、なんなら今日も教育リーグでヒットを打った岡林勇希を使って欲しいくらいだ。

 13日にはウエスタンリーグ(開幕延期の影響により無観客の練習試合という扱いになる)が開幕する。根尾はなんとしても大成させなくてはいけない金の卵だ。しかし、金の卵が必ず孵るとは限らないのがプロ野球の世界。これまでにも鳴かず飛ばずで消えていった期待株は数多くいた。昨年のように2軍で三振を量産するようでは、その立場も日に日に危うくなるだろう。

 球団史上最高レベルの鳴り物入りで入団してから1年半。その気になればいくらでもポジティブに捉えることもできるが、敢えてシビアに本音を語るなら根尾が1軍で活躍する姿など現時点では想像することさえできない。根尾の現在地には限りなく暗雲が垂れ込めている。